あれから……
ラキが目覚めぬまま、私は、新しい村で村づくりに励んでいたんだ。
とは、言い訳で、辛くて逃げたと言うのが正直なところさ。
「おーい、ライルさんにお客さんが来たど~」
モール達がいないんで、村の残った男達で交代で門番をするしかないのさ。
「ウィグ、ありがとう」
走って行けば、馬に乗ったベルナップ隊長自らが訪ねて来たようだった。
「ライル! 来ちゃたよ」
白馬と共に近づいてきた隊長の足下には、岩の塊がゴロゴロと転がっていたんだ。
隊長一行は、魔樹との激闘を物語るように、装備は、ボロボロで酷い有り様だった。
隊長の『舎弟』の小粒が、成長する訳だ。
「よく、ここまで来れたな」
「少し、後悔したよ。それより、何か食べさせてくれないかな」
従者のルーミスでさえ、座り込んでいる。
そこに、丁度、ハーストが駆けつけてくれたんで、ニーアに世話を頼んでもらったよ。
ハーストは、あの日、巨大化したディミトリに恐怖して、すぐにネビルを救いに行ったそうだ。
騎士だな。
ニーア達と協力して、村人達を連れて山に避難していたそうだ。
頼りになるリーダーだよ、アイツはさ。
*
それで、ダングルやエンテ婆さんから、根気強く事情聴取をしてわかった事をベルナップに報告したんだ。
この世界の雫石を崇める信仰を利用して、エンテ婆さんは、ベルナップの義理の兄さんを取り込んだらしい。
やはり、ダングルは、駒としてベルナップの元に送られた刺客だったようだ。
しかし、驚く事は他にもあって、婆さんは、Y星系にあるΩ星の出身だそうだ。
Y星系は、巨大企業の中枢星域なんだよな。
だから、ラキは、雲の上の人の子供だってことだよ。
『フゥ、もう、二度と会うことはないんだろうな……』
『K』と名乗った上皇人からは、今回起こる筈だったチグモセによるこの世界の消滅計画を説明されたんだ。
何でも、私がいたイエット惑星は、この世界の惑星と双子星だったらしい。
それが、少しずつ接近している事がわかり、この先の衝突を避ける為に、こちらの惑星の消滅が承認されたそうだ。
何とも酷い話しさ。
ところが、イエット惑星にいたハイアット王が狂気の行動を起こして、世界には、恐ろしいガスが充満してしまい、生物が住める状態ではないそうだ。
それにより、計画が中止に決まり、イエット惑星の消滅が承認されたと。
それからは、知っての通り、いち早く、『K』が駆けつけてくれて、ラキは助かったんだな。
レンフルのベストの端切れ解析も、イエット惑星製品と表示していたから、嘘はないんだろう。
「それより、これからどうするかな……」




