チッソポテトを食べながら
ポテトチップスほど、袋を開けて愕然とするお菓子は、他に無いであろう。
無駄に大きい袋に入って売られているから、さぞやたくさんのポテトチップスが入っているのかと思いきや、開けてビックリ、袋の中は見事にスカスカである。
産まれて初めてポテトチップスの袋を開けた子供は、ショックで泣き出してしまうんじゃないかと心配してしまうレベルだ。
いや正直、大人の僕でさえ、心の中ではむせび泣いている。
そして、ふつふつと殺意にも似た怒りの感情が湧き出してくるのを抑える事ができない。
なぜポテトチップスの袋は、こんなにもスカスカなのか。
メーカーが言うには。
「輸送中にポテトチップスが割れないようにするため」
はい、ダウト。
正解は、「嵩増しするため」だ。
ポテトチップスなんて、割れていたって構わない。
大きいポテトチップスは、手でつまんで食べる必要がある。
だから手が汚れる。
むしろ最初から割れていた方が食べやすいとも言える。
袋を開けて、ポテトチップスをそのまま口の中へと流し込んで、ボリボリ食べるだけでいい。
こうすることで、手がギトギトになって触るものが全て油まみれ、なんて事が無くなる。
キーボードを打ちながら食べても、本のページをめくりながら食べても、全く問題ない。
服の上に食べカスがこぼれることもない。
また、ポテトチップスの密度が高くなって、食べ応えが出てくる。
いい事だらけじゃないか。
そもそも「チップ」とは、マイクロチップやウッドチップという言葉からも分かるように、小さな破片や欠片を意味する言葉である。
だから本来の意味から言えば、ポテトチップスの袋には、揚げたポテトの小さな破片が入っているべきなのだが、現実にはそうはなっていない。
これにはメーカーの事情が絡んでいる。
もしもポテトの小さな破片ばかりを袋に入れたらどうなるか。
当然、袋の中身は今にも増してスカスカになる。
袋を開けると、底の方にちょっとだけポテトチップスが固まっていて、あとは空気しか入っていない状態だ。
これでは袋を開けた瞬間に、ちょっとしか中身が入っていないことがバレてしまう。
かと言って、袋を小さくしてしまうと、さらに事態は悪化する。
今度はもう、袋を開ける前から、ちょっとしか中身が入っていないことがバレてしまう。
売り上げがガタ落ちになるのは火を見るより明らかだ。
そこでメーカーは、「ポテトチップスが割れないようにするため」などと言って、ポテトチップスなんてちょっとしか入っていないくせに、袋に大量の空気を入れて、あたかも中身がいっぱい入っているかのように誤魔化して売るわけである。
これは、お弁当の容器を上げ底にしたり、二重底にして売ろうとするのと同じ手口と言える。
メーカーの悪意をひしひしと感じる。
ところで、先ほど「袋に大量の空気を入れて」と書いたが、実は袋にはただ空気が入っているわけではなく、窒素と呼ばれる気体が充填されている。
(窒素には酸化を防ぐ効果がある)
では、袋の中身の体積比率はどうなっているだろうか。
多めに見積もっても、ポテトチップスの体積は、袋の中身全体の体積の一割に満たない。
(ウソだと思うなら、実際にポテトチップスを袋の中で粉々に砕いてみるといい)
そして残りは窒素である。
つまり窒素が9割、ポテトチップスが1割というのが、ポテトチップスの袋の中身というわけだ。
なんと、袋の中身の9割が窒素なのである。
これはもう、純度90%の窒素と言ってもいいんじゃないだろうか。
本当は、ポテトチップスが入った袋に窒素が充填されているのではなく、窒素が入った袋にポテトチップスが混ざり込んだだけなのではないか。
世に出回っているポテトチップスは、もはやポテトチップスではなくポテトチッソ、いや、チッソポテトと呼ぶべきではないか。
コンビニで買ってきた某メーカーのチッソポテトを食べながら、そんな事を思った。
読んで頂き、ありがとうございました。