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 人工物がある方向に当初の予定通りに歩いて行くことにした。自称神さまであるパープリープは教えてくれないのもあり、自分たちで確かめる事になったのだ。

 

 どのみち、元の世界に帰れる保証もないのなら、気ままにこの世界を謳歌すること以外あるのかと思っていた。

 

 任務以外にやることが思いつかないのは不思議な感覚だった。

 

「なんか、人が集まって騒いでる感じが伝わってるんだけど?」

 

「この先の人工物があるところか?」

 

「そうそう」

 

 ナミがサイキックで感知したのか、近づいていくにつれて何やら角が生えた者同士で騒いでいるような、揉めているような、よくわからない状態だった。

 

「ここは私が話しかけてみるわね」

 

「お、おう」

 

 ナミの行動力というか、なにか楽しんでいるのが伝わってくる。

 

「すみませーん!ちょっといいですかー!」

 

 ナミが声をかけた瞬間に、さっきまで騒いでいた人たちが一斉にこちらを向いた。怪訝な顔をしている者や、間抜けな顔をしている者などいた。体格と肌の色が自分たちがいた世界の人とは異なる人種なんだとわかった。

 

 肌の色が赤とか青とか灰色だったり、それでいて様々な角が頭に生えていた。筋肉量もなかなか仕上がっていて、あれが人工筋肉による強化人間じゃないとなると美しいなと思った。

 

「お、お前ら何者ンだ!」

 

「・・・何者だろ?旅の者?」

 

 ナミが俺の方を向いて、どう返せばいいのか迷っていた。

 

「旅の者だ!ここに立ち寄っても良いだろうか!」

 

「よし、こっちへこい!」

 

 ナミと一緒に近寄ってみると小さなコロニー・・・いや、仮拠点か、俺が森の中で作ったものよりも防衛力が低そうな建物がある。

 

「ん~お前はちっこいが鬼か、角無しの鬼か・・・そっちの女は角無しか、お前らどっから来た?」

 

 鬼・・・そうかこの眼が鬼扱いされるのか、それに角無しと言われるのはこの世界では角があるのが普通なのか?

 

「あっちの森の奥から来たわ」

 

「おい、聞いたか?この女、あの森から来たってよ」

「あの怠惰の森から来たって?バカ言っちゃいけねぇな」

「角無しなんだ、バカかもしれんぞ」

「はっはっはっちげぇねぇ」

 

 角が生えてる者たちにバカにされているのはわかる。ナミはなんとなく不機嫌になってきている・・・軍人はなめられたら階級で黙らせるか、階級が同じなら力で黙らせる。階級が低いやつだったら懲罰房へご案内。

 

「はぁん?嘘ついて何か意味あるのかしら?そんな事もわからないなんて、図体だけの木偶の棒かしら?立派な角ついてるけれど、栄養とられちゃってるんじゃない?」

 

 ナミはいきなり煽りやがった。おかげでピシっと空気が凍り付いたような感じになったぞ、軽い殺意出てない?

 

「んだこらぁあ?やんのか!!!」

 

「やっておしまいレンツ!」

 

 くっそ、絶対そうなると思った。俺は武器を抜かずに無手で相手することにした。あれだ、肉体言語だ肉体言語。



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