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手加減無用

 やっぱ戦闘シーンってどう書けばいいのか分からないよ・・・(´・ω・`)

 おれっち剣道とかの経験ないしにゃ。一応、調べてみましたけど、この手の戦闘の分かる方で目に余るレベルで気になるところありましたら教えてください。次回の戦闘シーンから取り入れさせていただきますので。

 朝6時。俺とジェシカさんは街から出てすぐの草原に立つ一本の大きな木の下に来ていた。


「これで十分でしょ」

 彼女はそういうと、俺に木刀がわりに使えそうな太い木の枝を拾い渡すと、自分の分を探し始めた。


 考えの末たどり着いた俺の願い。

 それは、一人の戦士として純粋にこの人と手合わせをしてみたい、そこからなにかを学びたい、教えを乞いたい、という欲求だった。

 恐らく、俺の人生においてこんな規格外の達人に教えを乞うことの出来る機会は二度と、訪れないだろう。一度別れてしまえばジェシカさんに会うこともきっと……ない。

 だからこそ、今、俺はこの人から学びたいと心の底から思った。


「こんなもんかな」

 丁度良い枝が見つからなかったのか、彼女はナイフで余計な枝を落としたり、柄にする部分を木の皮が刺さったりせず、かつ握りやすいよう削いだりして手頃な枝を木刀のように加工し、俺の二歩ほど前の位置に立つ。


「さ、始めようか。」

 そう言って彼女は腰に差していた剣を無造作に置き、剣を差していた位置に急拵えの木刀を構えた。

 俺も無駄な枝を落とした木の枝を下段に構え、臨戦態勢に入る。地面を踏みしめる足に力を入れる。それに合わせ、芝で覆われた柔らかい地面は少し沈んだ。これならいけそうだ。


「一応もう一度言っとくけど、あたしは重症負わせない程度には加減する。けど、そっちは全力できなさい」

 昨日も言われた言葉。そこには自分と俺の実力の差をしっかりと見極め、その上で俺の修行になるよう調整するという気遣いがありありと浮き出ている。

 実力の差は分かってはいるが、俺だって男だ。戦いに加減をするなどと言われてしまっては意地でも全力を出させたくなる。

「言われなくても!」

 俺は右側の地面に枝を突き立てるとそのまま左斜め上に一気に振り上げた。

 柔らかい地面がえぐれ、掘り返された芝がジェシカさんに向けて飛ぶ。


 ジェシカさんの剣は速い。

 納刀しているといった雰囲気のあの構えでは選択肢はカウンターを狙うか避けるしかないはずだ。普通なら俺が鎧を着ているため避けた後に仕掛けてくるはずだが、カウンターを狙っても彼女なら鎧ごと切ることも出来そうだし、切れないにしても食らえば打撃の衝撃だけで俺は行動不能にさせられるだろう。

 そして何より、ジェシカさんはあの飛び道具を持っている。

 距離をあけることだけは避けたい。そこで俺は芝を飛ばし、隙を作ることにした。

「くっ!」

 ジェシカさんは飛んできた芝を俺から見て右に避け、僅かにバランスを崩す。


 その隙を狙い、右足を1歩踏み出した俺は振り上げたままの枝をそのまま袈裟懸けに落とす。バランスを崩しているうえ、まだ抜いていない枝でこの上段を防ぐことは難しいはず。なら、彼女が取る行動は、回避。

「貰った!」

 必殺の一撃を振るおうとするフリをしつつ、枝を振り下ろすと、彼女は予想通りに後ろに跳ねつつ枝を抜き構えようとする。

 体勢を整える隙を与えぬため、抜かれた枝に切られぬよう注意をしつつ、すぐに体勢を整え距離を詰め切り込む。俺が狙った通りの形に持っていくことができた。


 右に左に、上から下から。

 俺は反撃の隙を与えぬよう、出来る限りの速さで立て続けに斬撃を繰り出す。ジェシカさんも距離を取ろうとはしないので、その場で何度も枝と枝とで打ち合う。

 ゴッ!ゴッ! という枝と枝がぶつかり合う音が誰もいない草原に短く鈍く響き続ける。

「土を飛ばしてあたしに隙を作らせようとはなかなか考えた」

 表情を全く崩さずジェシカさんは言う。

「でもね」

 俺の斬撃を受け流すようにしていたためか、今まで弱かった枝と枝の当たるときの手応えが急に変わり、俺の一撃が弾かれ、体勢を崩しかける。

「女の子に土をつけるのは感心しないよ!」

 彼女の下からの斬撃と共に枝にかかった突き上げるような強い力に、しっかりと握っていたはずの俺の枝は弾かれ、俺の手のから宙に消えた。

 ジェシカさんは振りぬいた枝をゆっくりと、俺の鼻先に突き付け軽く笑う。俺の負けだ。




「経験少ない割には戦いのセンスはそこそこいんじゃないかな? 剣も基本に忠実だったし。」

 そう言いながら飛んでいった枝の方へ歩き出すジェシカさん。

「でもまぁ、とりあえず、体がなってないね。枝なんだからもっと強く速く振れるようにしないと。それと途中から振り方が雑だったわ。がむしゃらじゃモンスターはともかく、人には勝てないよ?」

 ジェシカさんは枝を拾い上げつつもズバズバと俺に指摘をしてくる。手加減させないつもりだったけど、全然余裕綽々だったらしい。弱いなぁ俺。

「じゃ、朝食まで稽古つけて、夜、基礎練しようか」

 ジェシカさんは拾ってきた枝を俺に手渡し、構えるよう促した。


 それから稽古と言えるかどうかすら怪しいレベルものも含め10回ほど手合せしてもらい、俺とジェシカさんは街へと歩き始めた。

「それにしても本当にいいんですか?お金」

「経理に説明するのめんどうだもの。いいよ、これくらい。あたしもたまには鍛錬しないとなと思ってたし」

 俺は今日から先の給料を授業料代わりにして稽古をつけてもらえるよう昨日お願いしていたのだが、ジェシカさんは無償で請け負ってくれていた。

「そういうことならお言葉に甘えますけど」

「そうそう。こういうときはお姉さんに甘えときなさい! よしよし」

「ちょっと、やめて、くだ、さい、よ」

 俺の頭をふざけてわしわしと撫でようとするジェシカさんのその手をかわしつつも、こんな時間がこれからもずっと続いてくれればいいのに、なんてことを思った。



 アイン君の取った策、皆さんお分かりでしょうがこれ元ネタは

飛○御○流、土○閃!!

です。(;´∀`)

 すみません。


 元ネタと違って攻撃技としての威力なんてもんはもちろんこれっぽっちもございません。芝ですし。あくまでもジェシカさんの隙を作るための策です。

 ゴルフのアイアンショットを見ててふと、これならアイン君レベルでもあの技使えんじゃね?と思ってやらせてみた次第です。


 多分二度と使う機会はないのでお許しいただければ。

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