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一〇六 この世界に金曜日という概念はない

てっきりあの穏やかな景色が続くものだとばかりおもっていた、そんな時期もありました。

目のまえにあるのはどこかおどろおどろしい屋敷。

周りの景色だってさきほどの晴天とはうって変わって夜かと思わせるほど暗い。

その変わりようたるはこれぞダンジョンって感じだ。

この暗さに便乗して先程からバットの群れがひっきりなしに攻撃してくる。

今更バット程度の攻撃なんてなんの問題もないんだけど、うっとうしい。


「・・ここにいてもしょうがないし、とりあえず建物にはいろうか」


「そうじゃのう。キリがないのぢゃ」


周りによってくるバットは残念ながらワシらの体までは到達できていない。

半径五メートルに入った途端に器用にタマキが魔法で打ち落としているからだ。

しかしだからと言ってうっとうしさがないわけではない。

ワシらはしぶしぶと屋敷の中に入って行った。


・・前世で見た映画かなにかで森の中でとつぜんの大雨にみまわれて、しかたなく近くにあった古い洋館で一晩すごし恐怖を味わうなんてのがあったけどまさにその状況だよ。

入ってすぐに後悔した。なにせいろんな目が一斉にこっちに向いたからな。

もちろんこの館の主人や給仕といったやさしい世界ではない。ダンジョンだしね。

見てきた者たちは人ではない。人形達である。しかももちろん魔物化済みだ。

まるでゾンビのような歩き方でワシらに迫ってくる。


「・・魔物と分かっていても怖いにゃ・・」


「そりゃ、これだけいればのう・・」


「とりあえず殲滅するしかないな。あ、タマキ。火魔法使ってもいいけど加減しろよ。この屋敷まで燃えるとワシらも火傷するからな」


「わかっておる。安心せい。そこまでおおごとなのは使わん」


タマキに放火の可能性が無くなった所で戦いが始まった。


ほぼタマキが片付けるいつもの展開になったわけなんだが、ミケもがんばっていたよ。

タマキの攻撃をなんとかたえてたどり着いた人形をミケの龍爪が切り裂くといつのがテンプレである。

ワシ?いつもの通りアイテム回収と観戦だよ。

いやぁ・・人形をフィギュア化するとかなんかもうわけわからん状況だけどちゃんとなるんだよねぇ・・。

きっとタマキの魔力が尽きるとかミケが疲労困憊で戦えないってならないとワシのところに敵はこないんだろうなあ・・。

ミケの方はまだあるかもって気がするけど、タマキの魔力が尽きる事ってあるのかね?聖魔法を使った時には倒れるぐらいだったけど、あれだって別に他の属性で済むわけだからなぁ。

さて敵を見てみると、普通になんにも特徴のない奴らもいるけど、火魔法をつかってきたり、髪や糸で動きを止めようとして来たり、ナイフ片手に襲って来たりとバラエティに富んだ奴らもいる。

そんな中で一番びっくりしたのはあの狂気の博士が作った怪物がいたことだな。

あの怪物・・ここでは人形扱いなのかよ・・確かにそう見えない事もないけど。

なぜか火に耐性があったみたいなんだけど、雷魔法に切り替えたタマキの一撃にあえなく撃沈していたわけだが。

そんな感じで戦いながら一つ一つ部屋を巡って行くわけだけど、部屋に入るごとに人形が溢れていて嫌になってくる。

結局同じ魔物ばっかりだとなると見ているだけのワシとしては飽きちゃうんだよなぁ・・。

そんな感じで回り終えて今いるのは開けていない最後の部屋の前。

タマキもミケもさほど疲れていなさそうな様相だ。

休憩も必要ないみたいなので、流れに身を任せて最後のドアを開ける。


その部屋の中央部に佇んでいたのは一人の男に見えるなにか。

椅子にもたれかかったその姿からは余裕さえ感じられる。

右手には誰のものなのか血痕のこびりついたナタが握られている。

ワシはこいつに見覚えがあった。米国映画の傑作ホラー『13日の金曜日』にでてきたホッケーマスクの殺人鬼がそこに佇んでいるのだ。

フランケンでさえ網羅しているこの世界、ジェイソンが出てきても別にああいるのねぐらいの感想で済まそうと思えば済む。

しかしなんで?この人(?)は人形とはなんの関係もなかったよね!?


「なんか・・物騒なのがおるのぢゃ・・」


タマキが素直な感想を漏らす。


「にゃタ持って佇んでいるってどういう状況にゃ・・」


「ここはダンジョンぢゃからの。別に不思議ぢゃあないが・・もちろんあれも魔物でしかなかろうから倒していいんぢゃろう」


「ああ、いいと思うぞ。というかあれは殺人鬼になってしまったようなのだからとっとと倒しとこうか」


「例によってモリーはあれが何か分かっておるのぢゃのう。これもお主の知っている(前世の)物語かの?」


「なんでかね。理由はまぁ・・神様にでも聞かないとわからんけどね」


「ま、それはおいおいまた聞かせて貰おうかの。とりあえず、ホレ」


相変わらずの軽い感じで魔法を放つタマキ。

その軽さからは想像できないぐらいの電撃がジェイソンの脳天に直撃する。

襲う事も、ナタをふるう事も、声を出す事も、動く事もなく消えて行くジェイソン。浮かび上がる魔法陣。そのあっけなさに何も言えない。


『三匹のこぶた』の時と同様、戦闘終わりの休憩がてら物語を話そうかと思ったんだけど、暗いし不気味な場所で話すような物語ではないと言う事で自重した。

手早くドロップ品を回収して、とっとと不気味なこの場所から移動するのだった。




◆今回のフィギュア収穫◇

ロウニンギョウ

チャッキー

マリオネット

マジカルパペット

クグツ

マネキン

イチマツ

フランケン

ジェイソン

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