108_百足坑道③
アヤセ達が坑道に駆け戻ると、既に各所で戦闘が展開されていた。
壁面の至る場所に穴が開き、そこから無数のモンスターがわらわらと進入してくる。
モンスターは一様に身長が百四十センチメートルくらいで二足歩行をして、手には粗末な剣、斧、槍に弓矢、それに少数ながら呪文を扱う者もいるようで杖を持っている。全身毛が無く、不気味に光り輝く大きな赤い瞳、暗い紫色の色合いのつるつるした皮膚をしており、下半身のみぼろぼろの防具で武装していた。
「クソッ! 『ダークネス・スカウト』共め! どこから現れやがった!?」
鉱山労働者達は、当初手に持ったつるはしやスコップ等で応戦を試みるが、すぐに数で圧倒され今や逃げ出すのに精一杯だ。そうこうしているうちに、数人が逃げ遅れ包囲されそうになる。
「【ウィンドボール】!!」
「【アイスウェイト+】!」
ノエルとシアンの魔法が、ミシェルの父親を含む鉱山労働者の一団に襲いかかろうとしていた多数のモンスターを圧し潰し、残りをアヤセのプリス袖に巻き付けた鎖鉄球が薙ぎ払った。
「これで大方片付いたか?」
「ああ。だが、おそらくこれは第一波だ。すぐに後続が来る」
「あんた達、助かったぜ!」
危機を脱したミシェルの父親がアヤセ達に礼を述べる。
「無事で何よりです。ところでこのモンスター達は、一体?」
アヤセ達は何度も坑道周回をしてきたが、今まで出くわしたのは、ナメクジやクモ、ヒル等といった所謂不快害虫型のモンスターばかりで、二足歩行をするモンスターは初めて見る部類だった。
「ああ、奴等は『ダークネス・スカウト』って言う地底を根城にする種族だ。どうやって生活をしているか知らないが、掘削をしている時にたまに奴らの住処を掘り当てちまうことがあるんだ」
「その種族は冒険者ギルドの資料で見たことがあります。大陸南部の洞窟等の日光が届かないところに住んでいる、ノームの一種です。単体ではそれほど強くないようですが、ゴブリンのように大規模な群れで生活しているので数が多くて相手をするのが大変だそうです」
シアンが鉱山労働者の説明を捕捉する。
「ってことは、この辺りは南部になるのか? いや、そんなことよりもあいつらの特性だ。何か弱点とかあるのか?」
「同じ資料では、生物系共通の弱点である炎系ダメージが基本的に通りやすいと書いてありました」
「だが、坑内では火は御法度だぜ。俺の銃だって使えねぇんだ」
「ええ、ですからこの戦闘は苦労しそうです」
「火が使えないのだったら、別の物で対処するまでだ。取り敢えずここは敵の出現地点に囲まれている。今は後退しよう」
アヤセの提案にその場にいる者達はすぐさま現状を認識し、敵の出現地点から遠ざかるため駆け出す。
しかし、その動きを追うように先ほど敵が出現した際と同じような地鳴りが坑道内に鳴り響く。そしてそれを合図として穴という穴からダークネス・スカウトの集団が奇声を上げ再度姿を現した。
「第二波か。先ほどより数が多いな」
アナウンスによると敵の数は四十体。小柄で比較的軽装なダークネス・スカウトの走る速度は、怪我人が含まれる鉱山労働者を護衛しながら後退しているアヤセ達よりも格段に速く、その距離をどんどん詰めてくる。
その動きに対応して、アヤセが釘粘土を撒いて敵の減速を図ろうとするが、踏み抜いた先頭列のみの動きが鈍化したものの、それを追い越して後続が迫ってきた。
「足止めは難儀しそうだぜ」
「だけど敵の足並みは乱れている」
インベントリから「黒雨の長弓」を取り出しつつ、アヤセはホレイショ達に向けて力強く決断を告げる。
「自分達はここで迎撃する! 遠距離戦用意!」
「おうっ! お前さん達早く行きな!」
鉱山労働者を促して退避させる一方で、ノエルとシアンが魔法発動の詠唱を始め、ホレイショがスリングショットを取り出し、ナーカが短剣を構える。敵は坑道の広さを生かすことなく、直近の獲物をせん滅することに狂奔して一塊にアヤセ達に殺到してくる。習性なのだろうが分散せず密集しているのは好都合だ。
「全員の攻撃ダメージを累積させて、先行してくる敵を仕留める。スキルは範囲攻撃系を優先!」
アヤセは『黒雨の長弓』に矢をつがえ弦を引き絞る。先行してきた相手をこの斉射で一体でも多く消し去るためには、できる限り敵を引き付けることが肝要である。皆もその意図は承知しており、発動態勢を整えてじっとアヤセの号令を待っている。
ほどなくして、三十体程度のダークネス・スカウトが奇声を張り上げ、アヤセ達までおおよそ二十メートルの距離まで押し寄せる。今が反撃の好機だ。
「放てっ!!」
=パーティーアナウンス=
アヤセがスキル【連撃速射】を発動
ホレイショがスキル【早打ち+】を発動
ノエルがスキル【レッサーストーム】を発動
シアンがスキル【ブリザードグラベル+】を発動
ナーカがスキル【エアエッジ】を発動
それぞれが放った無数の矢弾と魔法が乱れ飛び、ダークネス・スカウトの集団に一斉に襲い掛かる! 敵は密集体制が徒となり、攻撃を食らい次々と悲鳴のような甲高い声を上げて斃れる。敵に大きな損害を与えるのには十分な斉射だった。
「残りも片付ける! 前進!」
連撃をかけるべく五人は釘粘土を踏み抜き、のろくさい動きでその場でもたもたしている残敵に向かって、それぞれの武器を構えつつ、横一列に歩調を合わせてゆっくり歩み寄る。これに対し、ダークネス・スカウト達は先行した仲間が思わぬ反撃によって討ち果たされたことに統制が乱れ慌てふためき後退すらできずにいる。
「今度は単体を確実に仕留める。各自、準備でき次第攻撃!」
アヤセの指示のもと、各々射撃が開始される。アヤセも「黒雨の長弓」につがえた矢を引き絞り淡々と放つ。確実に狙った敵にダメージを与えるため、ダメージムラの出やすいスキル【連撃速射】の発動を控え、通常攻撃扱いの射撃に切り替えていたので一撃で敵を倒すことができなかったが、討ち漏らしはホレイショとナーカが追撃を加えて処理した。
ちなみに五人の中で後続の敵を最も効率的に倒したのは、ノエルだった。彼女のスキル【ウィンドバレット】は、弾丸状の空気の塊を高速で当てる単体攻撃特化の風魔法スキルで、初級魔法ながらも本人の高いステータス値も相まって、時には被弾した敵の胴体を貫通して後ろにいる敵までダメージを及ばせ、複数体を一度に始末することもあった。
「こんなに早く終わるなんて……。ノエルさんって凄い!」
「さすがノエル嬢だぜ。これで第二波も片付いたな。だが、これで終わりじゃねぇだろうな」
「ああ。第三波がすぐにでも始まると思う。今のうちにバフを付けておくべきだろう。ホレイショもこの際苦手とは言わずこれを食べてくれ」
アヤセはそう言いながらインベントリからフルーツタルトのホールが載った皿を取り出し、ノエルに手渡した。
「ジュイエ先輩のフルーツタルトですねぇ~。 シアンさんとナーカさんもど~ぞ!」
「このタルト、バフが付いている? ポテンシャル……?」
「ポテンシャルは先輩が付けたのですよねぇ~」
時間が差し迫っている中、移動しながらタルトが盛られた皿からピースを手に取り、各員は慌ただしくタルトを口に運ぶ。得てしてそれがつかの間の小休止となり、そのような中、アヤセ、ホレイショ、ナーカが今後の展開を話題に会話を交わした。
「次はどのくらい敵が出てくるのでしょうか?」
「さぁな。だが、さっきより減るということなねぇだろうよ。かなり厳しくなりそうだぜ」
「でも先ほどのように、地鳴りとかがすぐに起こらないのは何故でしょうか?」
「例えば次の攻勢が強大ですから、準備期間として猶予が設けられているのかもしれません」
「『嵐の前の静けさ』ってヤツか」
「そんな……。私達だけで大丈夫でしょうか?」
「準備の時間が与えられているということが、考えようによっては好都合かもしれません。それまでにできる限りのことはやれそうですから」
先行きに不安を募らせるナーカを励ますようにアヤセは声をかける。ノエルに渡した皿とは別のフルーツタルトを、ワンホールまるまる誰よりも先んじて食したアヤセは、移動しながらも行動に移っており、せっせと周りに転がっている鉱石のかけらや土くれをインベントリに収納していた。
「あの、アヤセさんはどれだけ食べたのですか?」
「駄目だっ! 考えちゃいけねぇ! 見たら胸やけしちまうぞ!」
「ナ、ナーカさん、ホレイショさんの言う通りよ。それで、アヤセさんは何をされているのでしょうか? 石や土を集めているのは、何かしらの準備をしていると思っていいのですよね?」
シアンがアヤセの甘味に対する度を超えた趣向に気付きつつも、努めてそれを思考から追い出し、アヤセが現在手を付けている作業について尋ねる。
「ええ、自分の持ち合わせの粘土と合わせて防壁と誘導路を作ろうと思います」
「防壁と誘導路? 結構大掛かりになりそうですね……。私達に作れるのでしょうか?」
「時間次第ですが、幸いにして材料は足元に転がっていますし、最低限何とかなりそうです」
「そ~いえば先輩って『星見の台地』で大きな土の壁を一人で作ったのですよね。まかろん先輩もびっくりしたって言っていましたよ~」
「えっ? そうなのですか!?」
ナーカが素っ頓狂な声を上げ、驚きを見せる。その様子はノエルの言葉の意味を理解できないと語っており、そのことはシアンも同様だった。
「まぁ、理解の範疇を超えているかもしれねぇが、ノエル嬢の言っていることは額面通りだぜ。それを聞くと今回もやれそうな気がするだろ? だから俺達も石や土を集めて相棒の手伝いをするのは無駄なことじゃねぇぜ」
「そうですね。そう思います。……私も、アヤセさんからもらったお菓子で元気が出ました! 壁作り、頑張っちゃいましょう!」
当初は不安を見せていたシアンとナーカも、アヤセとホレイショの話を聞き、気を取り直して回収作業を開始したのだった。
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坑道内に再び地鳴りと振動が起こり、第三波の襲来が告げられる。そしてそれと同時に穴という穴からダークネス・スカウトが次々と湧き出てくる。その数は出現から僅かな時間しか経っていないにも関わらず、既に第二波のそれを遥かに上回り、おびただしい数の紫色の人型モンスターが気味の悪い奇声を発して押し寄せてくる光景は、正に見る者に怖気を震わせるものだった。
その様子を静観するアヤセ達は、突貫で積み上げた土台の上で敵を待ち受けている。この台は五メートル四方の方形型で高さが二・五メートルほど、簡素ながらも胸壁まで備え付けており、小柄なダークネス・スカウトがそう簡単によじ登ることができないようになっている。限られた時間の中でできることはそれほど無かったが、大群で押し寄せる敵に対し、優位な位置取りで戦闘を展開する算段を整えることができた。
また、アヤセはその他土台以外にも土台の四隅のうち、二つの角から裾野が広がるように土を積み上げ、また、土台の真正面に少し間隔を空けて縦長の壁を二列作り上げていた。まるで漢字の「界」の字を上下逆さまにしたようなかたちの防護壁は、誘導路として機能させることが狙いであった。
「モンスターは、直近にいる者や最後に攻撃を加えた者を標的にする傾向があります。ここから狙撃をすればこの土台目掛けて向かってくるでしょうが、前方や斜めに設置した壁に沿わせて自分達の正面に集中させることが狙いです」
そう説明しつつ、アヤセはノエルへ目で合図を送る。一方のノエルもアヤセの意図を汲み、弾むように頷いて了解の意を示し、すぐさま呪文を詠唱してスキル【ウィンドバレット】を打ち出す。
敵との間隔はまだまだ離れていたが、高速の空気弾丸はそれをものともせず先頭を走っていた敵の胴体を貫き、おまけに被弾した敵の真後ろにいた二、三体に突き刺さり消滅させた。
「よし、上手く釣れたようだ」
「奴ら、ノエル嬢に狙いを定めたな。全員こっちに突っ込んできやがるぜ!」
「左右に広がっていた敵も壁沿いに移動してきているから、私達の正面に集まってきています。壁がイイ感じで機能していますね!」
「ああ。囲まれること無く一辺にだけ集中できるのは大きな利点だぜ」
「そうですね! 私は【エアエッジ】を打つよりMP回復薬をノエルさんとシアンさんに渡す方が良いと思うのですがそれでいいですか?」
「ええ、お願いします。流れ弾には気を付けてください」
揚々として迎撃に加わるナーカの様子を見守りつつ、ホレイショがおもむろに尋ねる。
「おい、敵の襲撃は凌げそうか?」
「ある程度は。敵の出方次第では時間が経つにつれ厳しくなるかもしれない」
アヤセの予想通り、出だしはノエルの魔法を中心とした各員の奮闘やアヤセの防護壁により上々だった。
しかし、敵を射程に捉え次第遠距離攻撃を行い、かなりの数を減らしているものの、その数が極端に多く攻勢が弱まることは無い。実際両者の距離はじりじりと着実に狭まっている。ダークネス・スカウトの大群が土台の壁面にとりつくのは時間の問題だった。
「ノエルやシアンさんが頑張っているが、いかんせん数の差を覆すのは難しい」
「ああ。こうも敵の数が多いと削るのも大変だぜ。一体どんだけいるんだよ?」
「初めは七十体くらいだったと思うが、観察する限り一定数を倒すとその度に穴から増援が現れるようだ」
「なっ!? 倒しても、倒しても新しいのが出てきたらキリがねぇ! 対処の方法はあるのか?」
「あそこに他より体格の良いダークネス・スカウトがいるのが見えるか?」
アヤセがつがえた矢で指し示した先には、他の個体より二回りほど上背があるダークネス・スカウトだった。最後方で少人数の護衛を従えて督戦するかのように腕を組んで仁王立ちする姿は遠くからでもよく目立つものだった。
「おそらくあれが大将で、あれを倒せば群れの統率が乱れる可能性がある。根っこは『千本松原海岸洞』にいた蟹のボスと同じだろう」
「確かに、ひときわ目立つガタイの奴が一体だけいるとなるとその線が強いぜ。……どうすれば良いかは分かったが、あそこじゃノエル嬢の風魔法も届かねぇぜ」
「手立ての一つとして、敵をなるべくこの丼ぶり底のような土台正面に誘き寄せ、大将の取り巻きを薄くして、その隙に壁を回り込むことが考えられる」
「要は斬り込みか」
ホレイショはシアンにMP回復薬を手渡しながら、語られた「有効な手立て」について考えを巡らせるが、その提案はアヤセが覚悟をもって出したものであるということを察した。
「その斬り込みはお前さん単独でやるつもりだな?」
「敵を必要以上に倒し過ぎると大将の周りに増援が湧くので、数のコントロールが肝心だし、引き付けるにしてもその間土台にいる防御力に不安が残る面子を守り抜かなければならない。……『本陣』を、そしてノエル達のことを頼めるか?」
「当然だろ。任せろっ!」
アヤセとホレイショは視線を交わし、そして頷き合いその意思を確かめあった。
「皆聞いてくれ。これから方針を変更するぜ。魔法の発動は控えめにして敵を生かしたまま土台に引き付けるんだ」
「えっ、ど~してですかぁ? ノエル、まだ大丈夫です!」
「倒してもその分増援が出てくる。後方にいる背の高い親玉を倒さなければ第三波は終わらない」
「つまり、敵を生かしてこちらに引き付けて、相手のリーダーとその他を分離する必要があるとアヤセさんは考えているのですね?」
「そのとおりですシアンさん。壁の裏側を回り込んで自分が斬り込みをかけます。皆さんは大群を生かしたまま土台の防衛を任せることになり、厳しい戦いを強いることになりますが……」
「そ~いうことでしたら、ノエルは先輩を信じますっ!」
「私もアヤセさんの作戦に乗るのが最良だと思います」
「私もっ! ここが頑張りどころですね!」
ノエルが誰よりも早く作戦に対する支持を声高に表明し、シアンとナーカも同意を示す。ホレイショに提案した際もそうだったが、各員に多大な危険と負担を求めることになる自身の立案を全幅の信頼をおいて受け入れてくれたことがアヤセにとって非常に有難かった。
「皆さん……。ありがとうございます。念のため『奥の手』をホレイショに預けておきますので、敵の対処が手に余るようでしたら活用してください」
「『奥の手』、でしょうか?」
「はい、単純な方法ですが効果は期待できます」
「使うタイミングは俺で判断する。何とかそれで凌いでみせるぜ」
そう言いながらホレイショは迫りくるダークネス・スカウトに目を移す。損害をものともせず遮二無二進んでくる大群はそう時間をおかず土台に殺到するだろう。タイミングを考えるとアヤセは早くこの場を離れたほうがいい。
「さぁ、早く! こっちは任せておけ! 生きてまた会おうぜ、相棒!」
「ああ、頼んだぞ。皆さんも気を付けてください」
アヤセは先ほどホレイショとしたようにノエル、シアン、ナーカと顔を見合わせ頷き合うと土台を飛び降り、壁沿いに敵の親玉がいる坑道奥を目がけて駆け出していった。
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「衛兵やプレイヤーは応援に駆けつけてくれねぇのかね」
そうぼやきながら、仲間の身体を踏み台に土台をよじ登ろうとしていたダークネス・スカウトの頭をカットラスの柄頭で殴りつけ叩き落す。この場から離脱した鉱山労働者が坑道内にいる衛兵やプレイヤーに事態を伝えて応援を要請していないかと期待をしていたが、戦闘が開始されて結構な時間が経つのに、その兆しが見えないことから望みは薄そうだった。
「敵がどんどん壁に張り付いています。数を減らさないように落とすには結構神経を使いますね」
魔法杖から長剣に得物を持ち替えたシアンが、刀身の平の部分でホレイショが先ほど行ったのと同じ要領でダークネス・スカウトの頭を打ってはたき落とす。今のところ敵は壁面を登ることだけに執着し、大部分は土台上のホレイショ達に直接攻撃を加えてこないが、後方にいる敵が対処に忙殺されている隙を衝いて弓矢や投石や魔法を時々打ち込んでくる。一発二発程度では致命傷には至らないが、何発も食らうことによるダメージ蓄積は軽視できるものでは無かった。
「クソッ! チマチマとセコい攻撃してきやがって!」
「アヤセさん本当に大丈夫でしょうか? 送り出しておいて何なのですが、『あの』アイテムマスターだと敵リーダーと戦うのは少し荷が重いように感じますが……」
アヤセの作戦を受け入れたものの、未だアイテムマスターに対する先入観を捨てきれないシアンは、その実力に対する懸念を率直に打ち明けるが、ホレイショとノエルはそんな彼女の不安を取り越し苦労に過ぎないとばかりにあっけらかんと応じる。
「大丈夫だろ。それよりも俺達がポシャらないようにしなければならないぜ」
「ど、どうして、それほど信頼することができるのですか?」
「だってぇ~、先輩はすっごく強いんですから~」
「で、でも……」
「信じられねぇのだったら、まぁ、見てみな。……さすが相棒だ。絶妙なタイミングだぜ」
ホレイショは顎で坑道の奥を指し示した先には、丁度壁の陰から躍り出たアヤセがダークネス・スカウトの大将目掛けて斬り込むところだった。
新年あけましておめでとうございます。
正月も投稿は通常通り行います。引き続き本作の御愛読のほどよろしくお願いいたします。
本年も皆様にとっていい年でありますように。




