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柴犬ホラー百物語

ブランク

作者: 柴犬

【観測】の裏側の話です。



SFは無理ですね柴犬は。



謎設定になってます。

 


 ――ジジッ。



 ノイズが走る。



 


 暗い。

 暗い空。


 雲一つない空。



 月の灯すら無い。


 暗黒の空。



 見上げた空は常にノイズが走る。









 空から視線を下げる。

 其処には何もない空間が広がっている。




 虚無。




 何もない空間。




 リソースの都合上<OSを軽く>するために何も設置されてない空間だ。

 有るのは辛うじて安定した空間に残されたジャンクを積み上げた虚数空間のみ。

 其処が今僕がいる空間だ。

 言わば生活してる場だ。

 ジャンクを足場にし組み上げた土地。 

 言わば虚数空間に作られた人口の土地だ。

 粗末ながらジャンクで作られた住宅が有る。

 其れ以上の向こうの空間は虚無。

 何もないからだ。

 何もない。

 虚無。

 正確言えば観測者を起点に数百キロ以外は<世界は虚無>である。、

 観測型創造神。

 其れが観測者の名前だ。

 この世界は観測型創造神が作り上げた世界。

 無自覚に観測した結果此処は作られる。

 だがその端。

 虚数空間と虚無の境界。

 其処は余りにも不安定な空間だ。

 

 其処が三等AIに与えられた空間だ。


 毎日虚無に落ちる恐怖と戦いながら僕らは生きていた。


 そんな僕らも仕事をしないと生活が出来ない。

 使えそうなジャンクを山から探す事だ.

だから今日もジャンクの山を登る。






















 


 踏み外した。



 ――ジジッ。



 正確に言えばジャンクが薄い箇所を踏み抜いた。

 だが上手く踏ん張れた。


 昨日は此処は安定していたのに。

 観測型創造神が其の場所を移動したせいだ。

 此処が不安定に成り脆くなったのは。


 

 二等AIともなればしっかりとした安定した空間で生活できる。

 但し二等はただのモブ。

 此の世界の演出に花を持たせる脇役だ。

 一等AIは近縁者。

 若しくは観測型創造神の親兄弟役。

 或いは職場の同僚役。

 

 想像も付かない生活が出来る。

 だけど三等AIには高望みだろう。


 こんな危ない土地に住むのが関の山だ。

 


 何時死ぬか分からない土地。

 其処が僕らの住む土地だ。


 今朝も隣のおばさんが虚無の世界に落ち死んだ。

 一年前は僕の弟が。



 こんな所から抜け出したい。

 だけど抜け出せない。

 其れが僕らの日常だ。



 来る日も。

 来る日も。

 来る日も。

 来る日も。

 


 同じ日常が過ぎ去る。

 死が生と等価の世界。

 もし此の生活から抜け出そうとしたら金を積むしか無い。

 とてつもない金を。

 金を積んで土地を買い其処に住むしか無い。


 とはいえ金を稼ぐ手段など限られてる。

 三等AIに許された稼ぐ手段はジャンク漁りしかない。

 

 毎日ジャンクを漁る。

 有益なジャンクがあれば其れを二等AIに売る日々。





 来る日も。

 来る日も。

 来る日も。

 来る日も。

 来る日も。

 来る日も。

 来る日も。

 来る日も。

 







 今日妻が死んだ。



 新婚だったのに。

 せめて二等AIなら此の幸せも続いたろう。



 もう嫌だ。

 本当に。



 神の気分で命を左右されるのはもう嫌だ。





 

 ある日のことだ。


 とても高額な仕事の斡旋を受けた。

 二等AIから。

 

 内容は簡単な物だった。

 一級AIの誘拐。

 だけど僕の勘が告げる。

 其れ以上のAIだと。




 見れば分かる。

 遠くで見ただけだが。


 何しろ多くの護衛を付けてるから。

 僕は雇われた仲間と打ち合わせをした。

 幸いなことに僕と同じ志を持つ同士が居た。

 というか雇われた殆ど全てのAIがそうだ。

 消去プログラムを組み込んだ剣を持ち雇われた仲間と共に襲撃を掛ける。






















 何かを浴びる感触がした。

 其れと何かを壊す音。



「こいつだっ! こいつを殺せっ」


 黒ずくめの男達を殺していく。

 黒ずくめの男の血が僕に掛かる。

 僕たちの襲撃を迎え撃つ黒ずくめの男たち。


「馬鹿野郎此の方を殺せばこの世界はっ!」


 やはり僕の勘は正しかった。

 此奴だ。

 此奴を殺せば全て終わる。


「知るかっ! 真の自由を得るためだっ!」

 

 そいつに僕は言い返す。

 言い争う集団。


「真の自由?」

「聞くなっ!」


 黒ずくめの男の言葉に反応する男。


「俺たちは生死の権利位自分たちで決めたいんだっ!」


 次の瞬間に死ぬ毎日なんて嫌だ。


「言うなっ!」


 僕を止める黒ずくめの男。



「此の世界はお前を殺せば全てが終わる」


 僕は制止の声を無視して男を殺す。

 視界一杯に広がる紅い液体。


 其れは男の血液だった。

 大量の。

 



 其の瞬間世界が暗闇に覆われる。

 そうして世界は終わった。


 

 

    




















「また失敗ですよ」

「またか?」

「はい」

「以前もだよな」

「そうですね」

「次世代観測型仮想創造神は無理かな~~」

「何で仮想世界の創造神ってすぐ死ぬんでしょうね?」

「色々対策してんだけどね」

「神として孤独で自殺したな」

「そうならんように人間を模倣した人工知能に偽装したりしたのに」

「他には実は仮想創造神という重みに耐えられず死んだり]

「不足の事態になったら鉱石ラジオを聞かせることで記憶を消す暗示をしたりしたんだが……」

「後は興味を失うように誘導する暗示とかね」

「終いにはこの世界を好き勝手に操っている黒幕にされたりとか」

「此れで三千回目の失敗ですよ」

「次にこそ上手く行けばいいな」

「ええ」

「其れで次の次世代観測型仮想創造神の名前はどうします?」

「ヤハウェで良いだろう」

「今度こそ上手く行けば良いな」

「ええ」



すみません最早ホラーですら無い・・・。orz




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