5 盗賊と戦おう!
実は……ヒロの方が……。
いったい何処から現れたんだろう?
さっきまでは全然姿が見えなかったのに。
「おう、有り金全部おいてきゃ命だけは助けてやる――な~んてことはいわねぇ。さっさと俺のポイントになりな」
目の前の男は大きな斧を担いでこちらの方に近づいてくる。
う、装備も何かの毛皮作った鎧みたいなのを着ている。
Tシャツ、短パン、武器無しの俺とは勝負になりそうに無いぞ!?
「うわ、当たりじゃねぇか。装備なし無職とか、めっちゃ初心者じゃねぇか」
そんな事を言うのは、くすんだ金属製の鎧に剣をもった奴。
「さっきの、獲物は抵抗激しくて、結構回復アイテム使いましたしね」
短剣を両手にもって体の一部を皮のプロテクターみたいなので覆ってる男。
「ま、さっさと結界はっちまえ」
この場に似つかわしくない、神官の様な聖職者もいる。
「了解~」
黒いローブに包まれた男が手にした杖を振る。
すると、後方に赤いオーロラみたいな幕が……あのチュートリアルの場所にあったやつの色違いって感じか……。
「逃げても無駄だぜ。今張った結界は戦闘終了か30分経つまで解除されないからな」
大きな斧の男の言葉を信じるなら……。
閉じ込められたって事だな。
5対1それも、完全武装の5人と、素手の俺……。
確か、こう言うのを無理ゲーって言うんだよな。
でも、せっかく手に入れたお金だ!
取られるぐらいなら全部つかっちゃえ!
必殺技『Gアタック』発動!
コストは、さっき手に入れた1万G全部!
お、なんかいつもより腕を覆う光が強い気がするぞ!
流石に1万Gもつかったからかも。
「お、いっちょ前にスキルを使おうってのか。いいぜ~やってみな~」
大きな斧の男は左手でカモンカモンとやってくる。
「相変わらずだな」
「ま、そっちの方がボーナス大きくなる時があるからな」
「さっさとやっちゃってください。次の獲物は僕の番なんですから」
「今日はあと2周は、やりてぇよな~」
うん、無防備に受けてくれるって言うなら、それに甘えよう。
「えい!」
力が全く入ってないヘナチョコパンチが大きな斧の男に当たる。
それと同時に、カジノのスロットで大当たりした時のようなコインがジャラジャラと流れ出す音。まあ、実際にカジノに言った事が無いからイメージなんだけど……。
そして、男から飛び出す大量の赤い『1』の数字。
大量の赤い数字は、まるで血のシャワーを浴びているような……。
「な……なにが……」
ピシっと何かが割れる音と共に男のアバターが砕け散って魂の様なものが残る。
『 ??? を撃破しました。
レベルUPしました! Lv2→3
戦利品
84932G
ポーション × 85
ハイポーション × 56
マジックポーション × 43
・
・
・
・
アイテムボックスの容量が足りません。
もちきれないアイテムは足元にドロップされます 』
おお~~。
なんか一撃で倒せてしまったぞ!
さすが必殺技!
1万ゴールドも使ったかいがあった!
「な、バカな。一撃だと!?」
「ちょっと待て身代わり石は持ってなかったのか!?」
「チェーンボーナスで石を貫通できるとか無かったか?」
「あ、同時着弾処理の奴か!」
「なんだよあのスキル! 1の固定ダメの超多段攻撃とかダメージ軽減とか無理じゃねぇか! そもそもあんなスキルしらねぇぞ!」
「てことは、なんかピーキーなギフトか!」
「レベル差攻撃って所か? スキルでもその手のがあったはずだ」
「ギフトだと性能壊れる事があるからな~油断したな」
「ま、俺達で一斉にかかりゃ――」
う~ん、残りの4人の男達が混乱気味に言い合っている。
でも、武器で攻撃されたら……即死だろうな……。
もう油断もしてくれないだろうし……。
でもまあ、ゲームだし最後まであがいてみるか!
『Gアタック』にコスト1万G投入!
さっきと同じように腕が光りだす。
よし、いくぞ!
そう思った所で、何かが木の上から飛んでくる?
それと同時に、ピシ、ピシと何かが連続で割れる音がする。
なんだ?
「!? ちょっとまてスナイパー狙い打つな! 弾をばら撒け! って遅かったか!」
短剣の男が慌てた様子で何かを止めようとしてたみたいだけど……。
その次の瞬間には、弓を持った軽装の男が目の前にテレポートして来たみたいに現れる。
ただ、何か体が不自然に動かない。
頭の上にある電撃マークは何だろう?
まあ、動かないなら……。
「えい!」
ジャラジャラジャラ~と言う音と共に、赤かも動脈でも切り裂いたかのように『1』の数字が噴出してくる。
う~ん、返り血を浴びてるようでなんか少し嫌だけど……からだが真っ赤に染まらないだけましなのかな?
『 ??? を撃破しました。
レベルUPしました! Lv3→4
戦利品
38763G
ポーション × 2
アイテムボックスの容量が足りません。
もちきれないアイテムは足元にドロップされます 』
「何が起こった!?」
「あいつ隠れてたんじゃないのか!?」
「オノのアイテム奪われたんだ! 風の護石と引き寄せの魔石の効果だ!」
「そっか、遠距離攻撃受けたときにカウンターで発動する魔石か! 品質で状態異常の追加効果があったよな。さっきのはマヒだよな?」
「く、やりにくい。身代わり石は大量に持ってたはずだぞあいつ」
「それより、逆転の輝石持ってなかったかあいつ」
「げ……それまずくないか!?」
「でもあの効果は、動けなくなってもダメージ『1』で固定だろ?」
「固定にしても、あれは減らないだろ!」
「そうだった!」
なんか、残りの4人が慌てて言い合ってるようだけど……。
今がチャンス!
『Gアタック』にコスト1万G投入!
全力ダッシュで近づいてパーンチ!
「そんなぬるい攻撃が効くかよ! お返しだ!」
「あ、バカ!」
「バカヤロ~~」
「あちゃ~」
「え?」
何かがまた砕ける音が聞こえると共に目の前が真っ赤に染まる。
なんだ、なんだ?
続いて俺の懐から光の玉が飛び出し、あたり一面を多い尽くす。
うわ~またなんだ~~。
何が起こっている!?
「げっ……」
「発動しやがった!」
「おめぇのせいだぞ!」
「あああ……デスペナか……」
光が収まると石の玉のような物がゆっくりと砂となって消えていく。
う~ん?
何が起こったんだ?
さっきの四人は、変わりなく……いや、なにか光のロープのようなものでグルグル巻きにされてる?
う~ん、もしかしてチャンスなのか?
「よし!」
腕の光はまだ消えてないから……。
「まて、話し合おう! 話せば――」
パーンチ!
コインがジャラジャラ流れるいつもの音と『1』が上がる。
短剣の男も魂に変わる。
『 ??? を撃破しました。
レベルUPしました! Lv4→5
戦利品
96765G
ポーション × 2
アイテムボックスの容量が足りません。
もちきれないアイテムは足元にドロップされます 』
後残りは、3人!
「まて、ちょっとまて」
「まちませんか?」
「ゆるしてくれ~このとおりだ~」
『Gアタック』にコスト1万G!
パ~ンチ!
ジャラジャラ~。
『Gアタック』にコスト1万G!
パ~ンチ!
ジャラジャラ~。
『Gアタック』にコスト1万G!
パ~ンチ!
ジャラジャラ~。
おお~~何とか全員倒せてしまった!
あとなんか、レベルが8に上がったぞ!
それに、お金も大量に手に入って37万Gほど溜まったぞ!
おおお~~一気にお金持ちだ!
う~ん、それになんだ?
このメッセージ。
『 Gアタック累積使用ゴールドが5万ゴールドを超えました。
Gショットが解放されます。 』
まあ、それよりも、この足元の大量のアイテムどうしよう?
もちきれないとかでてるし……。
う~ん。
何かもっと持てる方法とか無いかな?
ヘルプーでろ~~~。
アイテムをもっと沢山持ちたい~~。
ヘルプーでろ~~。
『 スキル:アイテムボックス拡張
必要:1P
パッシブスキル
重量制限 + 800
所持数制限 + 5 』
『 スキル:アイテムボックス拡張 を取得しますか? 』
おお~あんな感じで調べれるとか凄いな。
いいな~これ。
取得と!
ポイントは……SP14、QP0、KP6か多いほうを使っておこう。
『 SP1を消費して スキル:アイテムボックス拡張 を取得しました 』
よしこれでもてるぞ!
足元に散らばってるアイテムを次々拾っていく。
けど、すぐにもてなくなる。
『 アイテムボックスの容量が足りません 』
う~ん、もっとアイテムボックスの容量増やす方法のヘルプお願い~~~。
『 スキル:アイテムボックス拡張Lv1→2
レベルUP:1P
パッシブ
重量制限 + 800 → 1600
所持数制限 + 5 → 10 』
『 スキル:アイテムボックス拡張Lv1→2 必要1P レベルUPしますか? 』
よ~しレベルあっぷしちゃえ~~。
あ、どんどん上げれる!
よし上げれる所まであげちゃえ!
『 スキル:アイテムボックス拡張Lv10
レベルUP:--
パッシブ
重量制限 + 8000
所持数制限 + 50 』
よしこれで入るぞ!
どんどん拾って入れて……拾って入れて……。
「えええええ~~コレでも入りきらない!?」
もっと、アイテムボックスの拡張できない?
ヘルプさん~お願い~~~。
『 スキル:アイテムボックス倍増
必要:5P
ページ数 + 1
スタック上限 + 5 』
よ~しこれもとっちゃえ~~~。
そして、レベルもあげれるだけあげちゃえ~。
結果……。
アイテムボックス拡張Lv10
アイテムボックス倍増Lv 2
SP0、QP0、KP0
うん、ポイント使いきりました。
でも、アイテムボックスにちゃんとアイテムが全部入った!
うん、いいスキルが手に入ったな!
それじゃあ、気を取り直して……。
森の探索を再開……あ……お金手に入ったんだった。
よし、今日こそ宿屋に泊まるぞ!
ピピピピ、ピピピピ、ピピピピ
うん?今度は何だ?
『 時間になりました! 』
あ……時間だ!
しょうが無い今日はここまでだな。
う~んとログアウトは……。
『 この場所でログアウトすると、アバターが一定時間無防備になります。
それでもよろしいでしょうか? 』
気にしない気にしない。
ログアウト~~~!
こうしてゲーム2日目は終了したのだった。
ダメ女神「ヒロさん……最初のスキル取得が全振りでアイテムボックス拡張でいいのでしょうか?」
ヒロのアイテムボックス
容量 2000 + 8000
所持制限数 50 + 50
スタック上限 50 + 10
ページ数 1 + 2
※アイテム紹介
風の護石
飛び道具の攻撃を1度だけ防いでくれる。
効果が発動すると砕け散る。
大量に持っていると、順番に砕ける。
所持数制限1スタックまで。
レアドロップ品
引き寄せの魔石
ターゲット単体指定の遠距離攻撃を受けると、カウンターで攻撃してきた相手を召喚する。
アイテムの品質によって、追加効果で各種状態異常を付与する事も。
所持数制限1スタックまで。
レアドロップ品
身代わり石
即死ダメージを身代わりに受けて砕け散る。
発動時はHP1で生き残る。
所持数制限1スタックまで。
大量に持っていると、順番に砕ける。
逆転の輝石
所持者よりLv10以上上の敵の攻撃を受けると、発動する。
レベル差*10秒間動きを封じる。
ただし、相手に与えるダメージは固定1になるので、逃げるぐらいにしか使えない。
張られていた結界などは同時に破壊する。
BOSSレアドロップ品