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The end of the world online ~不遇職・アイテムマスター戦記~  作者: 三十六計
第四章_立ち込める戦雲

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70_【閑話】反転

 話は、アヤセがシャウトメガホンを用いて奇襲部隊の襲来を警告する少し前に遡る。


 「何とか死に戻らなくて済んだみたいだな……」


 第一戦が終了し、インターバルに入って周辺が安全になったことを確かめ、ホレイショは一息つく。


 「しかし、お前さん達には随分と助けられたな。礼を言うぜ」

 「それはお互い様ですよー。僕もおじさんの援護がなかったら魔法を発動できませんでしたからー」

 「そうだぜ。オッサンがいなかったら俺らも危なかったしな!」

 

 三人は、ピランの攻撃をかいくぐりコーゾの魔法詠唱を阻止しようと突っ込んできた帝国兵をホレイショが、カットラスのポテンシャルで斬り捨てたことが縁でパーティーを結成し、以降、第一戦の終了まで行動を共にしてきた。即席ではあったが、前衛のホレイショとピラン、後衛のコーゾがそれぞれの長所を生かし、相応の撃破数も稼ぐくらいの戦果を上げていた。


 「おいおい、オッサン呼ばわりかよ! まぁ実際にそれくらい歳は離れているかもしれねぇが……」

 「オッサンはオッサンでも俺達は良い意味で言ってんだぜ? そんでよ、アンタ良い武器持ってんじゃねぇか! 敵兵を三人同時にぶった斬ったときはマジでビビったぜ」

 「そうそう、それー! 手数が多いから攻撃力以上のダメージが与えられるし、攻撃対象も増えるのは良いですねー。それって武器の特殊効果なんですかー?」

 「いいや、ポテンシャルだ。俺の相棒が付与してくれたモノなんだ」

 「ポテンシャルを付与? ってことは、オッサンの相棒はアイテムマスターなのかよ!?」

 「ああ、そうだぜ。……悪いか?」

  

 ホレイショは、職業がアイテムマスターである自身の相棒を軽んじて、ピランが大声で反応を示したのだと思い、目付き鋭く応じる。それに対し、コーゾが慌てて誤解を解くため補足を入れた。

 

 「そうじゃないんですよー、僕達にもアイテムマスターの知り合いがいるからびっくりしたんですー。その人も僕達の装備品に良いポテンシャルをつけてくれたんですよー」

 「俺のメイスには『ウェイブショック』というポテンシャルが付いててよ、これは衝撃がスリップダメージになるから打戦士の俺には、本当にありがてぇポテンシャルだぜ」

 「僕の外体防具にだって、木魔法効果が上がるポテンシャルを付けてくれましたー。とってもお世話になっているお兄さんなんですー。戦闘だって強いんですよー」

 「悪い、そうだったのか。しかし、お互い数が少ないアイテムマスターの知り合いがいるなんて奇遇だな。ちなみに俺の相棒も中々腕が立つぜ」

 「ひょっとしたら、その人ってー……」


 =周辺アナウンス=

 フィールドシャウトが発信されました。


 「おわっ!? 何だぁ?」

 「どうやら、誰かがシャウトしたようだな。ったく、戦争イベント真っ最中に何だってんだ?」

 「まーた、青星さんじゃないでしょうねー?」


 唐突にシャウトを告げるアナウンスが入ったことに三人は驚く。周囲のプレイヤー達にも同様に通知が発出されたようで、ところどころで戸惑いの声が聞こえてきた。


 『王国軍宛て伝令! 左翼八時方向より帝国軍奇襲部隊五千が接近! 至急掲げる連隊旗を基準に迎撃態勢を取られたし!!』

 

 「なっ!? この声ってまさか、相棒か?」

 「えっ? オッサンの相棒ってもしかしたら、アヤセって名前じゃねぇか?」

 「ああ、そうだ。人物像に類似点が多くて気になっていたが、やっぱり同一人物だったか。確かに相棒みたいな規格外のアイテムマスターなんて、そうそういなぇよな」

 「それはそうですが、それより今はシャウトの内容ですー! 左翼って今僕達がいるところじゃないですかー!このままじゃ、後ろから敵の攻撃を受けて大変なことになりますよー!」

 「だが、周りの連中は半信半疑な顔をしてやがる。おまけに高速思考AIを積んで指示が早いはずの傭兵隊長や他の指揮官がすぐに反応を示さねぇってのが気に入らねぇぜ」

 「まさか! 兄貴の言っていることを、デマカセだと決めつけてシカトすんじゃねーだろーな!」

 「僕は、お兄さんの言うことを信じますよー!」

 「俺も同じだが、もしかしたら、悪い予感が当たるかもだぜ。運のいいことに傭兵隊長はここからそう離れていないところにいる。今から様子を見に行く。場合によっては行動に移してもらうよう、談判をかけるぞ!」


 事は急を要する。ホレイショ達はアヤセが提供した情報を基に、速やかに奇襲に対する備えを取るよう傭兵隊長に具申するため、駆け出した。


 ==========


 ホレイショ達はさほど時間をかけず傭兵隊長がいる場所にたどり着いたのだが、そこには既に十人程度のプレイヤーが集まり、傭兵隊長達と押し問答を繰り広げていた。


 「時間が無いんだ! 早く命令を出せって!」

 「そうよ! アヤセさんが敵の来る場所まで示しているんでしょ? だったら、急いで行動に移すべきよ!」

 「みなさーん!」


 コーゾが集まっているプレイヤー達に声をかける。ここにいるプレイヤーは全員アヤセと星見の台地の東側斜面で共に戦った者達であり、コーゾとピランとは顔見知りであった。


 先ほど傭兵隊長に詰め寄っていた男性プレイヤーが、駆け付けた三人に状況を説明する。


 「コーゾとピランか! 今、俺達は傭兵隊長にアヤセさんのシャウトに従って動くように掛け合っていたところなんだ」

 「じゃあ、皆も兄貴に言っていることを信じてここに集まってんのか?」

 「そんなの当たり前じゃない。でも、この石頭達はアヤセさんのことを疑って動こうとしないの!」


 軽蔑の表情を浮かべた女性プレイヤーが、傭兵隊長と思しきNPCとそれを取り巻く士官達を一瞥する。

 ちなみに傭兵隊長はとてもではないが戦場を駆け巡り、味方将兵を鼓舞して戦えるようには見えない、神経質そうな顔つきでやせ細った男であった。


 「んだと! 兄貴のどこが信用できねぇんだよ!」

 「と、当然だろう! どこの馬の骨とも知れない一介の冒険者の降って湧いたような妄言など誰が信じるというのだ!」


 プレイヤー達が向ける白い目を意識しつつ、傭兵隊長は、精一杯威厳を出そうと尊大な態度を取り、ピランにわめきたてる。どうやら目の前にいる男は、見た目どおり神経質で小心者のようであった。


 「高速思考AIでもシャウトの真偽は分からねぇのか……」

 

 戦争イベントでは、NPC指揮官の思考を阻害するため、あえて情報の秘匿措置を取っているのではないかとホレイショは感じる。それが良い意味でも悪い意味でもNPCに人間性を持たせる結果になっているが、今はそれがただただ煩わしい。


 「最も、実際の場面では敵の策略を疑うことは当然と言えば当然だから、隊長さんの考えは分からなくもねぇ。だが、もし本当に奇襲部隊が後ろから襲いかかったら味方がどうなるか、アンタも想像くらいはできるはずだぜ」

 「我が軍は現在優勢だ。敵も後退している。このまま押せば勝利することができる。もしかしたら窮余の敵が時間を稼ぐために、ありもしない背後からの奇襲を騒ぎ立てているやもしれぬではないか!」

 「それでも最悪のケースを考えて動く必要はあるぜ。俺は、いや、ここにいる全員は、相棒の言っていることが本当だと思って、こうしてアンタに談判に来ているんだ。……追撃は他の部隊でもできる。今ここで動かなければ手遅れになるぞ! 俺達が頼れるのは隊長さんだけだ。せめて傭兵隊だけでも反転させて敵に備えるよう、命令を出してくれ! 頼むっ!!」


 ホレイショは脱帽して深く頭を下げながら傭兵隊の指揮官達に再考を切願する。熱意と誠意がこもった必死の説得に、プレイヤー、NPC問わず、頭を下げる水兵服姿の男のことを知っている者も知らない者も感心の目を向けるが、傭兵隊長はそんなホレイショを鼻で笑い、冷淡に応じる。


 「ふん、話にならないな! 情報源は、確かアヤセという名の冒険者だったか? そのような貢献が低い者のことを我々は全く信用してなどおらぬ!」

 「貢献だ? このクソハゲ何言ってやがる?」


 ピランがアヤセを侮蔑した傭兵隊長に毒づく。確かに兜をかぶらず頭部を露わにしている隊長の頭髪は一目で分かるくらい薄い。ピランのこれ以上無い的確な指摘に、その場にいるプレイヤー達は必死に笑いをこらえた。


 「おい、そこのドワーフ! 私はハゲてなどいない! それに、貢献は貢献だ! 我々のギルドに何の益をもたらしていない者の言うことは、与太話にもならないと言っているのだ!」


 顔を真っ赤にして叫ぶ傭兵隊長を尻目に、女性プレイヤーがホレイショに尋ねる。


 「……ねぇ、アヤセさんの冒険者ギルドの貢献度のランクって分かる?」

 「そうだな……。そのもの自体を聞いた訳じゃねぇが、アイテムマスターギルドの依頼ばかり受けて冒険者ギルドの依頼を受注しないから、ランクが上がらねぇって話は、以前聞いたことがあるぜ」

 「あー、やっぱり……」

 「どういうことだ?」

 「この傭兵隊長は、冒険者ギルドの事務職員なの。それで自分達が勝手に作っているモノサシで貢献度のランクの低いアヤセさんを値踏みして軽く見て、奇襲のことも対応する必要が無いって思っているワケ。まったく頭にきちゃう!」

 「んだよ、そりゃあ!」

 「シミュレーションゲームでもCOMはあまり利口じゃないってケースが多いが、こいつらもそれと同じか。いくら高性能AIでも不測の事態に対応できねぇのなら、ポンコツ同然だぜ」


 女性プレイヤーから語られた理不尽な仕様にホレイショとピランは憤慨する。最新であるはずのAIのお粗末な思考には呆れるばかりだが、このことは置かれている状況が深刻であることを物語っていた。


 「ギルドの貢献度のランクが発言力にリンクしているのは私も初めて知ったけど、これは結構まずいのよね。私達のランクも決定を覆せるほどじゃないと思うから……」

 「ああ。このままじゃ隊長を説得することができずに、時間だけ浪費して終わりってこともあるかもだぜ」

 「そんな……、僕達何もできないんですかー?」


 そう言い終わるとコーゾは絶句する。傭兵隊長に働きかけるにも貢献度のランクが不足していることが判明し、打開策も見出すこともできず手詰まりに陥っている状態に、周囲も静かになり諦観の空気が支配しつつあった。


 「…大丈夫。アヤセ氏はすぐに助けに行ける」

 

 ホレイショ達の話に突然割って入ったのは、二人の女性と一人の男性からなる三人組であり、そのうち女性の一人はクラン「蒼き騎士団」の幹部まかろんだった。この場にいるほとんどの者は、星見の台地の戦闘を通して面識があったので、彼女のことはすぐに認識できたのだが、他の二人は初めて見る顔である。


 「まかろんさん!? こんなところでどうしたんですかー? それで、あの、今日は青星さんとツルガさんは一緒じゃないのですかー?」

 「…うちの団員は皆敵を追いかけている。あたしは、アヤセ氏のシャウトを聞いて急いで引き返してきたの」

 「班長、この人達は一体?」

 「それに、俺達ここにいていいんスか? 青星さんやツルガさんは、あのアヤセって奴のシャウトはデマだって言ってたスよ。早くクランに合流した方がいいんじゃないッスか?」

 

 まかろんに対し、追随しているクラン「蒼き騎士団」の団員と思しき男女が声をかける。話の内容からどうやら彼女達は、クランの方針に反してわざわざここまで来たようだ。


 「あん? オメーらアホ星達の言ってることを真に受けてんじゃねーだろーな?」

 

 ピランの青星を貶すあだ名を聞き、二人は、一瞬ぽかんとした顔をするが、間を置かず同時に吹き出した。


 「プッ! 『アホ星』って……!」

 「アンタ、面白れぇッス! 青星さんのことをそんな風に言うプレイヤーがいるなんて、思わなかったッスよ!」


 二人の団員はまかろんに連れられて、不承不承この場にいるようだが、他のプレイヤー達と普通に接しようとする心構えは最低限持ち合わせているようだった。


 「おいおい、青星ってお助けプレイしている奴なんだろ。クラン内ではどう見られているんだ?」

 「さあ? 僕達が星見の台地で持った、イヤーな印象と同じなんでしょうねー?」

 

 ホレイショとコーゾが、広く人気者として認知されている青星に対し、同じクラン内に好感を持たない者がいることに驚き、所感を述べ合う。


 「…青星のことなんてどうでもいい。それより今はアヤセ氏」 


 話を元に戻すべく、まかろんは傭兵隊長に向き直る。


 「な、何だ小娘!」

 「…あなたが動かない理由は責任を負うのが怖いから。でも正しいことが正しいと分からず決断をしない人に指揮官の資格は無い」

 「何だと! 貴様の知ったことか!」


 歯に衣着せぬ物言いのまかろんに、傭兵隊長のみならずそれを取り巻く士官達も血相を変えるが、彼女はそんなことは意に介さない。


 「…左翼軍司令部から伝令を預かってきた。左翼軍は一部の部隊を反転、敵の奇襲に対する迎撃態勢を取る。それに伴い傭兵隊も反転せよ……って」

 「何っ!? 司令部からの伝令だと?」


 傭兵隊は正規軍ではないが、傭兵隊長にとって左翼軍の司令官は、組織上直属の上官にあたる。まかろんがもたらした伝令は決して軽視できるものではなかった。


 「だ、だが、その伝令の真偽をどう証明するのだ?」

 「…あたしの冒険者ギルドの貢献度ランクは『6』。どう? あたしの言っていることは信用できない?」


 貢献度ランク「6」は、王国内では文句無しでトップクラスに入る。まかろんのランクを聞き、衝撃を受ける傭兵隊長の姿を見るのは、ホレイショ達にとって正に溜飲が下がる思いだった。


 「ぐぬっ……!」


 傭兵隊長は苦々しい顔で黙り込む。その間、周囲をキョロキョロと見回し、他の部隊が慌ただしく行動を起こしている様子を目に収めてから再度口を開いた。

 

 「……傭兵隊、反転! 目標地点には誘導に従い移動する。急げ! 他の部隊に遅れるな!」


 思考ルーチンに難があるものの、一応は高性能AIである。一度決断が下されるや、瞬く間に命令が伝達され、行動に移されていった。


 「やったわ……!」

 「ああ、やったな!」

 

 一度は諦めかけていた、傭兵隊長への働きかけが上手くいったことに対し、集まっていたプレイヤー達は互いに顔を見合わせて喜びを分かち合った。


 「アンタのお陰で、相棒の警告が無駄にならずに済んだぜ。感謝する。俺はホレイショだ」

 

 ホレイショは、右手を差し出しながら謝意を表す。これに対し、まかろんは、ホレイショと握手を交わし言葉を返した。


 「…あたしはまかろん。お礼には及ばない。ホレイショ氏のお願いの仕方も良かったから」

 「そうですよね。話にスジが通っていたから、傭兵隊長の取り巻きの中には内心で共感した人もいたんじゃないですか? 命令が出た後の行動が素早いのもそれが一因だと思いますよ」


 「蒼き騎士団」の女性団員がまかろんの言葉を補足する。


 「そうか。それは知らなかったな。」

 「でも、どうして傭兵隊長は奇襲部隊に目もくれず前に進むことしか考えていなかったのでしょうねー?」

 「あー、それは、手柄が欲しかったからに違いないス。逃げる敵を倒して、戦功をたんまり稼いでギルドの発言力を上げたかっただけス。あいつ、前々からそんな感じだったッスから」

 「ケッ! そんなことかよ!」


 もう一人の男性団員の話を聞き、ピランが心底うんざりしたように毒づいた。


 「ま、ピランが言っていることも分からなくはねぇ。全く、AIに人間らしさを出させようとしても、こう欲にまみれた俗物にされちゃ困るってもんだぜ」

 「何にしてもあの『クソハゲ(笑)』を動かせたのは、良かったです! 左翼軍司令部も、貢献度ランクの高い班長だったら、命令が伝わると思って伝令を預けたのでしょうね!」

 「…そうかもしれないけど、決め手は他にあったのかも」

 「えっ?」


 女性団員が嬉しそうにまかろんを称えるが、彼女はそれに対し懐疑的な考えを示す。


 「…左翼軍司令部からの伝令は、ここに向かう途中にたまたま近くを通りかかった時に呼ばれて預かったのだけど、司令部の人達はアヤセ氏のことを前から知っていたみたい」

 「えっ? そーなのですかー?」

 「…あたしに伝言を託した人は、何故か衛兵隊の格好をしていたけど、その人が『アヤセ君の声はしっかり届いた』って言っていたから、そうだと思う」

 「でもよ、今回のシャウトって誰が発信したかってアナウンスが無かったから、司令部の連中だって兄貴だと分からねぇはずだぜ」

 「…多分、アヤセ氏が使ったのは、低性能のシャウトメガホン。確かにそれだと発信者は分からない」

 「だとしたら、不思議だな。何で司令部のお偉方が相棒のことを知っていて、それでいて信用に足る人物だとどうやって判断したんだ?」

 「…そう、とっても不思議。結果としてあたしは伝令を託されただけで、最終的に司令部を動かしたのはアヤセ氏ということになる」

 「何なんスか、アヤセって奴は? 青星さんとツルガさんがボロクソに言っていた『あの』アイテムマスターが軍隊まで動かしちまったって言うんスか!?」

 「おい、テメェ! 兄貴をディスるのは止めろ!」

 「止せ。不可解な点はあるが、今はそれよりもっと大事なことがある。……皆、聞いてくれ!」


 ピランを制したホレイショは、話に一区切り入れ、周りにいるプレイヤー達に呼びかける。そして、全ての目が自らに集まると居住まいを正し、口を開いた。


 「何はともあれ、事態は良い方向に動いている。さぁ、ここからが本番だ! 相棒が見せた気概に、今度は俺達が応えるんだ! 皆、気合いを入れて行くぞ!!」

 「………!!」


ホレイショが飛ばした檄に対し、その場にいる全員の表情が引き締まる。


 「…任せて」

 「よーし、頑張っちゃいますよー!」

 「兄貴、待っていてください! 必ず助けに行きます!」


 まかろん達はそれぞれ応じ意気込みを見せる。時間は刻一刻と過ぎていく。急いでアヤセの救援に向かうべく、全員反転を始めた傭兵隊に追随するのだった。



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