【おまけ】船上で見た天使
番外編のおまけ。短いです。
船に案内されたレイジは、船主の乗船テストとやらを受けて、船員として認められた。
テストの意味はよくわからなかったが、合格できたことに一安心した時。
「じゃあ、他の船員を紹介するわね」
シオンが船主の部屋を出ながら言った。
「とはいっても、カルロの他はあと一人しかいないんだけど……」
その名前には聞き覚えがあった。
昨日彼女と一緒にいた、あの背の高い人だろう。
シオンは一人の人物を目で捉えると、大きく手を振った。
「ルナ〜!ちょっといい?」
シオンが呼ぶと、ルナと呼ばれた人物が早足で近づいてくる。
長い黒髪に、鋭い金色の瞳。
シオンより頭一つ分ほど背が高く、スラッとした美人だった。
その姿を見て、レイジが固まる。
「お呼びでしょうか、船長」
「今日から船員になったレイジよ。航海士を任せようと思ってるの。レイジ、こっちはルナリアといって――」
そう言いながら振り返ったシオンは、レイジがフリーズしていることに気づく。
手の平を目の前でひらひらと振ってみると、レイジはポツリと呟いた。
「……かわいい」
「……は?」
その言葉に反応したのは、ルナリア本人だった。
怪訝そうな声を出されたにも関わらず、レイジは顔を真っ赤にして言う。
「え、こんなかわいい子、初めて見た……天使?」
「……船長、こいつ頭おかしいです」
感動したように言うレイジから目を逸らし、ルナリアはシオンに淡々と言った。
だがシオンは、逆に嬉しそうにレイジを撫でる。
「あなた、見る目あるじゃない! そうよね、ルナは世界一かわいいわよね!」
「はい! めっちゃくちゃかわいいです!」
意気投合してしまった二人に、ルナリアは言葉をなくして立ち尽くす。
レイジの言っていることを否定したい。
だが、船長まで否定してしまうことになるのでは……と、どうしていいか困っているらしい。
その後、騒ぎに気づいたカルロが助け舟を出すまで、そのやり取りは続いていた。
ルナリアに一目惚れしました。




