昭和・ドライブ奇譚 第一話、エロ漫画。第2話、ここでおしっこできる幸せ。第3話、自販機ガラガラ。 続・小夜物語 第17話
〇はじめに、、、、
昭和時代に、私はドライブが好きでよく休日には出かけていたものでした。
そのころ私が乗っていたのは
コロナマーク2という、、なかなか高級な?車でして
大きなボディがゆったりと乗れる車でした、
わたしはまだ20代後半で、
そのころは
生まれた県からは遠方の他県で就職してそこに下宿していました、
就職難でやっと見つけた職場でしたね
其処は田舎ですから車は必需品で車がなければ生活できません、
で、、、
わたしは車をそこではじめて買ったのです、
大学は東京で下宿だから、、、、学生で車買えるはずもなく
卒業してこの県に就職して、初めて車買いました。
始めて買ったのがコロナマーク2で
其の後の車遍歴では
マツダルーチェというのも高級でよかったですよ、
トヨタの4駆に乗った時期もありましたっけ
さて、、見知らぬ他県で、、ドライブだけが息抜きだった?
青春時代の私ですが
彼女もいないので、、単独ドライブでしたね
まあその方が気楽だしね
おおよその目星をつけておいて
当時カーナビなんてないしね
ドライブマップ持参でドライブですよ、
途中は
昭和レトロなドライブインで休憩・食事、そして名所見たり
山や川や瀧を見たり、、、
割と有名なお寺・神社見たりしましたね。
それで満足して夕方に下宿に帰還です。
ですが、、、
そんなメインな名所紹介を今さら私が しても意味ないので、
今回はそれは置いといて、
今日は
もっとレアな印象深い
昭和のレトロな奇譚を
三話構成でご紹介しますね。
それではどうぞ
〇その1 エロ漫画
あれはとある昭和の休日だった
わたしは体調も良いので愛車のマツダルーチェを駆って、、
とある峠越えの
ドライブに出かけました、
それは県境の峠で江戸時代には
主要街道だったらしいが
今は荒れ果てて、、舗装されてはいるが一車線の林道がひっそりと
通じているばかりだった。
其処へ行くのも初めてでドライブマップ見ながらたどりました、
ふもとについたのは11時でした
途中も、、そこにも
ドライブインはなかったので、
ふもとの集落のひなびた商店でジュースとパンを買い
車中で食べながら峠道を登り始めました。
やがて峠を上り詰めて頂上に到着
其処は県境で、指標もたっていました、
広場みたいになって開けていました、
だれもいません
私は車を止めて休憩
車から出てそこら辺を歩き回りましたが
回りは山で何もありません。
広場のはじっこはゴミ捨て場状態で食い物や空き缶がいっぱい捨てて在りましたね
みんなここで休憩して捨ててゆくんでしょう。
今で言えば不法投棄です、
え?
昔だって不法投棄ですけどね。
そこから細井山道が森に続いていて
わたしはそれをたどってみました、
しばらくゆくと、
こんもり茂った藪に何か大きな、段ボール箱が、見えました、
だれかが捨てたんでしょうが
置いて在るという感じでした、
何だろう?
わたしは近づいて開けてみました、
すると
中にはぎっしりと漫画本が詰めれていました、
取り出してパラパラとめくってみると、
それはいわゆるエロ漫画でして
しかも当時はめづらしい??
無修正版でした、
つまり、、局所も鮮明に詳細にぼかしなしで描かれたいたのです。
呆気に取られて取り出してみましたが
どれもみなくっきりでした、
おおよそ100冊もあったでしょうか、
でも?
それを私が持ちかえるわけにもいきませんよね。
盗み?になるだろうし
無修正版持ってればつかまるかも?
わたしは本を段ボールに戻して
その山道を引き返しました、
一体だれがここに置いた(捨てた)のでしょうか?
わたしにわかるはずもありません
車に戻り私は峠を下りました
人っこ1人いいないさびしい峠でした。
帰宅しても目にちらついて、、しばらく悩みましたね
其の後
その峠には二度と行きませんでしたので
あれがどうなったかは
わたしにはわかりません。
〇その2 おしっこできるしあわせ
あれはもう40年以上も前でしょうか?
私は山寺が好きで。人知れぬ、
無名の山寺ばかりを経巡って楽しみにしていたのでした。
休日ともなると、愛車のコロナマーク2を繰って、山里を訪ねては、
山道を深く分け入り、もうそれ以上はいけないというところまで入り込んでは、
そこから荒れ寺や、無住寺を探索するのです。
私は仕事柄とてもテクノストレスのたまる職務内容でしたから、その反動でこうした
アナログの極地みたいな趣味?にはまってしまったのでしょうか?
春は草のいきれ、夏は草原の草の匂い、秋は枯葉のこげた息吹、
冬は?無理です。そんな山奥に単独で行ったら遭難しかねません。
私は元来臆病ですから冬は体よく冬篭りなのです。
さてそんなある日のことでした。
其の年の夏はことのほか暑くて、
永遠に続くかと思われたような残暑もやっと終わりを告げ
秋の風が吹き始めた頃でした。
私は例のごとくストレスに押しつぶされそうな自分をどうしようもなく、
ある休日、出かけました、
其の日は目的地があったのです。
それは〇県のある山奥でした。
そこはさる幕末の騒動の舞台となったところで、
私は其のゆかりを探訪にでかけたのです。
4時間も車を走らせてやっと其の山間までたどり着きました。
相当疲れていたと思います。
ふと道路わきに眼をやると、
なんとお寺らしきものが眼に留まったのです。
其処は目的のお寺ではありませんでしたが
私はふーっと
釣られてクルマを停め、其のお寺に向かって歩いていました。
ひとけもなくて無住寺でしょうか?
これといって変哲のない山寺でした。
一通り見てさて立ち去ろうかと思ったときです。
思わず尿意を催したのです。
あたりを見回すと粗末な厠がありました、
入って行き、小便器の前に立ったとき
目の前に墨字で書いた紙が
貼ってありました
「きょうここでおしっこできる幸せ」
がーんと頭をなぐられた様な衝撃でした。
百尺竿頭一歩を進めるごとき
瞬時に私は悟ったようでした。
そうなのです、
今日ここでおしっこできることはなんと言う幸せなのでしょうか?
ここにくることも不思議ならここでおしっこするのも不可思議。
正に一期一会、
すべてが万事整ってこそのここでの
放尿なのです。
それが私には今まで分からなかったのです。
そして今私はやっと悟ったのです。
「きょうここでおしっこできる幸せ」を。
〇その3 自販機ガラガラ
ある日私はドライブに出かけました
今日は特に目的地は定めないで
ぶらりという感じでした、
基本山方面に向かうのですが
いまでいうところの
「限界村落」というか
テレビの「ポツンとと一軒家」みたいなところに行くのが好きでした。
その日はそいう方面に向かったのですが
しばらくゆくとかなり鄙びてきて
街はずれに来ました
もうこの先は、、商店もましてやドライブインもないだろうと思ったので
何かジュースでも買っておこうかなとおもってると、、
路肩に自販機が、ポツンとあるのが見えたので
車を止めました、
ひなびた田舎道に、人家もなくて
其やや錆びた自販機がポツンとありました、
わたしは田舎ドライブでこういうのはよく見かけて、
こういうポツンと自販機はよく利用して知っていました、
で?
こういうのは実はお金を入れても出てこないってのが多いんですよ。
無反応でお金とられっぱなしで商品が出てこないのが
多いんですよ、
そういう経験を何度もしてきました。ポツンと自販機が出ないから連絡といっても
何処へ?という感じですよね。
だからやめようかなと思ったのですが
ええい
いいや
と、思って100円入れてボタンをしたんですよ。
すると、、
内部でガラガラと大きな音がして
取り出し口に
缶ジュースが
ガラガラガラと何十本と、出るわ
出るわ、、とめどなく出てきたんですよ。
錆びだらけ自販機だからおそらく
こわれたんでしょうね
周りは誰もいません
人家もありません、
あふれかえった数十本の缶ジュースを前に
わたしはしばし
吾を忘れて
あきれかえっていたのでした
連絡立ってその自販機の何処にも
連絡先なんかどこにも書いてありませんよ
さあどうする???
さていったい私はその後
どうしたでしょうか?
それはみな様
各自で
ご想像くださいね。
100円払ってるんだから
とうぜん
一本は開けて飲みましたけどね。
(注)この物語はフィクションであり現実の一切とは無関係です