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「魔核ランキング?」

 

 街の中にある電光掲示板風のものがあり、そこの魔核ランキングが映し出されていた。この世界に来てから、魔界の文字もナビによって自動翻訳され、大分読めるようになってきた。

 

「魔核の量や質など、納品したランキングだな。撃墜スコアランキングみたいなものだろ」

 

「ふぅん、それって上位に入ったらなんか美味しい物食べれたりするのかしら」

 

 ここでの食べ物は軍用レーションより少しマシな程度という結論を出した。美味いものが出てくる可能性はないんじゃないかと思ったりした。意図的に美味しさを出さないようにしてる節もなかった。

 

「さすがにないだろ」

 

「バーべ、お前はこのランキング上位を狙っていたりするのか?」

 

「強い嫁さんを探すのならせめて同じくらい強くないとダメだから、そりゃもちろんだ」

 

 上腕二頭筋を盛ッとさせ、返事をした。正直、筋肉うらやましい。

 

「レンツは今のままで大丈夫よ」

 

「えっ」

 

 こいつまさか心を? サイキッカーって相手の心も読むのか?

 

「じゃあ、私はひと狩り行ってくる! また夜にでも会おう!」

 

 バーべはランキングに乗るために狩りにでかけたのだった。それをナミが手をふりながらいってらっしゃいといって見送っていた。

 

「さ、私たちも狩りに行ってみましょう。もしかしたら外で採れる肉の方が美味しいかもしれないし」

 

「まあ、確かにそんな気がする」

 

 俺たちは魔核ランキングを更新しているハンターギルドに向かい、狩場についての情報収集することにしたのだった。場所は都市にいくつもあり、すぐに見つかったので入ってみた。

 

「人少なくない?」

 

「みんなもう狩りにいってるんだろ」

 

 中はガランとしており、受付と思わるカウンターがありそこに向かう。待つこともなく聞けるのは楽だ。

 

「ご用件は?」

 

 俺はハンターランキング、狩場、ライセンスなど承諾や証明書が必要なのかを確認した。

 

「魔核をお持ち込みいただければ特に規定はありません。ランキングに参加される場合は、名前の提示が必要となります。狩場は基本都市外全てとなっていますが、巨大生物の奪い合いや横取り行為は推奨はされていません」

 

「ふぅーん」

 

「狩場からお戻りの際は、ハンターギルドであればどこでも同じですので魔核の納品をよろしくお願いします」

 

「とりあえず、都市外に出て適当にブラついてみるか」

 

「そうね」

 

「いってらっしゃいませ」

 

 都市外に出ると、遠くで巨大生物と戦っている者たちが見えたり、巨大生物の死骸から魔核を採取するハンターや死骸を食べる生物がいたりと弱肉強食のありようだった。

 

「なんか都市から離れた方が良さそうかしら?」

 

「ナミ、空へ飛ばしてくれ」

 

「はーい」

 

 サイキックで空へ飛ばしてもらい、あたりを一望するとところどころで戦闘が起きているのがわかった。その中に戦闘が起きていない空白地帯があった。

 

「ナミ、そろそろ降ろしてくれ」

 

「どこかいい場所あった?」

 

「戦闘が起きてない空白地帯があったから、そこに向かってみよう」

 

 俺たちは歩いて数時間ほど先にある戦闘がない空白地帯へと足を踏み入れた。その道中に巨大生物に絡まれる事もなかった。ほとんどが他のハンターが戦っていたのというのもあり、魔核ランキングにのるには巨大生物の奪い合いなのだと思った。

 

「到着したのはいいけれど、ここなんだか静かすぎない?」

 

 小さな湖畔があり、あたりは静けさがあった。森というよりも林が転々とある場所だった。

 

「草花ももしかしたら調味料替わりになるかもしれないか・・・?」

 

「ねぇ、ちょっと聞いてる?」

 

「ああ、すまん。この草花は調味料に使えるのかなと考えていた」

 

「それはいいアイディアね。ここ一帯の草花は大きいし、木に果実っぽいのもなってるし、割と良さそうかもね」

 

「あとは巨大生物の調達だな」

 

 ギャオオオオオオオ!!

 

 突如湖から出てきた巨大生物だった。今まで相手してきた巨大生物と違い、首が長く蛇のような胴体に手足がついた生物だった。

 

「もしかしてここ一帯のボスなのかしら?」

 

「捌くのが面倒な大きさだな」

 

 口を大きく開くと首元がフルフルと震えだし、舌を上顎にびたりとつけると舌の裏側に穴が見えた。その穴から何か発射されたが、俺とナミは何か起きる前に回避高度に移っており、発射された何かは余裕で避けた。

 

「高圧縮された水かしたら?」

 

「酸や毒みたいなものではなさそうだな」

 

 発射されたものが地面をえぐった形跡を見て解析し、特段脅威ではない事を互いに理解した。連続で発射されるものの、弾速と標準が甘いのと発射体制から発射後の動作がレンツにとっては緊張感を持つほどではなかった。

 

「さくっと首を落として、食べてみましょ」

 

 ナミはサイキックで開いた口を無理やり閉じさせ、頭を固定した。巨大生物と戦う時に相手の首から上をサイキックパワーで抑えつけ、その間に俺がレーザービームソードで身体と分断する。

 

 ビィィン

 

 と聞きなれた音のあとに巨大生物の首が落ちる。

 

「ね、断面から漂ってくるこの香り、いけそうじゃない?」

 

「ちょっと毒見する」

 

 寄生虫あり、当個体ではエネルギーとして摂取可能。ナミ・ヒショウの個体は卵型武具により摂取時に消滅されるため、問題なし。

 

 なるほど、食っても問題ないか・・・。

 

「寄生虫とかあるが、その卵型の武具がどうにかしてくれるってナビが言ってるしいけるっぽいぞ」

 

 ナミは浮遊してる卵型の武具を見て、頭を傾げていた。

 

「これってレンツのナビと同期するものなの?」

 

「そういえば、自称神から貰ったものだし、おかしいな・・・」

 

「え、うそ・・・」

 

「どうした?」

 

「この卵型の武具から念話がきたわ」

 

「そうか、よくわからないな」

 

「そうね、私もよくわからないわ」

 

 考えても仕方ないし、答えはでないと判断し、俺は巨大生物を捌くことにした。ナミはうんうんと唸ったり、頷いたりし、卵型の武具との会話を行っていた。あれって自称神から貰ったものだが、いまだによくわからないんだが本当になんなんだろうか。



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