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EX2 PKに注意!

ヒロと合流するまでちょくちょく出てくる予定です。

今回は、PKについてです。

このゲーム世界は、悪事も込みで自由度が高いです。

その代わり制裁手段も十分用意されていますが……。

 ここが冒険者ギルドね……。

 入って真っ直ぐいくと、受付カウンター右手の方には併設された酒場、左手にはクエストボードか。

 本当に冒険者ギルドのテンプレそのものね。

 

 ただね……。

 受付に行列作って並ぶのまで再現しなくてもいいと思う。

 ゲームなんだからもうちょっと……。


 まあ、そんなこと言ってもどうにもならないから、少しすくまでクエストボードでも見てましょうか。




「色々あるわね~」


 定番のスライム、ゴブリン、オーク、オーガ……などなどの討伐依頼。

 高ランクの方にはドラゴンなんかも。

 他にも、定番お使いクエスト、薬草採取なんかのクエストもあるわ。

 それにしても、報酬のギルドPやGは分かるんだけど……。

 初回クリア時のみ限定の報酬で、1/○クエストコインとかって何なの?

 ヘルプに何か乗ってるかしら?


『 クエストコインとは

  冒険者ギルドでもらえる初期クリア報酬で1枚と1クエストPを交換してくれる 』 


 ああ、そういうことね。

 全部1回ずつやるとしてもクエストPは、上限があるっぽいわねこれは……。

 それにしてもSランクの北の山岳の奥地のブリザードドラゴンの初回討伐報酬……クエストコイン10枚とか凄いわね。


 あと、クエストボードの隣には、WANTED……指名手配の一覧もあるわね。

 こっちは、賞金額と討伐Pボーナスが設定されているわね。

 うわ~一気に10P以上の討伐Pもらえる相手もいるのね。


 あと、他には……なにこの雑然とした掲示板?

 

『 メンバー募集 

  モフモフ愛好会!


  モフモフ好き集まれ~~~! 』


『 オリハルコン インゴット/鉱石 募集 

  インゴットで100個分まで。

  1つ100k 鉱石は10k 

  連絡待ってます!                 』


『 友達募集~

  1:1よろ!  』


『 ○×迷宮攻略メンバー募集

  本日 20:00 出発

  求wis  』


 これは、好き勝手に書き込み出来る場所って事?



「こんにちは、お嬢さん。何か張り出したい物でもありますか?」


「へ?」


 掲示板を見るのに集中していて、気がつかなかったけどいつの間にか人当たりの良い……青年が隣に来て話しかけてきた。


「あ、申し送れました。わたくし、『初心者支援会』のギルバートと申します」


「『初心者支援会』??」

 

 なんか胡散臭いわね。


「他のゲームだと同盟、ギルド、クラン、血盟……などと言われるようなプレイヤーの集団で作った団体の一つです」


 ああ、それなら分かるわ。

 初心者支援の好きな連中が集まった団体とでも言えばいいのね。


「ちなみに、このゲームではクランと呼ばれていますね」


 そうなのね。


「で、この掲示板勝手に使えるの?」


「いいえ。スペースをレンタルしないと使えません。今のところ全部が埋まっていますので……お金があっても借りるのは難しいですが……必要なら多少融通できますよ」


 掲示スペースをGで借りるのね。

 無料じゃないとか世知辛い世の中ね。


「特に載せる事もないしいらないわ。ちょっと気になっただけ」


「そうですか……なにかありましたら、1:1のチャットでお願いしますね」


「はいはい、何かあったらね」




 そろそろ受付は……さっきより増えてるじゃない!

 はぁ……もう少し掲示板見ていきましょう。


 う~ん、面白そうなのは……。

 何これ?


『 PKに注意! 

  この頃のPKは手段が巧妙化しています!


  ………………………………………………………………

  ………………………………………………………………

  ………………………………………………………………     

  ………………………………………………………………

       


                     初心者支援会   』



「あ、それ気になりますか?」


 う、また出たわね。

 でも、気になるからちょっと聞いてますか。


「そうね。教えてくれるなら聞きたいわ」


「はい、かまいません。それが私達『初心者支援会』ですから」


 そういうのが好きな連中が集まってるんでしょうけど……。

 ただ、この手のゲームだと初心者支援とうたいながら実は詐欺集団ってあるから、注意は必要ね。


「このゲームってPKって多いの?」


「多いほうですね。特にこのゲームの運営の特徴として、迷惑行為の類をゲームシステム内で解決しようとしてる所がありますから……」


 たぶん同じような質問を何度も受けているんでしょうね。スラスラとよどみなく答えていく。


「GMが垢バンとかしないって事?」


「そういうのは、リアルに影響するような出来事例えば、リアルに関係する詐欺やRMT。あとはバグ利用やチートだけですね」


 最初からやらないと宣言して運営の手間を省いてるの?

 まあ、それもある意味公平ではあるけど……。


「ゲーム内の詐欺とかは放置?」


「隣の賞金首の所に色々ありますが、詐欺、盗み、PKなど、訴え出ると、賞金首になって色々ペナルティーを受けさせるってのがメインですね」


 うわ……ヒールプレイを認める代わりに処罰方法とかペナルティを与える方法もゲーム内で用意ね……。

 キルPとかのことと考えると……ハイリスク、ハイリターンが徹底されてるのね。


「実際に被害受けた時はどうするの?」


「冒険者ギルドの受付や警備兵の詰め所なんかで手続きが出来ます。ただ、相手のプレイヤーネームが必要になります。これが……隠蔽されてたりすると色々と面倒になったりします」


「隠蔽?」

 

「色々とそういう系統のスキルもあるのです」


 うわ~スキルも結構幅広そうね……。

 さっきサラッと見ただけでも、全部確認し切れなかったから。

 コレに前提スキルの取得で発生するとかの条件のあるスキルもあるでしょうから……。

 自由度が本当に高いわね。


「まあ、盗んだ物の価値やキルPなどで時効などがあるのですが……その辺の細かい事は受付などに確認してください」


 流石にそこまで覚えてないのでしょうね。

 初心者に説明してもってところもあるでしょうし。


「被害にあわない為に気をつける事とかある?」


「そこの掲示でも細かく書いていますが、今PKの人達は、いかに相手のキャラを犯罪状態にして倒すかという方向に進んできています」


 へ? 相手を犯罪状態って……。


「つまり、いかに犯罪状態にならずにノーリスクでポイントをためるようにするかと言う事です」


 確かに、ノーリスクでポイント貯めれたらそれにこした事はないだろうけど……。


「たとえば……」


 彼の話だと、まず一つ目の方法として。

 遠距離攻撃の誤爆や魔法の範囲攻撃などに故意に巻き込まれ、相手にFAファーストアタックさせて相手から攻撃を受けて正当防衛する形にするそうだ。

 これだと、被害者が先に仕掛けたことに成って被害者の方が犯罪者にされてしまうらしい。

 ただ、遠距離攻撃の場合は、狙ったターゲットから外れた場合はノーカンでターゲットせずに弾幕を張るような場合がまずいらしい。ただし死亡しなかった場合。

 魔法攻撃の場合も同様だけど、魔法の威力が高すぎて即死させたりするので、死亡した場合は犯罪者にされてしまうらしい。


「人の居るところで範囲攻撃はするなって事?」


「いえ、ハイドスキルなんかで隠れてる場合もありますから……ハイドって分かりますよね?」


 地面にもぐったり、森なんかに隠れたりして姿を見せないようにするスキルなんかの事よね。


「あと、もう一つ、露店なんかの機能を悪用したのがあります。それは……」


 二つ目の方法は、このゲームシステム特有の自由度が関わってきていた。

 露店なんかのアイテムは店先に置かれたものを盗むとかも出来るらしい。

 どうやら、店先などに置かれているものには所有権が設定されていても他の人が持っていけない制限はないのだそうだ。

 その延長線上として、アイテムを地面に置いてもしばらくの間所有権が発生し続けるので、それを拾わせ盗ませる事によって犯罪者にするそうだ。


「露店の台などの特殊アイテム上に置かれた物以外は、時間経過で所有権が消滅します。基本は価値が高いものほどその時間は長いです。イベントアイテムとかだと例外的に∞の物もありますが……」


 うわ~。

 これはレアアイテムとかの所持とか気をつけないとダメかもしれないわね。

 あとでその辺の情報を集めておきましょう。


「で、所有権のあるアイテムはどうすると奪った事になるの?」


 彼は直ぐに答えてくれた。

 返却命令を受けて30秒以内に返却しなかった時。

 所有者が置いた場所から一定以上運び去った時。

 この二つだそうだ。


「まあ、盗みに関しても色々影響及ぼすスキルはありますから一概には言えませんけどね……」


 う……やっぱり、自由度が凄いわこのゲーム。


「で、それを防ぐには?」


「基本的に、モンスターのドロップは直接アイテムボックスに入りますので、落ちてる物を拾わないでしょうか? ただ、ダンジョンでなどは普通に財宝が小部屋などに隠されてる事はあるので難しいのですが……」


 うわ……めんどうねそれは……。


「一番簡単に見分ける方法は、拾ったときに即座にアイテムボックスに入らない物は用心した方がいいでしょう。確実なのは、鑑定系のスキルの高レベルのモノを使って所有者を割り出すことですね」


「そう、アイテムを拾うときは気をつけるわ」


「採取系のアイテムに関しては、所有権の消滅するまでの時間が極端に短く設定されてるのでまず気にしなくても大丈夫です」


「それは助かるわね」


「流石に運営も採取なんかの足かせにはしたくなかったのでしょう」


「それもそうね」


 あ、そろそろ受付前の行列もすくなくなって来たわね。


「そろそろ、並んでる人の数もすくなくなって来たし、受付の方に行くわ」


「はい、またなにかありましたら遠慮なく声をかけてください」


「なんかあったらね」


 まあ、ある程度警戒は必要ではあるでしょうけど……。

 詐欺とかそういったやからには見えなかったわね……彼……そう言えばなんて名前だっけ?

本日の教訓:PKの手口を知りましょう!


ダメ女神「あのこ、PK受けてるって分かってるの?」

同僚NPC「………………」

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