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交流

 楽しく食事を囲めば、口も弛くなる。


 ラキとマァルは、若者達に遊んでもらえて大はしゃぎしていた。



 『ラキ達は、何処に行っても可愛いがられるのになあ……』


 結局、お土産にしやすい屋台で食べる事に決まり、唯一のテーブルがある広場に陣取った。


 若者にそれぞれ硬貨を渡したら、手分けして買い集めたらしく、パンまであるみたいだ。


 「私は、ライル。あの子がラキだ。肩揉怪獣(モミミン)はマァルな」


 「俺は、リーダーのハースト」


 「ファント」


 「ロウリ。間違うなよ」


 「福福鳥(ポッポー)を買ってきたのは、僕、シェイだよ」


 「……ネイビ」


 「最後の俺様がチェイフィー様だあ~」



 『仲が良いみたいだな』


 「俺とネイビ以外は、本当はこの町で仕事をしたいんだ」


 ハーストは、仲間の代わりに教えてくれた。


 「でも、保証人がいないんだろう?」


 「それもある」



 『この世界でも一緒か』


 「私で良ければなってもいいけどな?」


 「あんただって孤児じゃないか。それに、言っただろう? ろくでもない親がいるって」


 「その、自分の親が迷惑をかけるのか?」


 「迷惑なんてもんじゃない。アイツらは、俺達の邪魔をしながら、全てを取り上げていく、外道以下の存在だよ」



 「ハーストとネイビが離れたいのはそういう事なのか?」



 「あんたが知ったところで、どうにもならないんだから、放っておけよ」




 『自分から話したくせに……』


 「それでも、どういう訳か、人脈はあるんだけどなあ?」


 「孤児なのにか? 嘘つくんじゃねぇよ」


 ハーストは、期待するのが嫌なようだ。


 それにしても……。


 「わっ、その言葉は止めてくれないか? 嘘じゃないよー」


 振り返って後半は、ラキに言ったんだ。


 やっぱり、ジッとこちらを見ていたぞ。


 「ご馳走してくれた事には、礼を言うけどさー、ライルは、ディミトリの仲間なんだろう?」


 ハーストの肩に手を掛けたシェイが訊いた。


 「仲間と言うか、ディミトリの親から脅されて、捜していたんだよ。だから、これから連れ帰るところなんだよ」


 「じゃあ、仲間じゃないのか?」


 猫目のロウリは、面白がっている。


 「それが、一緒に旅をして、まあ、沢山迷惑を掛けられてはいるが、協力もしてもらったからな」


 「ふーん。旅をすれば、協力するのは当たり前だろう?」


 ハーストは、両肘をついて不貞腐れている。



 『それにしても、近頃の若者は、生意気だな』


 「それで、ハーストとネイビは何がしたいんだ?」


 「俺は……」


 ハーストは、躊躇っているのか?



 「ネイビと俺はこの町から出て旅をしたい」



 『どうやら、それが本音らしい』


 「そうか、わかった。ディミトリを引き取ったら、また連絡するよ。何処に行けば会える?」


 「何の為に?」


 プイッとされてしまった。若者は難しい。


 「また、食事をご馳走させてくれよ」


 「なら、ここに集まればいいんだろう?」


 「じゃあ、明日な」



 『大棚の主人が駄目なら、隣り街のスダンがいるか……頼んでみるかな』




 大棚の店に戻れば、荷運びは終わって買い付けの者達で賑わっていた。



 『トールのオッサンは、どうなったかな』


 勝手に店の裏側に行こうとしたら、主人に着いているやせ細って顔色の悪い秘書(?)に、呼び止められて中に案内されてしまったのさ。


 マァルが、止める間もなく飛び移ったから、秘書もビックリだよ。


 「すみません、マァル。こっちに来なさい」




 「うっ、そこ、そこはフー」


 そう言ってフニャフニャになってくずおれた。



 「フニーフニー」


 マァルがリズミカルに肩を足踏みして、薄くなっている頭に猫パンチ。



 『どうやら、肩こりが酷くて頭痛もするタイプなんだな』


 この後、マァルは、秘書から宝石をプレゼントされて、プロポーズを受けるみたいになって迷うんだけどな。



 『あれ? そう言えばマァルって雌だよな?』


 秘書の人を担いで、前回案内された部屋に入ってみた。


 「遅いぞ、早く座れ」


 中には、ご主人のケッセラーが座っていて、その隣りには、顔の変形したディミトリらしき人がグッタリして凭れていた。



 「あ~、トール大丈夫?」


 ラキの小さな手で触られても痛いらしい。


 「わー~、止めろ止めてくれー。ワシが悪かった」



 『凄い人だな。誰にも謝った事のないトールのオッサンを改心させるなんてな』


 「ラキ、隣りに来なさい」


 「はい」


 「ラキ、言葉を教わったのか?」


 「はい。エド先生です」


 「そうか、お前さんは素直だから成長が早い。で、リーデル。なんだ、その、だらしない格好は」


 私の、もう片側に座り込んでしまっている秘書の頬が上気してピンク色だった。


 「ありゅじ、ふみましぇん」


 「肩揉怪獣(モミミン)が相手じゃな」


 リーデルの肩こりは、主人のケッセラーも知っていたんだな。

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