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一九 転生者は魔法も気楽につかえない

「といっても、実はウチから教えられることはほとんどないのぢゃ。魔物の場合はほぼ本能で使っておるしの。自我のある魔物・・ウチのような最上種なんかはある程度威力とか状況みてつかっておるが基本は本能ぢゃの・・・生まれながらに使えたので理屈は教えられん」


タマキは申し訳なさそうに言ってくる。

たしかに魔物は誰に教わることなく魔法使っているイメージがあったけど、なるほど本能だったか。

つまりは魔物であるタマキは本能で魔法を使うのであって、人であるワシに教えることは不可能ってことじゃなかろうか?

では一体あの自信はどこからきたのか!?


「ぢゃからこれは、人の本知識になるのぢゃが、確か・・・『詠唱によりイメージを作り手なり足なりから言霊と共に発射することにより発現する』だったかの?ちょっとあやふやなんぢゃが。なにせ読んだの五十年ぐらい前ぢゃしなぁ・・」


一応本の知識は頭に入っているようではあるが・・・

しかも読んだのが五十年前かぁ・・忘れそうになるけど目の前にいる美幼女ってワシの前世と合わせて同級生ぐらいなんだよなぁ・・・

タマキの言ったことをワシなりに理解すると、『呪文を唱えて魔法名を言えば魔法がでる』ということでいいのかな?

つまりは呪文と魔法名がいる、ということだな。

しかしタマキがそれを知っているとは思えないのだが・・・


「ま、ダメなら義母君に聞けばいいし、とりあえずイメージだけしてやってみたらどうぢゃろうか?流石に詠唱は知らんしの。案外モリーなら出来るんじゃないかと思うのぢゃ、なんとなく」


案の定知らない!しかも最終的にヨーコさんに丸投げだと・・!?

たしかにヨーコさんは魔王討伐のメンバーだし、賢者だけども・・

そしててへぺろ女神が用意したデータがどれほどものか未だにわからんが、なんとなくで魔法を撃てるようなカラダならば・・・ちょっと、自分の事ながら引くんだけど・・!

ま、まぁ教えようとしてくれたことは素直にうれしかったし、一応やってみるけどね。

習うより慣れよ、考えるな!感じろ!、だ。


そう決心するとタマキから距離をとり、目を瞑りイメージを開始してみる。

とりあえず水の流れをイメージしてみた。

山から流れる水が海へと流れていくイメージ―――

イメージが出来た所で手のひらを前に押し出し、


「水!」


・・・ここは格好よく英語で言うべきだということは分かっていた・・・が!

しょうがないじゃないか!だってワシ、おはしの国の人だったんだから!!

『ウォーター』って英語風に言うのが気恥ずかしい年代なんだもん!!

案の定、虚しく言葉だけが木霊する結果に・・・・なってないね・・・え?

ワシの手のひらからキレの悪い噴水の小僧が発射するような水量の水が出ている。

チョロチョロとしか出ないのは単純にワシの魔力が低いせいだろう・・・

呆然としているワシの横で、言いだしっぺのタマキもまた呆然としている。


「・・・・なぁ、モリー。やってみろとはいったしもしかしたらとは思ったがの・・・なんというか、いきなり無詠唱で成功させるとはのぅ・・・お主の転生話を知ったし女神の話を信じておるがの・・それでも生まれてくる種族、間違ってるんぢゃないかと思わざるをえないのぢゃ・・・」


しばしの沈黙ののちタマキから絞り出すように言われた言葉がこれである。

結構なことを言われている気がする。

つまりワシは人かどうか怪しい人ということか!?

さすがに少しショックをうけるんだけど!


タマキが言うには人は潜在的に使える魔法は決まっているが、魔物のように本能だけで魔法を使えるわけではないので、絶対的に詠唱が必要となる。

詠唱を知ることにより己が潜在的に使える魔法を具現化できるのである。

ついでにいうと詠唱を理解したうえで修練を重ね省略していって初めて無詠唱が可能となる。

イメージだけで使えるほど便利なものではないし、人が使うには過ぎた物。

あくまでも魔法とは後付けの能力つまりブースターなのだ。

だから詠唱を知らず、初めてでイメージだけして出来たワシは本能で魔法を使う魔物に近いということになるわけで・・・

・・・なるほど、タマキの言う生まれてくる種族を間違えたというのは実に的を射ている!!


「ま、まぁいいんぢゃないか!出来ないより出来た方がいい事のわけぢゃし、才能なんぢゃからしょうがないのぢゃ」


ワシが先ほどのタマキの言葉を反芻してなんとか自分を納得させようとしていると、黙っているワシを不憫に思ったのか、タマキがフォローを入れてきてくれた。

すかさずフォローとはなんとよくできた嫁よ!まだ嫁じゃないけど!

タマキこそ人として生まれた方が良かったんじゃないかと、弱ったワシの心ではそう考えてしまいます。


「人前に出る時に修練で出来るようになったと言えばいいし、才能溢れる新人と皆が見てくれればそれで済むことぢゃしな。どうせ最初から無詠唱だなんてわかりゃしないのぢゃ。初めてでいきなり出来たもんだからびっくりしたが、まぁ・・モリーだし、ウチの旦那なのぢゃからそれぐらい破天荒でいいのぢゃ!」


フォローだけではなく激励まで・・・涙が出そうだわ・・・

落ち込ます理由を作ったのもタマキだけどな。まぁいいけど。

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