表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/354

六五 森の中のおかしな三人

次の日、朝早くからライムさんがやってきた。

どうやら手紙だけでは怒りは収まらなかったらしい。

さんざん小言をいわれて朝からくたびれてしまった。

別に小言を言うためだけに高い転送石を使って来たのではない。

やはり言葉をかわせないと言うのは不便ということで、せめて手紙のやりとりをと、魔法陣に手紙がくれば知らせてくれる機能をわざわざつけてくれたのだ。これで、魔法陣をひらく機会が無い時でも手紙が来た事が判るということだ。

さらに今使っているのが大きすぎて不便があるかも、と、手のひらサイズのも作ってくれていた。まるでメール機能限定のケータイだな。

そのかわりといっては何だけど、もうすこし査定やらカード更新を待って欲しいということらしい。一週間ぐらいは時間が欲しいのだそうだ。

別に急ぐ旅でもないし、無理言っているのはこっちだしということで了承した。

そして、ライムさんは槍使いということで槍を集めているらしく、珍しい槍があれば譲って欲しいということも言っていた。ワシらの中に槍を使うのはいないから頭の隅にでもおいておこう。

本部副ギルドマスターという役職上いそがしいのか、言いたい事・伝えたい事を伝えた後、世間話まではつきあってはくれず帰って行った。次に合うのは一週間後だな。


ぽっかりあいた旅立ちまでの時間、ワシらはミケに戦闘訓練をすることにした。

といっても、ダンジョンではなく森の中でだけど。

ミケは腕輪のおかげもあって、レベルはあがったのだけど(タマキも上がっていたが、ワシは全く上がってなかった。なんでだ?)戦闘についてはどがつくほどの素人さんだ。

せめて護身術ぐらいは覚えて貰わんとなぁ。

というかミケは上がり過ぎだと思った。タマキでさえ二度潜っても80位しか上がらなかったのに、平気で150位上がってるんだからな・・・超人的な能力を持っているとレベルは上がりにくいのかな?

森の中を南下していくワシら一行。島から出てきたときは迷うことなく北上したので、どうせなら南の崖というのも見ておきたかった。

森の北と南で生息している魔物も違うのかなという期待を込めながら、森の奥を進む。

進むうちに新たな問題に遭遇した。ちょっと考えれば気付きそうなものだけど、戦闘は素人でもミケはすでにこのメンバーで一番のレベルと化している。つまりは、むちゃくちゃな動きでも攻撃が当たれば魔物はひとたまりもないということだ。

「なんとにゃくだけど爪とかかにゃあ・・」という武器の希望があったため、玉龍が落とした爪を与えたんだけど、武器の能力も手伝ってタマキのような圧倒的暴力ではないにしろ、出てくる魔物を蹂躙してしまっていた。

これでは訓練にならない。ミケもこれでは物足りないのではないのか。

そう思ったんだけど、思いの外ミケ本人が楽しそうにしている。

あれか?獲ってきたネズミをわざと逃がして、遊び道具にするあの猫の習性なのか?


「・・しょうがないのぢゃ。基本的なことをするにはミケは強くなり過ぎたのぢゃ」


「どうしたもんかな~・・」


「崖まで行くすがらの魔物だけぢゃ、だめぢゃろうな。ウチが昔やっていたみたいにしゃどーぼくしんぐぢゃったか、あれの要領でくうに打撃をうつイメージをやってもらいながら進むかのう・・」


タマキのあれは型を覚えるための反復練習の意味合いが強かったので、実戦で鍛える方針のミケにはちょっと違うと思いつつ、それでも何もしないよりはましということでまったくやる必要のないワシら夫婦をくわえて三人、空を打ちながら進んだ。はたから見てなんて怪しい集団だろう・・。

出てきた魔物はミケが打つ。ワシら夫婦は延々空を打つ。

見なれない魔物にも無事出会えて、なぜかワシのレベルがあがったりする場面もあったが、三時間程度で崖にはついた。

道中、初めてみるドロップ品のフィギュアにミケは目を丸くして驚いていたが、これもワシのスキルだから気にしないでというと、こっちが気にするほどあっさりと納得していた。

・・ミケの中でワシら夫婦ってどんな評価なのか・・いや、考えるのやめよ・・

そしてどうもワシのレベルって、経験値がどうとか関係なく、フィギュアを手に入れることで上がるみたいだな。

それならダンジョン二度目の踏破の時に一つも上がらなかった理由もわかるというものだ。

あれだけの強者をたおして上がらないレベルが、このあたりの普通の魔物で上がるという不思議な現象もそう考えれば納得できる。


断崖絶壁と聞いていたからてっきり二時間ドラマのクライマックスみたいなのを想像していたんだが、何度か崖崩れがあったのか海までの高さは低い堤防ほどだ。

これなら普通に降りれるし、今のワシらならば登るのにもよっこいしょという掛け声なしでいける。

下には小さいながらも砂浜もある。まるでプライベートビーチである。

まあ、ヨーコさんの記憶ってちょっと昔のものだししょうがないよね。


目の前の海は穏やかだ。島と違い禍々しいものなく、海は渦も巻いていないし風も穏やか。

海の向こう側には小さな島が見える。


「あの島は?」


「にゃんか人はいにゃい島らしいんだけど、いにしえのしきたりを今に残す島といわれているにゃ。もちろんこのところ人が行ったという情報はギルドには入ってにゃいにゃ。今は魔物だけいるらしいにゃ」


忘れ去られた島・・・というところかな。

陸続きでもミケのギルドに人が来なかったのだ。わざわざこんな所にまで来る人がいるとは思えない。

さて、どうしたもんかと思っていると、わが嫁はいつも通り好奇心のかたまりだった。



「せっかくぢゃし、あの島までいってみようかの」




◆今回のフィギュア収穫◇

アルラウネ

ジャイアントアント

ホーネット

デビルバグ

ドリアード

マタンゴ

ワーウルフ

ワードッグ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ