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五二 川辺の天気は雷のち石

魔法陣から次に転送されたのは、綺麗な小川だ。

といっても、島にあったような森の中の小川じゃない。

人家のない里山にあるような小川である。

先程最後の高速作業と武器をみてからのワシに少しなにかいいたそうなタマキとともにその川の流れをみながら小休憩である。


「今日はもうボス倒しても次に進まず、ここで終ろうか?」


「そうぢゃの。急ぐこともあるまい。それよりもモリー。お主ちと変じゃないか?さっきの最後の豚を見たあたりからの・・」


やはり気付いていたか・・。


「ちょっとさっきのやつに心当たりがあったんだけど、ワシの知ってるのはもうちょっとこう・・って考えると違うんじゃないかとも思ってね。先に進めばこの疑問も確信に変わるかもって思ったから急いだんだ。確信出来たら改めてその逸話と共に話すから」


「・・そうか。ぢゃ、その逸話とやらを楽しみにしておくかの」


あっさり引き下がってくれた。

タマキは本能なのか愛なのか知らないけど、ワシが嘘をついたりするとすぐに見抜いてしまう。

今回のワシの言葉には嘘はない。だからそれ以上追及してこないのだろう。

そんな風に雑談を交わしながら一息入れていたら、川上の方からピタピタという足音と共に緑の何かが集団でこっちに向かった来る。


「あれは・・カッパかの?おお、ヘケトにズェラロンズ・・・カエル軍団ぢゃな」


豚の次は河童・・もう疑い場所はないのかね。


「いろんな魔物が混ざっておるが・・・・・あれはなんぢゃ?見た事ないが?」


ペタペタという足音に交じって、ショキショキという音を立てて何かを洗いながら近づいてくるなにか。

タマキが知らないというのはなかなか珍しいが、ワシはその姿に見覚えがあった。


「あれは・・小豆あらいか」


「アズキアライ?なんぢゃそれは?」


「前世でそういう名前の妖怪、こっちでいうと魔物ってことになるか、が居たんだよ。なぜか小豆を洗いながら現れて子供を攫ったり、川に突き落としたりするらしい」


「この世界では聞いたことはないが、要するに悪い奴らぢゃな」


そう言うやいなや、タマキの先制攻撃。

その攻撃の様相は神の怒りである。

もはや魔物の種族は関係ない。

緑の壁のようにみえた集団にむけてイカヅチが降り注ぐ。

これはさっきの焼き豚と同様ひとたまりもないなと思っていたのだが、凄まじい土煙をあげるその場から、ゆらりゆらりと影がゆれてる。

影はゆらゆらとしながらも、だんだん大きくなってくる。あの状態でなおこっちに向かってきてる?


「む。あれではいかんったか?」


土煙が消えて現れたのは、傷つきながらもこっちに向かってくる河童だった。

他のカエル軍団やらは先程のイカヅチで終わったらしく、一つも姿が無い。

河童って・・・あ、そういえば。


「そういえば、ワシの前世での河童って雷使ったり、呼んだりしてたような。だからタマキの雷攻撃を耐えたんじゃないかな?」


「なに?そうなのかの」


「あくまでワシの知識だけどそうだったと思う」


「ならどうすればいいかの?」


どうすればいいかもなにももう一発イカヅチを放てばいくら今回耐えていても、さすがに耐えきれずに倒れそうなものだけど。

でもここはあえてワシの知識にある河童の弱点を突こうか。


「たしか頭の上の皿が弱点と言われていたような・・。乾いたり割ったりすれば倒せるんじゃないかな」


「なるほどの。ぢゃ、ほれ」


そういうとタマキはカッパ軍団にむけて石の雨を降らす。

なんだ、石の雨って・・・隕石かよ・・・。

後で聞いたらこれは、土属性の魔法らしいが・・・・。

明らかに既に瀕死の河童軍団にはオーバーキルだ。

案の定タマキのその魔法の第一波で全滅してしまった。

その場に残ったのは豚の村と同様、大量のアイテム品とフィギュアたち。

皿にきゅうりに粘液に小豆に・・・はぁ・・またこれら全部拾っていくのか。


全部拾い終わった時にはもう辺りは暗くなっていた。

どうもダンジョンにも外と同じ時間が流れているらしいな。

拾ってきた薪に火をくべて、夕飯を食べまったりし、そろそろ寝るかとなり二人して毛布にくるまっていた。

もちろんいつも通り一つの毛布に、だ。


「今日は人の家ぢゃないし良いぢゃろ?」


そう言って甘えてくるタマキ。

確かに今日は人の家じゃないし、周りに人はいないけど、ここダンジョン内とはいえ野外だよ!?

そんなことはお構いなしに積極的に絡みつくタマキ。こうなったらもうワシにあがなう術はない。後はタマキが満足するまで付き合うだけだ。

どうもタマキはワシが人にしてしまったモンスター娘なのでワシが前世で憧れた人の精が大好きなモン娘になってしまったようなんだよな。

ま、ワシも嫌じゃないしいいんだけど・・。


・ ・ ・ ・


合体の最中物音がした気がした。

足音みたいな音はだんだんと近づいてくるようだった。

だけどワシは動けなかった。タマキが上に乗っていたから・・。

でもタマキは気付いていた。丁度インターバル中だったから・・。

足音は消えたらしかった。インターバルも終わり合体の続きが始まった。

今夜の合体は濃厚で二人ともが疲れ果てて眠るまで続いた・・・。


・ ・ ・ ・


翌朝起きると地面になかかが落ちていた。

昨日火を消す前にはなかったはずのものだが・・?

昨日の豚の武器の前例があるので嫌な予感はするんだけど世界眼を使って視る。


[降魔の宝杖]・・・強力な破魔の力を持つ半月刃の付いた杖。伝説級武器。


ああ、あいつだな、とワシは思った。

居たのか・・そう言えば昨晩足音が聞こえたような気がしたな。

よく見れば魔法陣も出来ている。ボスだったんだな。

起きてきたタマキに聞くと、


「なにかがいるなとは分かっておったのぢゃが、お主とのその合体を邪魔されるのはいやぢゃったので、気配のする方に昨日河童を倒した数十倍の石つぶてを放っておったのぢゃ。もちろん地面に着地すれば音がすごいのでヒットすれば消えるように工夫しての」


・・ようするに合体の邪魔をされない為にインターバル中に倒したという事だった。

なんだ、その片手間みたいに倒されるフィールドボスって・・!?

結局、そいつかどんな容姿をしていたかは、同じくおちていた女体化したフィギュアから想像するしかなくなったようだった。



◆本日のフィギュア収穫◇

ブルースライム

アズキアライ

ヘケト

ズェラロンズ

ケルピー

カワヒメ

エンコウ

サゴジョウ


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