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 この都市に入って出会った案内人は存在感を極限まで無くそうと努力していた。どうやらナミが何かしでかしたのかわからないが、案内人は常に緊張感を持っているようだった。

 その案内人に寝泊まりできる場所に案内され、その一室で俺はナミから渡された服に着替える事になったのだが、着替える前に身体をキレイにした方がいいと言われ、シャワーを浴びた。

 久々に文明の利器だったのもあり、魔科製品というのは自分たちの世界とは違った文明技術を歩んでいるものの、似ている物があるのだと感動した。

 

 新しい服に着替えると、今まで着ていたのと比べると薄着になり、防御力に不安がよぎった。

 

「この都市ってモンスターが現れたりするのか?」

 

「さ、さすがに都市内にモンスターは出没することはないですね。はい」

 

「着替えた?」

 

「ちょうど、着替え終えた所だ」

 

「じゃ、行きましょう」

 

「えっ、どこに?」

 

「決まってるじゃない、どこかゆっくり話せるところよ。情報連携して、今後のこの都市での方針を決めましょう。案内人、周りに会話が聞かれなく食事可能な場所へ」

 

「はいっ、かしこまりました!」

 

「さ、行きましょ」

 

 ナミ、お前なにしたんだ・・・。

 

 程なく、案内人について行ったらきらびやかな通りに入り、その一角にある店に入る事になった。そこで前払い制だった為、魔石の支払いを行ったら、顔をひきつらせた後に瞬時に表情を戻し、案内人のような対応をしてくれた。

 

「あら、なかなかいい部屋ね」

 

「将軍クラスが使ってそうな・・・」

 

 食事をするスペースというよりも、フロアそのものが豪華な造りとなっており、寝室、リビング、応接室といった住めるような造りになっていた。入口には、案内プレートがあり、食事をメインとした空間だというのがわかった。

 

「あ、あの私は・・・」

 

 案内人もいつになったら解放してくれるのか、という思いから発せられた言葉なのだろうと俺は察した。残念な事に、ナミはお前を逃がすことはしないと思う。なぜなら、まだ情報を吸い出せると考えているからだ。

 

「何言ってるの?一緒にご飯食べるに決まってるじゃない」

 

 大きな丸テーブルのところに適当に座ったナミは、手招きして適当に座るように促した。俺も適当に座り、びくびくしながらも座る案内人だった。

 座って程なくして、料理が運ばれてきた。適当に食べ始め、案内人も食べるようにナミから言われ食べるのだった。

 

「さて、食べながら情報を連携しましょうか。まずは私からね、この武具の事なのだけど、まだわからないことが多いわ。半径二メートル以内の魔力であれば自動で蓄積し、結晶化することと持ち主の害や不快になるものを自動バリアする機能があるわね。あと動力なんだけど、サイキックで動かして浮遊させてるわけじゃなくて、自律して動いていて、私の思念を読み取って最適な行動をとっているわ」

 

「高性能過ぎないか?動力源は魔力か?」

 

「動力については魔力じゃないのよね、結晶化するにも圧縮しないといけないのにその動力が魔力だった場合、生産性など情報が表示されるはずなんだけど、それが感じられないのよ」

 

「意味が分からん」

 

「反物質融合炉、あたりなのかも?」

 

「おい、そんな爆弾持ち歩いてるのは嫌すぎるぞ」

 

「あ、あの・・・反物質融合炉とは・・・?」

 

 爆弾という言葉から、青白い顔をしてナミの斜め後ろに浮いてる武具を見ていた。

 

「そうねぇ、この魔石のエネルギーが一だとして、その一以上のエネルギーをほぼ無限に毎秒生み出せるもの、みたいなものよ」

 

「それって・・・」

 

「あ、知っちゃったわね」

 

 ナミがにっこりとしながら案内人を見つめる。それは脅しだ、やめろバカ。案内人がさらに青白いのを通り越して、紫色に変わってきてる。

 

「ナミ、やめろ」

 

「はーい」

 

「自分の情報も一応共有しておく、この鬼眼なんだが、魔力の流れを視覚化できるようになった。それで広場で絡まれていたのもこの鬼眼から漏れ出す魔力を吸い出そうと必死だった節がある」

 

「それって視覚化できるようになってから何か変わったってこと?」

 

「案内人から見て、この鬼眼はどう見える?」

 

 俺は案内人が最初の時と比べて眼を合わせなくなったので、気になって聞いてみる事にした。



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