表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/354

二一 世界一うけたい授業(座学編)

はじめて魔法を使って数ヶ月がたった。

あいかわらず目の前には平和な森と青空が広がっている。

いつもと違うといえば、今日はめずらしくヨーコさんも付いてきている。

日頃部屋に籠りっきりで飯時と例の質疑応答の時以外あまり会うこともないので非常に珍しいことだ。


あれからワシはタマキに心の中で誓った通り、無理のない範囲での修練を欠かさず行っている。

最初のうちは誓ったと言っても加減が分からず、クラッときたり、ガクッと膝をつくこともあってタマキにその都度小言を言われたもんだが、そのうちそろそろヤバイかなというのがなんとなくではあるが分かってきて今はそういうことも無くなっている。

魔法だけでなく飛んだり跳ねたり走ったりと体全体を使って運動もすることにした。

魔法を使うことで魔力が上がるのならば、体を使えば足の速さや丈夫さも上がるんじゃないかと思ったんだ。

その甲斐あってかワシの基礎能力はスキルのある攻撃の上がり方ほどではないが、メキメキと上がっていった。

今じゃ、最初に見たタマキのおかしい魔力を除いたぐらいの数値、つまりは三ケタを超えてしまった。

・・・言いたいことはわかる。ワシだってこんなに上がるとは思わなかったよ・・・

やはりというかワシの体はおかしかったよ。自重してくれないよ・・・!

ヨーコさんみたく戦場を駆け抜けるような経験をすれば一ヶ月で何百とかあがることがあってもおかしくないらしいけど、ワシがいつもやっているのは一年ぐらい無理せずがんばって数十上がるぐらいが適当の軽いものである。

それでこの上がりようはもはや異常としか言えない。

現に始めた初日に上がったことをタマキに言うと絶句されたほどである。

だが上がって困るもんでもないし、擬態によって『頑張った子供』程度にしかステータスは表示されない。

それだけにこの体を用意してくれたてへぺろ女神を怒っていいのか、褒め称えればいいのか非常に迷っているところである。

・・この分だとまだまだこの体にはまだ知られていないギミックが隠されているんだろうなぁ・・・


さてなぜヨーコさんが付いてきたか?

決して我が子が心配だったなんて常識的な理由ではない。

そんなことを思うような人ならば、今までだって付いてきただろうし。

タマキからワシが魔法を使えるようになった事を聞き、それならアタシも見てやるし教えてやると言ってきたのだ。

まだまだ水と氷の初級程度しか使えないワシには過ぎた教え役だと思うんだが・・・


「どうせならスゴイ魔法ってのも見てみたいでしょ?アタシなら使える属性の最上級使えるし」


そんなことを思っているのを知ってか知らずか、いつか聞いたセリフを吐くヨーコさん。

そうかぁ~。また息子に自分のカッコイイ所を見せようとしてくれているのかぁ~。

ここはホストクラブじゃないのだから見せてくれなくてもいいんだけど。

ヨーコさんがすごいってのは十分分かっているし、前回の討伐の様子もタマキからある程度教えてもらって本当にすごい人っていうのは聞き及んでいるのに・・・

それにしても・・・懲りない人である。

タマキを召喚してしまった時のことを忘れてしまっているんだろうか?

こういうのって大概同じような結末が待っていそうなんだけど・・・

こう・・自信満々に行った結果どんでん返しでひどい目にあう、みたいな・・・


・ ・ ・ ・


ヨーコさんの教え方は以外にも上手で分かりやすい物だった。

性格が影響しているのであろう。面倒くさい説明を省き、要点をまとめて教える塾のような教え方である。

なるほど、この世界での魔法はツクール系でお馴染みの魔法なのか。

ある程度嗜んでいたワシにとってはイメージしやすいし、ありがたい。

単体攻撃の方が威力が強く、広範囲の方は単体よりやや威力が落ちるが複数に効果がある、と。


「キミの属性は水・氷だったかしら?」


「うん」


「水だと単体攻撃にウォーター、広範囲攻撃にウェーブだね。氷だと同じくアイスとブリザード。さっきも言ったけどそれぞれⅠからⅤまであって数字が上がるごとに詠唱とかも長くなるし高魔法になるわね。まぁあくまで教本に書いてあるのをそのまま使うような生真面目な奴しか魔法そのままの名前で言う奴はいないけど」


「と、いうと?」


「皆それぞれ好き勝手に魔法名唱えているってこと。詠唱は一緒なんだけど、そのほうが愛着わくしなにより格好いいじゃない?」


確かにそうだな。

格好いい悪いは別にして愛着は湧きそうだ。

そうなると、明らかに名前負けした魔法使う奴もいそうだなぁ。

仰々しく『神の怒り』とか言ってサンダーⅠ程度の魔法だったり・・・いかん、想像すると笑える・・。


「あ、あと魔法のⅠとかⅤっていう番号はその魔法のアタシたちでいう所のレベルなの。だから大きな数字を使えるようになると小さい数字をわざわざ使うことは出来なくなるわ。アタシたちだってわざわざレベルを下げたいって思うことはあまりないでしょう?まぁこれは、大きな数字を操れるのだから威力を調整して力を小さくすることができなければならないという神の教えのせいでもあるらしいけど」


大は小を兼ねる、というわけか。

たしかにせっかく上げたレベルをわざわざ下げたいとか思わないわなぁ。


こんな感じで青空のもと、ヨーコさんのわかりやすい授業は続くのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ