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 死んだ、と思った。

 

 それとも、死ぬ瞬間という時間が止まっているのか、と思えた。

 

 目の前の光景は、青白い電流が俺の眼の前で止まってるように見えた。実際は鬼眼を移植した眼に吸い込まれていっていた。特に痛みも、相手の攻撃がしなったりうねったりせず、ただ吸い込まれていっていた。

 

 吸収中、解析継続中。

 視覚外からの吸収可能になりました。

 

 この鬼眼ってなんなんだ?

 

 青白い電流が止み、ジル・ロベルトは驚いていた。

 

「お前、その眼どんな奴からもらったんだ?」

 

 俺はあえて答えない事にした。いきなり攻撃してくるような輩には、まともな会話をしても解決しない。それにこの世界は力こそ正義だ。

 

「くっ・・・耳がキンキンする・・・っ」

 

「ナミ、大丈夫そうだな」

 

「フラッシュグレネードね、クソが」

 

 ブチ切れ状態だった。

 

 戦術データリンク構築、ナミと連携させました。

 

 レンツ、あのくそ野郎ぶっ殺すわよ。

 

 脳内通信にナミの怒号が鳴り響いた。おかしい、連携受理してないのに・・・なんで連携されるんだ?

 

 俺とナミは立ち上がり、互いに背を向けた状態で陣形を組んだ。お互いの間の上に卵型の武具が浮遊している状態になった。

 

「え? 何答えてくれないの? その眼はどうしたん? ん?」

 

 ナミ、光速エネルギー体型だ。だが、奴から発せられる魔力攻撃は吸収可能になった。

 

 わかったわ、ならあとは接近戦に気を付ければいいわけね。

 

 データ連携、卵型の武具に解析データをリアルタイム連携します。

 

 俺は、俺についているナビが本当に俺のナビかどうか疑わしくなってきた。体感時間が長引いている薬剤を投与されていることもあり、考える時間がある。正直、このサイボーグの個体も代替用として付与されたけれど、本来のスペックからすると代替するようなものじゃなかったと思う。

 そういえば、戦術データリンクはサイボーグ同士じゃないとできない。卵型の武具はこの世界で貰ったものだし、どうして俺のナビとデータのやり取りが出来るんだ・・・? そもそも念話ができる卵型の武具の事もよくわからないものだ。

 

「どうやって教えてくれるのか考えてくれてるのかい?」

 

 目の前にジル・ロベルトが突如現れ、両手をこちらにかざしてきた。やはり光の速さで行動されると対処なぞしようがないが、こちらの答えを知りたいのか手を抜いている。そこが唯一の糸口だが、どうやって生き延びることが出来るのか答えが見つからなかった。

 

 オートガード展開。

 

 聞きなれない声がし、ジル・ロベルトが放った青白い光線は浮遊している卵型の武具に吸収されていった。

 

「はぁ!?」

 

 俺は即座にレーザービームソードを大出力モードにし、前方に放射した。一瞬だけとはいえ、放射した際の重力がかかるため、戦術データリンクにより、ナミが事前に動作がわかってくれていた為、その反動を受け止めてくれた。

 

 はじめての戦術データリンクだけど、これはサイコネットワークによる集合意識共有みたいなものね。楽勝ッ!

 

 ナミの機嫌がよくなっていた。

 

 大出力で放射したレーザービームは、ジル・ロベルトを完全に捉え、跡形もなく消失させた。

 

 レンツ、まだ終わってない気がする。なんか第六感が告げてる・・・。

 

 ナミの不思議な感覚が俺の方にもデータ連携され、警戒をするもののあたりには野次馬が遠くにいるくらいで見当たらなかった。

 

 あ、見えた。上からよ。

 

 俺はナミと感覚を共有しているため、声と同時に上を向いた。

 

 青白い光が空から自分たちに向けて降ってきた。

 

 オートガード展開。

 

 この声が卵型の武具からのアナウンスだと確信したと同時に、頭上の青白い光が卵型の武具に吸収されていった。

 

 ナミ、これどれくらい吸収できるんだ?

 

 かなり余裕よ。この大都市全ての魔力を飲み込んでも余裕なくらいよ。

 

「よそ見してんじゃねぇぞ!」

 

 俺は真横に吹っ飛ばされ、即座に受け身をとった。

 

 機体損傷微、修復完了。

 

 かなり思いっきり吹き飛ばされたと思ったが、そうでもなかった。衝撃はあったものの、大した威力はなかった。目の前には青白い光体が立っており、それがジル・ロベルトだとわかった。

 

 青白い二本の捻じれた角がそいつだと語っていた。

 

「その眼、誰から貰った?」



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