6 街に入れない!?
気づかないうちにPKに走っているヒロ。
さて、今回はどうなる?
俺には、特にゲーム好きな知り合いが二人ほどいる。
一人は、VRMMORPGのお勧めに『ONLY GIFT ONLINE』を紹介してくれて、プレイするのに必要な機器などを教えてくれた人だ。
彼のゲーム話は長いと、皆から敬遠されていたが、俺は気にならなかった。
もう一人の知り合いがひどすぎたからだ。
もう一人と言うのは、俺の幼馴染でゲームばっかりやっている奴だ。
ゲーム仲間からは、HIGH神ゲーマーと言われるほどなのだそうだ。
それを聞いた時、神を超えるゲーマー? なんか凄そうだなと思ったのを覚えている。
そんなあいつのゲーム談義は、始まると実演込みで10時間ぶっ続けだったり、徹夜でなんてこともあるからな。
30分ぐらいのゲーム話を聞き流す程度は苦にならなくなっていたのだ。
でだ、今日は、何処からかぎつけてきたのか、幼馴染の方が俺の家にやってきたのだ。
「なんか、新しいゲームの匂いがする!」
うん、どんな嗅覚してるんだ?
届いて3日目だぞ!
根掘り葉掘り聞いてくるが面倒だったので、昨日の話を適当にしてみた。
「敵を倒したら、沢山アイテムとお金を落としてくれて、貧乏生活を脱出できそうだ」
それに対してあいつは、メタルとかはぐれたとか栗とかで、分かりやすく言うとボーナスモンスターとか言うらしい。
うん、さっぱりだ。
なんで、鉄とはぐれると栗になるんだ?
それとボーナスモンスターとどう関係するんだ?
う~ん、まあ、意味不明なのはいつもの事だよな。
とにかく、同じモンスター見つけたら! わき目も振らずぶっ潰すのがいいらしい。
まあ、あいつの助言だし、今日も会えたら問答無用で倒しに行こう。
でも……あいつらモンスターだったのか?
あと、今までどれだけ途中で逃げ出そうとしても逃がしてくれなかったゲーム話だけど、今日はすんなり逃がしてくれた。
「このあとゲームの予定が」って言ったら……。
「ごめん、それじゃあ今日は帰るね~急いでお金貯めてOGO手に入れるから一緒にやろうね~」
と帰って行った……隣の家だけどな。
う~ん、何故だ? 普通の用事があるときは説得に最低30分ぐらいかかるのに……ゲームの予定があると言ったら5分もかからず……。
まあ、いいや今度からゲームの予定があるって長話を回避できるな!
あと、ゲームは一緒にやらないからな!
前に聞いたぞ! 「VRゲームはゲームの中で寝ればいいんだよ!」とか……。
俺はそんなのには、絶対に付き合わないからな!
さて、あいつの襲撃の後、夕飯食べてトイレにちゃんと言った後、今日もログインする。
出現した場所は、昨日ゲームをやめた場所、森の小道を入ってすぐの場所だ。
「う~ん、ボーナスモンスターってのはいないみたいだな」
まあ、凄い低確率だとか言ってたから簡単には出てこないだろう。
それよりもだ……。
今日こそは、宿屋でちゃんとした部屋に泊まるぞ!
そのためにお金を貯めたんだ!
馬小屋はもうこりごりだ!
俺は、昨日来た道を引き返して街に急ぐ事にした。
街の門も見えてきてもう直ぐ到着と言う当たりで、またもや見つけてしまった。
「ボーナスモンスターだ!」
俺は、あいつの助言通り、昨日の6人の中から、一直線にオノの男に突っ込む。
『Gアタック』発動。コストは昨日と一緒の1万G!
「うん、なんだ? う~ん? おめぇは……あ、昨日ふげぇーーー」
何かしゃべろうとしてたようだが問答無用だ金色に輝く右拳でぶん殴る。
赤い『1』の字の血飛沫があがり昨日の様に魂になる。
何かメッセージが出てるが、今は次の相手だ!
あいつが言うには、直ぐに逃げ出すから逃げ出す前に速攻で片付けなくちゃいけないらしい。急がないと!
次の標的は、短剣の男だ。
俺のいきなりの攻撃で固まってる今がチャンス!
『Gアタック』コスト1万G!
パーーンチ!
「ぐぇ!!」
真っ赤に血を吹き上げた後、魂が残る。
「次は……」
あ! 逃げてる!
あいつの言ってた通りだ!
凄く逃げ足が速い!
とても追いつけそうに無い。
せめて遠くから攻撃が出来れば……。
何か無い? ヘルプさん!
困った時のヘルプ頼み!
『 G(ゴールド)ショット
ギフト(派生スキル)、アクティブ発動型
G(お金)を消費して金額に応じた固定ダメージを与える弾を作るスキル
方向と角度を指定して、射出すれば、ひたすら真っ直ぐ突き進む 』
おお~なんかいいのがあった。
『Gショット』発動!
いつもの必殺技と同様にコストを聞かれたので、これまたいつも通り1万Gを投入!
すると、小さな『G』と書かれた金色の弾が手のひらに現れる。
う~ん、方向と角度をしていってどうやるんだ?
良くわからないから適当に指鉄砲でねらいうっちゃえ!
「いけーーーー」
残り四人の方にぶっ放す。
凄い速度で金色の弾が飛んで行き。
魔法使いの男の頭を吹き飛ばす!
う、実際には吹き飛んでは無いんだろうけど……遠距離から見ると……。
いや、今はそんな事を考えてる暇はない!
残りの敵も倒しちゃわないと!
『Gショット』コスト1万!
「シュート!」
今度は、剣の男の胸辺りに着弾して血を噴出させる。
もういっぱつ。
「撃てーー!」
神官の男の腰辺りにが真っ赤に染まる。
『 Gアタック累積(派生込み)使用ゴールドが10万ゴールドを超えました。
Gマグナムが解放されます。 』
いつの間にかなんか出てたけど、表示が邪魔!
さっさと消して、あとは、一人!
「当たれ~~~」
そのまま弓の奴にも当たるかと思ったんだけど……。
「うわ! よけた!」
く、ならもう一発!
「今度こそ! あたれーーー」
く、また避けた!
このままじゃ逃げられる!
「連射だ! いけ~ あたれ~ よけるな~ にげるな~」
金色の弾丸が次々に敵に向かって飛んでいく。
あたるか? くっ、全部避けられてる!
こうなったら……。
「20連発だ! いっけ~~~」
次々に『Gショット』を発動して連射する。
流石にコレには耐えられなかったみたいだ。
「よっしゃ! 撃破!」
やっと、弓の男に命中する。
ふう、何とか逃がさずボーナスモンスターを全部撃破できたよかった、よかった。
じゃあ、と意気揚々と街の門に向かおうとしたのだけど……。
「あれ? なんか騒がしい?」
門の辺りで鐘がカンカンカンカン打ち鳴らされている。
それと同時に、おそろいの鎧を来た集団が門の封鎖を始めてしまった。
え……そんな……あれじゃあ街に入れない……。
どうした物かと考えていた所で、少し豪華な鎧の人が声を上げる。
「突撃ーーーーー!!」
その号令と共に、20人近くの兵隊さんが剣を掲げて突撃してくる。
え?
ちょ、まって……。
なんで?
どうして?
なんで俺の方に突っ込んでくるの~~!?
幼馴染のあいつは、初心者のヒロがまさかPKで超格上狩りが出来るとは考えてもいません。
まあ、普通は倒せないよな……。
ダメ女神「流れ弾が……」
同僚NPC「…………」