第一王女ミリアリア③
その一部始終を見ていたアルカリアは感動していた。
(か、かっこいい!)
ミリアリアの凛とした佇まいも毅然とした態度でアリオスをやり込めた姿も、最後に奴隷たちに声をかける姿も全てがアルカリアの目にはきらきらと輝いて映った。
アルカリアは暫く、ミリアリアの素晴らしさの余韻に浸っていたが、モイブたちがいないことに気が付き慌ててクーザレたちを呼びにいこうと潜んでいたところから出た瞬間、微かな気配を感じ周りを見渡す。
バッ、バッ
「気のせい……?」
アルカリアは首を傾げて一度廊下を歩き始めてから、再度振り返り周りを見渡す。
バッ、バッ
「いない……やっぱり気のせい?」
感じた微かな気配に訝しみながらもアルカリアはクーザレたちのところへと急いだ。
アルカリアが隠れていた場所から廊下を挟んで反対側、ミリアリアが去った方向から一人の男が顔を見せる。
「驚きましたな……あの小さな奴隷、私の気配を感知するとは」
(さて、何者か)
厳しい目でアルカリアの去った方向を睨むと、男は踵を返してミリアリアを追った。
一方その頃、アルカリアはというと。
クーザレたちに自分が見てきたものを報告していた。
クーザレたちはモイブたちがいなければ自分たちがターゲットだっただろうことを正確に読み取り、皆顔を蒼ざめたが、アルカリアはそんな周りの様子など気にせずミリアリアがいかに素晴らしかったかを繰り返しクットスとレドに話していた。
「ほんとうにきれいだったんだよ、おつきさまみたいだったの」
「ミリアリア様は隣国で美姫と名高かった正妃レアンナ様とそっくりですからねぇ」
「お嬢さんの憧れだったよな?よかったじゃないか見ることできて」
「うん、うれしい」
「クットスとレド、お嬢さんも心臓が鋼でできているのか?」
「どうしてあんな話を聞いてそんな会話ができるんだよ~」
「…………」
クーザレと奴隷たちはにこやかに話す3人に顔をひきつらせた。
アルカリアはそんなクーザレたちの様子に気が付き、声をかけた。
「どうしたの?」
「いや、なんでもないさ」
クーザレは苦笑しながら首を振り、それにアルカリアはキョトンと首を傾げる。
クーザレはその幼い表情に笑いかけると、口を開く。
「お前たち、折角お嬢さんが確認してくれたんだ。さっさと行くぞ」
「「「「「はい」」」」」
アルカリアはクーザレと奴隷たちと共に電灯の魔力注入に向かった。
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