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The end of the world online ~不遇職・アイテムマスター戦記~  作者: 三十六計
第二章_深緑装備

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18/107

18_プロローグ

 アヤセから徹夜を控えるように言われていたが、マリーは、深夜になった今も手を休めず作業に没頭していた。


 既に三匹のテイムモンスター達は、部屋の片隅に置かれたクッションの中で寝入っており、起こさないように部屋の明かりは必要最低限に抑えられている。少しだけ開けられた窓から舞い込んだ深夜の涼しい風は、熱と空気がこもった室内を駆け巡る。マリーは顔を吹き抜けた空気の流れに気付き、ここに至って針を動かす手を止める。

 

 「もうこんな時間。少し休憩しようかしら」


 満腹度も40%になったため夜食にすることにする。献立は、黒っぽくて固いパンとホットミルクだ。


 「やっぱり白パンの方が美味しいわね。早くアヤセさんと一緒に白パンをもらいに行きたいなー」


 固いパンを食べながらマリーは独り言をつぶやく。マリーは、アヤセとの約束が待ち遠しくて仕方がなかった。


 「でもそれは、これを完成させた後よね。あの人のためにあともう少し、頑張らなくちゃ!」


 この晩、マリーの部屋から明かりが消えたのは、これよりだいぶ後になってからだった。



 大事な人を想い、一縫い一縫い紡がれる服は、一人のアイテムマスターに奇跡をもたらす。

今回は短いので続いてもう一話投稿します。

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