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究極の管理社会  作者: 舎模字
第2章
13/102

battle in imaginary-arena #2

 14:00(ヒトヨンマルマル)

 そして行軍が始まった。


 隊列と作戦は、黛ユウカの提案する形に収まった。


 隊列は、セツナが前衛を勤め、後方から黛ユウカとヒサトが支援を行う形だ。

 彼女の提案はもっともなもので、素人のヒサトにも十分納得のいくものだった。


 ヒサト、セツナ、黛ユウカ。彼らは戦闘候補生であるが、その戦型には違いがある。

 ヒサトとセツナの戦型は『槍使い(ランサー)』なのに対し、黛ユウカの戦型は『銃+剣(ガンドスラッシュ)』と呼ばれる型だった。

 銃+剣(ガンドスラッシュ)は、銃による遠距離攻撃を主体においた、後方支援向きの戦型だ。

 対する槍使い(ランサー)は、高速移動を活かし、突入で敵を制圧する戦型で、明らかに前衛向きの型になる。


 したがって、槍使い(ランサー)であるセツナとヒサトが前衛を勤めるのが自然、ということになるのだが、自グループの戦力は3人しかいないこと、ヒサトは戦闘初心者であるため、迅速かつデリケートな判断が求められる前衛は酷だろう、などの理由から、必然、前衛セツナ、後方支援ヒサトと黛ユウカ、という編成に決まったのだった。


 行軍は、遠目に目立つ草原を避けて、主に森の中を進むものとなる。

 木々の生い茂る森のなか、セツナは周囲に細心の注意を払いながら、身の丈近くに届かんとする雑草を掻き分けながら前に進む。

 15mほどの間を空け、それを追うようにヒサトと黛ユウカが続いた。

 3人の進む先は、島の北東。特徴的にせり出した岬だ。

 もちろんそれにも理由はあった。


 今回の敵は、概念戦闘個体アゼフィル、それが5体。

 『概念戦闘個体』とは、模擬戦に投入される仮想敵のことを指している。


 問題は、その型式が『アゼフィル』であることだった。


 黛ユウカの語るところによれば。

 通常、模擬戦にアゼフィルが数体も投入されることは無い。

 投入される場合においてすら、それは作戦の要衝において1体、ということが殆どだ。

 なぜならばアゼフィルは、『勝ち目の無い敵。会敵を避けるべき敵』として設定されているからだ、という。


 圧倒的な戦闘能力を有する仮想敵(アゼフィル)

 戦闘候補生最強、の呼び声の高いセツナであれば、それとも対等に渡り合えるのかも知れないが、それもせいぜいは1体を相手取る場合だろう。

 今回の5体、という数は、明らかに無茶だ。


 だが、それであれば。と黛ユウカは言う。


 仮想敵(アゼフィル)は、間違いなく、戦力を分散して、捜索優先の態勢をとるだろう。

 おそらくは、2班ないし3班、に、グループを分けるはずだ。

 そして、初動であればそれは、初期位置から扇状に伸びる捜査網となるはずだ、という。

 北にある敵初期位置を斜めに見据え、北東に移動していけば、分散した敵の一派と会敵する可能性が高く、またその場合であっても挟撃の危険は薄いだろう、というのが、黛ユウカの考える戦術だった。


 セツナは、黛ユウカの語る作戦を否定もせず、そのまま首肯で受け入れた。

 軍略に明るくないヒサトは、口をはさむ言葉も無かったのだが、それ以上に、黛ユウカの説得力のある弁に納得し、従うこととしたのだった。

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