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EX1 とある少女のチュートリアル

一旦視点を変えて、トアル少女のチュートリアルです。


ヒロだけだと、ただひたすらボケ倒していくので、突っ込み役が早い所ほしいです。

「へ~、結構いい感じじゃない」


 キャラクターメイクの後に飛ばされた草原は、太陽の光、草花の陰影、匂い、音、風の感触、すべてが高いレベルで作りこまれていて少々驚いた。

 今までプレイしたゲームではもう少し違和感があったんだけど、それもない。

 うん、コレからのゲームプレイに期待できそう。

 

 さて、このまま、風景を見続けるのもあれだし、さっさと進めましょうか。

 確か、キャラメイクの後は――。


「ようこそ、サキ様。異世界からの来訪歓迎します」


 ふと背後からそんな声が聞こえてくる。

 振り向くとそこには、テンプレの女神様が居た。


「ああ、チュートリアル用のNPC?」


「NPC……いえ……私は、チュートリアルの女神(仮)です。これからチュートリアルを進行させていただきます」


 NPCと言う言葉に嫌そうにしてるとか……このゲームのAIすごいわね。

 それに――。


「チュートリアルの女神”(仮)”ってなによ! (仮)って!」


 まあ、何の意味も無いのかもしれないけど、こういうのでフラグ立つこともあるしね。


「本当の名前があるのですが、それはゲーム内で確認してみてくださいね」


 やっぱり、何処かのイベントキャラだったわね。

 ま、これ以上は情報くれそうに無いわ。

 さっさと、チュートリアルやっちゃいましょう。

 まあ、ゲームでチュートリアルって言ったら、たいてい分かりきった説明をするだけだけど、オンラインゲームはやり直しが効かないからね。

 失敗しない為にも、チュートリアルをちゃんと聞くのは必須なのよね。


「じゃ、さっそく、チュートリアルお願い。(仮)さん」


「め、女神を省略しないでください~~~~」


 うん、やっぱりすごいわここのAI。




「こほん、気を取り直して、早速始めたいと思います。まず最初に渡す物があります」


 (仮)さんが、両手の手のひらを上に向けて、虹色の光の玉を生み出す。


「それは?」


「これは、ギフトと言いまして、異世界のから訪れた人々が過酷なこの世界で生きていけるように、贈っている力です」


 ああ、『ONLY GIFT ONLINE』このゲームの名前にも出てるギフトってやつね。


「それぞれのプレイヤーの固有スキルだと聞いたのだけど?」


「そうですね、ギフトというのは、異世界では発現していない隠された力を呼び起こした物で、それぞれ一人一人違った力になります」


 前情報の通りか……。

 でも、プレイヤー分スキル設定するって地獄じゃないの?

 本当にそんな面倒な事してるの?

 ちょっと意地悪な質問してみますか。


「そのギフトってのは全員全く違った物なの?」


「はい、似たような物はありますが、全く同じ物はひとつとしてありません」


「どうせ名前だけ違うとかってオチじゃないの?」


「いいえ、効果から、成長の仕方まで千差万別です」


 へぇ~。

 本当に、固有スキルなのね……。

 プレイヤー毎に固有スキルとか結構すごいわね。

 普通のゲームみたいに効率的な育成パターンとかがあてにならないわ。



「質問は、もういいですか?」


「ええ」


「では、これを」


 そう言って、渡してくる虹の玉を私も両手で受け取る。

 すると、虹の玉が私の手のひらに溶け込んでいく。


『 ギフト:風の弓姫 を入手しました 』


 風の弓姫?

 これが私のギフトなのかしら?

 弓系の職業になれって事?

 う~ん、後衛なら魔法職の方がうれしかったんだけど……。


「無事、取得できたようですね。『風の弓姫』弓と風に適正があるパッシブスキルのようですね。細かい内容は、後でヘルプで確認してください」


「これって、強いの? 弱いの?」


「一概にはどちらとも言えません。ただ、効果が限定的であればあるほど強くなる傾向はあります」


 う~ん、ってことは、弓と風の私は、少し弱め?

 でも、使い方次第か~。

 相性的には、悪くはない物ね、弓と風って。


「質問はよろしいですか?」


「ええ、また何かあったら聞くわ」


「では、チュートリアルの方に入らせてもらいます。まずは、『システムコマンド』と言ってみてください」


「システムコマンド?」


 すると、目の前にコマンドの一覧が……。



・ステータス

・スキル

・アイテム

・フレンド

・コンフィング

・ヘルプ



「システムコマンドの一覧が出たと思います。次は『ステータスを見たい』と頭の中で考えてみてください」


「頭の中で考える?」


 ステータスを見たい?

 

「何も変わらないわよ」


「ステータスを見るということをしっかりイメージしてみてください」


 ステータス、能力値、表示、閲覧……。


「あ!」



 名前:サキ

 レベル:1

 職業:なし


 HP :20/20

 MP :6/5 + 1


 力 :1

 体力:1

 知力:1

 魔力:1 + 1

 速度:1 + 1

 器用:1 + 1

 幸運:1



 目の前に、ステータスが表示された。

 考えるだけでも出るの?


「無事ステータスを見る事が出来たようですね。では、右上の『×』の部分を押してみてください」


 『×』……このボタンね。

 良くあるウインドウを閉じるボタンのような……あ、消えた。


「ちゃんど、表示が消えたようですね。このように、ゲーム内の操作は、『声に出して操作する』『考えて操作する』『動作で操作する』の3通りがあります」


「へ~」


 今度は、手で何か画面が開くようなイメージの動作をしてみる。

 システムコマンドがちゃんと出たわ。

 次にステータスの文字の部分を押してみる。

 ステータス画面がちゃんと表示される。


「とはいっても、基本的に『考えて操作する』というのがメインです。声を出したり、動作を行ったりするのはそのイメージを補強する為にやってるに過ぎないと覚えて置いてください。またコンフィングで設定を変えることも可能です」 


 そうなんだ、というか……頭の中を覗かれてるの!?

 なんか少し嫌な感じね。


「直接感情とかを感知して何かをすると言う事は出来ませんので安心してください」


「どういう事?」


「人間の感情は、読み取る事は出来ても、個人差がありすぎて内容を解読できないのです」


 う~ん、まあ、思考制御スイッチがあっても、感情読み取り機は、実現が難しいって話も聞いたしそういうものなのかもね。


「わかったわ、気にしないようにするわ」


「はい、では――」


 その後、ステータスの内容の細かい説明などがあった。




「では、次はアイテムを装備してみましょう。まずはコレを受け取ってください」


 (仮)さんが、宝箱を私の目の前に召喚する。


「これあけていいの?」


「どうぞ」


 開けて良いってことなので、ガチャリと遠慮なくあけると……。



『 宝箱からアイテムを入手した


  50G

  初心者の弓        ×  1

  初心者の矢筒(50本)  ×  1

  初心者の服        ×  1 

  初心者ポーション     × 10

  初心者マジックポーション × 10  』



 色々アイテムが出てきた。


「まずは、初心者の弓を装備してみてください」


「『システムコマンド』から『アイテム』でも、直接『アイテム』でも見ることが出来ます」


 アイテム一覧表示っと……よし、うまくいったわ。


「アイテムは、アイテム名を口に出したり、イメージしたり、そのまま直接アイテムらんから取り出す事で、オブジェクトにする事ができます。やってみてください」


 初心者の弓、出てきて!

 そう思った瞬間、ひと張りの弓が目の前に出現する。


「これが初心者の弓ね……」


「では、弓なので、初心者の矢筒もだしてください」


 へ~コレが矢筒。矢が沢山入った筒ね。無事取り出せたわ。


「それでは、ここからが重要です。『初心者の弓を装備』と発言してみてください。今回はイメージではダメです」


「初心者の弓を装備」


 手の持ってた弓をうっすらと光が覆う。

 コレで装備したの?


「『アイテム』画面を確認してみてください」


 あ、半透明になった弓のアイコンの右下に『E』の文字が表示されてるわ。


「無事装備できたようですね。次は、初心者の服のアイコンに直接振れてみてください」


 初心者の服……これね……。

 あ、コマンドが出てきた。



・取り出す

・装備

・捨てる



「装備してみてください」


 装備っと……。

 服装が変わったわ。

 シャツの様な上下の上に布の服って感じのを着ている。


「出来たみたいですね。このように、装備など行動を決定するモノは、誤動作を防ぐ為に実際の行動が必要な設定になっています。『コンフィング』で変更は出来ますが、慣れるまではこのままが良いでしょう」


 まあ、装備したつもりで装備できていないなんてのは最悪よね。

 あれ? でもさっき弓を装備前にも持てたよね?


「でも、さっき、オブジェクトにする? だっけ? 装備する前に持てたけどどういうこと?」


「オブジェクトにしただけの装備品は、その形の物と言う扱いでしかありません。尖った物で刺せば多少の追加でダメージが増えたりしますが……」


「武器で攻撃というのではなく、その形の物で叩くという事?」


「そう言う事です。装備品は装備して初めて装備品の能力を発揮できます」


 まあ、武器や防具は装備して無いと効果が無いってのは基本よね。


「また、オブジェクトは、基本的に壊れやすく、耐久度が∞の装備であっても、数回の打撃で壊れてしまいます」


「え? 耐久度が無限でも?」


「はい、基本的に装備品のスペックは装備した状態の物です。なので、装備してない武器などが落ちていた場合、すごく壊れやすくなっていますので注意してください」


 聖剣を守るBOSSとの戦いとかは、そういうのを注意しないと、報酬アイテムが壊れて失敗とかもあるのかもね。


「ちなみに、初心者~のシリーズは、耐久度∞です。壊してしまった場合も、冒険者ギルドで無料配布を受けられます」


 武器がなくなって詰まないようにするための保険ね。




「さて、装備も無事終わったので、戦いをしてみましょう!」


「さっそくね」


「まずは、動かない敵を召喚します。矢の補給は言って貰えれば何度でもしますので、遠慮なく言ってください。では、動かないスライム召喚!」


 あ、出てきたわね。

 確かに全く動かないわ。

 コレならどうにかなりそうね。

 まずは、矢筒から矢を取り出して……。

 弓に番えて……。

 引き絞って……。

 撃つ!


 トス


「弓と言うのはなれるまで結構難しいのでがんばって練習してください」


 トス

 トス

 トス


 ……。命中せずに地面に刺さる音が……なんだか……。


 スカ

 スカ

 スカ


 バカにされてる気がして来たわ!


 スカ

 スカ、スカ

 スカ、スカ、バカ


 ますます、なんかひどくなってない!?


 バカ

 バカ

 バ、ドシュ!


 やったわ!

 やっと命中したわ!


「う~ん、これはしばらく練習した方が良さそうですね。あと4匹よびますので、全部倒してしまってください」


 ここで、4匹追加!?

 でも、動かない敵に当てられないようじゃ、これから先はきついわよね。

 よ~し、いくわよ~~~。





『 レベルUPしました! Lv1→2 』


「ふぅ、ふぅ、ふぅ……やっと5匹倒せたわ。それにレベルも丁度上がったみたいね」


「お疲れ様でした、冒険者ギルドに練習場があるのである程度当たるまで練習してみるのがいいでしょう」


 く、どうせ、10発で1発当たればいいほうよ!


「戦いの練習はコレくらいにして、次にいってみましょう。次はスキルの取得です。まず、『スキル』の画面を表示させてください」


 えっと、スキル画面っと……。

 あ、出たわ。

 でも相当多いわね。


「スキルが大量に出てきたと思います。そのままでは欲しい物を探すのも大変なので、欲しいスキルを検索してみましょう。『お勧めのスキルを表示』と口にしてみてください」


「お勧めのスキルを表示」


 あ、スキルが5つになったわ。


 

 鑑定(初級)

 剥ぎ取り

 解体

 弓命中UP

 初級風魔法

 


「今表示されたのが、私のお勧めのスキルです。先ほどのレベルアップで取得したスキルPが2P有るはずなので使ってみましょう。あと、お勧め以外を選ぶのも選んでもかまいませよ」


 鑑定(初級)は、鉄板よね。

 弓命中UPは、今の命中率ならすごく欲しい。

 初級風魔法は、コレだけ取得に2P必要になってたから、今回はやめましょう。


「剥ぎ取りと解体って何? どっちも素材アイテムを手に入れるものみたいだけど?」


「剥ぎ取りは、戦闘中に腕を切り落とすなどして素材を手に入れるスキルです。解体は、死体になった時に実行されます」


「どう違うのよ?」


「剥ぎ取りは、戦闘中に剥ぎ取るので素材の品質のいいものを手に入れるには使う本人の技術が必要になります。ただし、腕を落としたりすれば敵の攻撃パターンを減らせたり、攻撃力などのステータスを低減できます。逆に解体は、倒した時に実行される物で、素材の品質がよくなりやすいです」


 う~ん、戦闘中についでにデバフもかけてくれるのが剥ぎ取りだけど、素材の質は悪くなると……。

 逆に解体は、素材の質が良くなりやすいと……。


「ちなみに、基本的に素材アイテムはこの系統のスキルを持ってないと取得できず、ドロップアイテムは相手の持ち物しか落とさなくなります」


 ドロップアイテムを発生させるスキルって訳ね。

 

「両方とったらどうなるの?」


「剥ぎ取りで取った分以外が解体されます。また、パッシブスキルは基本的にON/OFFの設定が可能ですので、解体したいときは剥ぎ取りをOFFにするとかも出来ます」


 最終的には両方取るのは確定ね。

 どっちにしようかしら?


「スキルの取得には、レベルアップなどで取得するスキルP、クエスト報酬などで取得するクエストP、討伐数で取得する討伐Pを使用します」


 ああ、結構取得はしやすいのね。

 それなら、そこまで迷う必要は無いかな?


「ただ、スキルP、クエストP、討伐Pそれぞれでしか取得できないスキルもあります」


 そういうのもあるんだ。


「あと、悪事を働くと、討伐PがキルPになる事があります。キルPは、デスペナルティに数値のリセットが追加されます」


「キルPってどうやって貯めるの? もしかしてPKとか?」


「街の住民を殺したり、皆さんと同郷の者を殺したりで増やす事が出来ます。ですが、あまりお勧めはしませんよ」


 うわ……PKでスキル取り放題だけど、一度死んだらPリセットか……。


「デスペナの時、全部P使ってたらどうなるの?」


「使用済みPの分だけマイナスのされるようになります。スキルP、クエストP、討伐P(キルP)の合計が1以上で無いとPを使うことは出来ません」


 PKはそれなりにメリットもあるけど、リスクも馬鹿でかいのね……。

 少し、注意した方がいいかもね。初心者狩りがでそうだわ。


「それで、取得するスキルは決まりましたか? 決まらないようでしたら次の説明に行ってもいいのですが……」


 ああ、取るスキル決めないとね。

 鑑定(初級)と解体にしておきましょう。

 初期は敵は弱いだろうし、お金を稼ぐのが優先よね。

 弓命中UPは次と言う事で……。


「鑑定(初級)と解体にしたわ」


「はい、ちゃんと取得できたようですね。おめでとうございます。では次の項目に――」






「では、これでチュートリアルは終了です。最後まで聞いてくださった御礼にコレを差し上げます」


『 クエストP 1P を手に入れた 』


「へぇ結構ふとっぱらじゃない」


「ふ、太っ腹とか言わないでください! 太ってなんかいません!」


「…………」


 そういう意味じゃないのだけど……。



「こほん。今から、とある城下街の近くの草原に転送します。まずは、城下街にある冒険者ギルドに行くのがお勧めです。チュートリアルでは教えられなかった色々な事を教えてくれる事でしょう」


 冒険者ギルドね。

 まあ、やっぱり鉄板よねこういうゲームだと。


「分かったわ。まずはそこに行くわ」


「では、色々ありましたが、最後に。サキ様の今後の冒険に幸あらん事を……」



 そうして、変な女神によるチュートリアルは終了したのだった。

 それにしても、このゲームのAIの凄さは半端ないわね。

今回の教訓。

武器や防具は装備しないといけません!


ダメ女神「チュートリアルを聞けばよかったんじゃない?」

作「それをいっちゃ……」



※それぞれのゲーム知識

ヒロ:殆どRPG初心者 ゲーマーの知り合いが話してるのを聞いた程度。

サキ:それなりにゲームをプレイしている。廃人までは行かない。


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