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一一六 学校の怪談

まあ戦闘が始まったからと言ってワシやミケはそれほど身構える必要はないんだけどね。

ピクトさんも出現は非常口電灯のある天井だけど、出現した後は結局地を走ってくるからね。

タマキの放つヘビのように地を這う魔法攻撃になすすべなく、テケテケとともに倒されていたよ。ついでに発生源である非常口電灯も壊していた。

敵はすっかりいなくなったが、井戸端会議を続ける感じでもないので先の見えない長そうな廊下を歩きはじめたんだが、これは残念ながら永久ループだった。

一教室分の廊下を歩くと元の場所に戻るみたい。天井に壊した非常口電灯がぶら下がっている。


「仕方が無い。その扉に入ってみようぢゃないか」


そう言って、おそらく教室に入ろうとするタマキ。しかし扉を開けられない。押しても引いても・・・ってこれ引き戸じゃないか。そりゃそうだ。

ガラガラと滑車の音をさせながら戸をあける。

五線譜が書かれた黒板、おおきなピアノ・・どうやら音楽室のようだな。

特に変わった様子はない。学校の怪談でおなじみのピアノが勝手にメロディーを奏でる事もない。しかしなぜか居心地が悪い。何かに見られている?

教室の後ろの方にお馴染の有名音楽家たちの肖像画が飾ってある。それに気付き見てみると肖像画の人たちが一斉にワシらのほうを睨む。

あまりの出来ごとにヒッって感じで怯むと手が出てくる。ミケも同様に怯む。いよいよこれはまずい状況かと思ったんだけど、唯一大丈夫そうにしていたタマキがその手がワシらの元に来る前に焼き払う。


「ふむ。カースピクチャの類かの?普通女の人のぢゃがおぢさんの絵とは珍しい」


「・・・タマキはこう言った類の脅かしは大丈夫なのかな?」


「脅かしというか・・ウチは魔素の動きがよく感じられるし、ある程度魔物の動きとかが分かるからの。うちが怯むのは魔素のない動きや攻撃だけぢゃ。ラセツニョの団扇攻撃みたいな時はさすがに反応できないのぢゃ」


そういえば羅刹女のときはめずらしくタマキの支えになったな。なるほどワシが世界眼でいろいろ知ることが出るみたいにタマキは本能的に魔素を感じとってどのあたりに魔物がいるか知ることが出来ると言う事か。それなら不意打ちは効かないわなぁ。


取り敢えずカースピクチャと化していた有名音楽家の皆さんは燃やしてしまってここにはもう何もない。タマキに確認してももう魔物らしきものはいないようだ。

ひとまず廊下に戻ると永久ループだったはずの廊下の向こう側から三つの影がこっちに向かってくる。

すでにタマキからの天罰のごとき氷柱が頭に刺さっているけど、右から人骨・人体模型・二宮金次郎像だな。走る学校の怪談オンパレードだ。

二本目の氷柱が刺さると同時に光となって消えて行く。人骨と人体模型はああ、成仏したんだなっていう感じなんだけど、金次郎像はいままさに薪を投げんとした格好のまま消えて行った。無念だろうな。

その三体の最後を見届けてさあどうしようかと思って、今まさに出てきた音楽室を見ると、なんとトイレに変わっている。しかもあのピクトグラムは女子トイレだな・・・。

男のワシにはちょっと入りずらいところだが、まぁ仕方が無いよね・・。ここはダンジョンということで許して貰おう。

中に入ると小部屋が三つ。おそらくどれか一つが正解のルートとかいうやつなんだろうけどせっかく三人で来たのだから三つとも開けてみようというタマキの提案で開けることとなる。


「「・・・・・・・」」


ワシとミケはそっとドアを閉めた。右と中央を開けたわけだがそこにはどちらも洋式トイレで踏ん張っているおっさんがいた。あまりのインパクトに見なかった事にして閉めたのだ。心が追い付かない。

タマキは閉めることなくそのままなのでタマキが開けた左の小部屋を見るとそこにはおかっぱ姿の女児がいた。おそらくは花子さんだな。

しかし思っていたのとは違う。もっと可愛らしいのを想像していたんだけど、ひどく恐ろしい姿だ。いかにも怨念って感じだ。


「確認できたかの?それぢゃサクッと電撃ぢゃ」


タマキが一目見たかという確認をした後雷を落とす。目の前の花子さんだけではなく、ワシとミケが開けて閉めた小部屋にまでである。まあ一網打尽にして貰っているんだし文句はないけど、踏ん張っている途中に攻撃とか災難にもほどがある。しかし相手は魔物なわけだし仕方がないのかな。

花子さんは魔法に耐性があったみたいで結構持ちこたえていたが、タマキが二ランクぐらい威力を上げると耐えきれなくなって終わってしまった。閉まった便器の蓋に魔法陣が浮かんでいる。

フィギュアとなった花子さんはいままでの怨念って感じではなくなり、ワシの想像通りおかっぱで赤いサスペンダーとスカートの可愛らしい女児に変貌していた。

おそらく他の小部屋にいたおっさんもあの雷撃でお亡くなりになっているだろうと再びドアをあけると、そこには先程までの見苦しい光景はなく代わりに長髪美女が便器に座ってロダンの考える人のポーズをしているフィギュアが鎮座していた。名札をみるとベルフェゴールとある。

あ~・・・そうだよな・・悪魔シリーズもいるよな、神や妖精だって魔物な世界だもんな。しかし小悪魔プチデビルとかじゃなくていきなり七つの大罪の一柱なあたりが相変わらずの非常識さを物語っているな。というかそんなのを知らなかったとはいえおっさん呼ばわりしたとは・・どうもスイマセン!


軽く反省をしてドロップ品を回収し終えると、夜の学校に別れを告げるべく魔法陣に足を踏み入れるのだった。





◆今回のフィギュア収穫◇

ピクト

カースピクチャ

ニノミヤ

スケルトン

ジンタイモケイ

ベルフェゴール

ハナコ

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