ディミトリと対決
「ぅ~ん、やあっ!」
また一度光ってから点滅している。
「まるで生きているみたいだなあ」
ラキの叫びで、テッテケテー達がかなり霧散して消えたんで、何となく言ってみた。
「あ、ぅん」
「うん?」
「温かい、返事するぅ」
嬉しそうに見せてきたぞ。
「ええーーっ!」
「ライル!」
私が驚いている後ろから、ディミトリの奴が電撃を食らわしてきた。
が、万能スーツが仕事をして、下に流してくれたので何ともない。
「ディミトリ、ラキを連れ去って何をするつもりだったんだ?」
「ああ? 俺様の魔法が効かないってか。チッ、つくづくやりづれえなあ」
「答えろよ!」
「ライルゥ……」
不安そうだが、私は手で、ラキを少し下がらせた。
「ラキは、テッテケテーを退治してくれ。後は、モーラを呼べ」
視線を外さない私に問答無用で、ディミトリの奴は、足払いを掛けてきたんだ。
避けずに受けてやる。
ガツ。
「ってぇな。全身鋼かよ」
立ち上がって飛びすさり、右足を振っている。
「今度の事は絶対に許せない」
ディミトリを睨めば、「いいじゃねぇか。かかって来いよ」と邪悪な笑みを浮かべている。
多分今まで、お互いに手加減していたのかもしれない。
殴り合った瞬間、床が崩れ落ちた。
ラキを庇う間もなくディミトリから拳や蹴りが入り、防御すれば衝撃波が生まれる。
が、力じゃこちらも負けてはいない。
無理に掴んだ腕を引いて、地面に叩きつけてやった。
顔面を打ちつけた筈が、ペッと血を吐いた後に、なんと! 足下を凍らされてしまい動けなくされてしまったんだ。
「お前……」
「フン、やっぱりな」
「やっぱりなって、今まで隠していたのか?」
「めでてぇ頭だな。固くて力には負けるが、凍らせちまえばこっちの勝ちだ」
確かに、万能スーツのお陰で、私の足は一定の体温を保たれてはいるが、靴の周りを溶かす事は出来ない。
『不味いぞ』
この世界に来てから、初めての敗北になるのかと焦りを感じたぞ。
「ハァッハッ、見下していた奴に負ける気持ちはどうだ? ああん?」
「見下していた? 違うな。私は、やれば出来る事をしないお前にずっとイラッとはしていたがな」
「それが、上目線だってぇの。あんただって、ガキがいなきゃただの不良じゃねぇか、ああ?」
「いや、まあ、そうだが、それが悪いのか?」
「ああ? 男としての誇りはねぇんか、この、オッサンが!」
私には、ディミトリがいったい何にイラついているのかが、さっぱり分からなかった。
「この際だから、言いたい事を言えよ。ディミトリ? いや、トールは最初からいないのか?」
動揺を見せたディミトリの隙をついて、自分の足下の氷を砕いてみたぞ。
ガシャン。
「なんだ、壊せるのか」
「汚ねぇぞ、ライル!」
『これは、距離をあけたら不味いな』
そう考えたが、怒ったディミトリが向かって来てくれたんで、返り討ちにしてやったさ。
地に伏したディミトリの背を足で押さえて訊いた。
「何故、ラキを狙う? 答えろよ」
「認めねぇ、認めねぇ! 俺様が負けるなんぞある訳ねぇ」
グクッと足に力を増してやる。
「いい加減、人の話しを聞け」
「ウグゥ……」
潰れそうな呻き声を出すもんだから、ラキが止めに来たぞ。
「ライルゥ、許してねっ、ねっ」
「ラキ……」
目をぎゅっと閉じて必死だな。
その跳ねた髪をポンポンとしてやり「ディミトリ、次にラキに何かしたらその時は……」
それだけ言って、私は、足を外した。
最後まで、ディミトリとは会話が出来なかったなと考えていると、何処かから刃物が飛んできて、それはラキに当たった……。




