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一一一 動向が変だったワケ

翌朝・・という時間なんだろうか?

揺さぶられる感触で目を開けると予想外の人が覗きこんでいた。

この類の行動はいつもタマキなんだけど、そこにいたのは不安そうな表情をしているネコミミの少女だった。

開けた目と目が合うとミケは申し訳なさそうな顔をする。


「ごめんにゃ、モリー・・起こしちゃったよね・・」


「いや、別にいいけど・・。なんかあった?もしかして本当に体調がわるいのか?」


まだ眠っているっぽいタマキに注意して小声で尋ねてみる。


「う、ううん。そうじゃにゃいんだけど・・ちょっと・・」


「・・わかった。ここじゃタマキを起こしちゃうかもだからテーブルで話をしようか」


そう言うとベッドから腰を浮かしとりあえず座ろうとした。

ミケの顔がやけに近い。元より寝そべっていたワシと覗きこんでいたミケで距離は近かったが、さらに近い気がする。いや近すぎる!

次の瞬間唇に温かい感触が・・・!?

な、なんでワシ、ミケに接吻されてんの!?

座ろうとしていたワシの体が再びベッドに沈む。覆いかぶさるようにミケもベッドに倒れこんでくる。

ど、どういう状況だ!?これ・・・。


「ご、ごめんにゃ、モリー。でも・・もう・・ボク・・」


「・・・・」


泣きそうに謝ってくるミケ。

なにかせき止めていたものが決壊してしまったのか、実際ちょっと泣いていた。

結局そのままミケが落ち着くまで動けないのだった・・・。


・ ・ ・ ・


「「・・・・」」


静寂が支配するテーブル。

あのあとなんとかミケをなだめて、なんとかベッドからは脱出した。

なんとか二人テーブルにつくまでは出来たが、二人の間に言葉は無い。

この状況でいったい何を言えばいいのか・・・こういった経験のないワシには分かんないよ・・。

タマキは・・アレ多分起きてるよね。元より気配に敏感なタマキが起きてないハズがないわ。でもまあ狸寝入りを続けるとタマキが決めたのなら深くは追求すまい。


「・・・一体どうしちゃったのミケ?」


黙ったままでは何もはじまらないので、とりあえず俯いているミケに尋ねてみる。

すぐに返事が返ってこないというのは承知済みだけど、無言のままいたずらに時間を経過させても仕様がないからね。

しかし、予想は外れ案外早く返ってきた。


「・・・もう・・我慢ができにゃかったのにゃ」


「我慢・・とは?」


「・・その、・・あにょ・・モリーを・・ごにょごにょ・・」


「ワシを・・・なに?」


難聴系主人公のつもりはないんだけど最後の方が聞き取れない。


「にゃ、にゃから!モリーを好きな気持ちが抑え切れにゃいの!モリー!!第二夫人でいいのにゃ!!お嫁さんにしてっ!!」


・・・・

・・・

・・


・・・っはっ!!?

久しぶりに時がとまってしまった・・!

タマキが言ってた事は当たっていたのか・・。ってそれ以上の事を言われてるけどね。


「・・出会って女の子だと教えて貰ってからずっとタマキがうらやましかったのにゃあ・・。それはただ単に男の人といちゃいちゃしているのがうらやましいとおもっていたんだけど、一緒に暮らして一緒に旅していくうちにモリーに惹かれていたんにゃと気付いたにゃ。でもタマキがいるし一夫多妻とはいえ結婚からまだ数カ月、さらには成人したばかり・・・そういった言い訳を自分にして秘めていたんにゃけど・・さっきのお姫様だっこで肌と肌が触れて、もうボクの中で抑えきれる限度をこえてしまったにゃあ!」


「・・ミケの気持ちは凄く嬉しいんだけど・・それってワシ以外に男に出会ってないからじゃないの?その・・女と自覚してから・・」


「そんにゃことはにゃいと思うにゃ。幼少期に感じたそれとはレベルが違うにゃあ。それに・・・ボクのこのカラダを見て女だと認識してくれて、女として扱ってくれるのはモリーやタマキしかいにゃいからにゃあ~・・。どうせ結婚するにゃら好きにゃ人と、女として見てくれて扱ってくれる人がいいにゃあ」


「いいんぢゃないのかの、モリー」


ミケの説明が終わると同時にいかにも今起きぬけてきましたってかんじのタマキがミケの援護射撃をする。

というかタマキ・・。狸寝入りをしていたと認めているようなもんだぞ、その援護射撃じゃ・・。


「ウチのほうはこの小屋に来る前に言ったように、ミケならば反対せん。人となりも解っておるし、今更ぢゃし・・」


「・・いいの?タマキ・・ボクがモリーのお嫁さんににゃっても・・」


「もちろん怒りはせん。独り占めしようと画策するのならば容赦せぬが、せんぢゃろ?ミケは」


「それはもちろんしにゃいにゃあ~・・。タマキを怒らしたら怖いってことも分かってるし・・」


もうすでに第二夫人としての調教済みってか?

たしかにタマキを怒らしたら怖いだろう・・。怒らした事はないけど、あの戦闘を近くで見ていれば分かる。物事をよく知っていて知識も豊富だから口喧嘩でも勝てそうにない。

しかし・・それを言ったらミケだって十分怖いんだよなぁ・・。錯乱した時の風魔法なんかとんでもない爪痕を残したわけだし・・。


「ダメかにゃ、モリー・・。ボクの一世一代のお願い叶えてくれにゃいかにゃ・・?」


改めてすがるような目でワシを見てくるミケ。

・・ああっ、もうっ!元より断る気なんてなかったけどそんな目で見られたら断れるわけないじゃないかっ!

タマキといいミケといい、どこでその行動を習ってくるのか不思議でならない。

あれか?女・・・いやメスの本能なのか?


「・・分かったよ、ミケ。君の気持を受け取ろう」


「えっ!?じ、じゃあ・・」


「ミケ・・第二夫人で申し訳ないがお嫁さんになってくれ!」


「にゃっ!喜んでっ!!」


うれし涙を浮かべながら胸に飛び込んでくるミケ。

こうして前世で一人の奥さんどころか女の人と付き合った事がなかったおじいさんに二人目の奥さんが出来たのだった。

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