コンシーナの街
「おお、ベル、よく戻った。ほお、数ヶ月会わないだけで見違えたではないか」
*
カンツールの街の奥には、更に拓かれた街があって、そこが、コンシーナ街、領主が住む街だそうだ。
双子みたいに、同じような街が二つ繋がった造りなんだと。
そこにもちゃんと衛兵がいて、通るにはきちんとした身分証が必要だった訳さ。
『こんなところで、大棚の主人に頼んだ身分証が役に立ったな』
「ライルは、アルセルゴの町のケッセラーと親戚なの?」
「あのご主人は、ケッセラーって言うのか」
「知らなかったって、まさか、これ偽造じゃないよね? それとも拾ったとか?」
「お前が、私達の事をどう思っていたのかこれでよくわかったぜ」
以前のベルナップなら、慌てて否定していたと思うが、今は違う。
「信頼しているに決まっているでしょう? こうやって、お祖父様にまで会わせるんだからさあ」
「お前、何か可愛く無くなったよな」
「そんな事ないでしょう?」
ラキは、私の隣りでニコニコしている。
ヴィッカース家の馬車で、領主の住む館に向かっているところなんだ。
馬車から見た景色は、山や草原のあるカンツールの街とは比べ物にならないほど拓けていた。
「あ~、しろ~」
「本当だ。真っ白な石畳だな」
検問所を抜けたら、別世界が広がっていた。
「あの塔で採掘した物をここに使っていたのか」
「よくわかったね。綺麗でしょう。石には、変わった模様が描かれていて、いつまでも眺めていられるよ」
ベルナップは、うっとりとコンシーナの街並みを眺めている。
「やっぱり、領主になるつもりか?」
「そうだね。ライル達のお陰で『幻獣の力』を手に入れられたから、憧れのこの街を僕のモノにしてしまうのも有りかな」
「お前、本当にベルナップか?」
「他に誰だって言うんです?」
「トールのオッサンみたいな暴君の片鱗」
「酷いよライル、片鱗ってさあ。何だか格好よくない!」
何もしていないのに、着いて来ようとしていたトールのオッサンは、今頃、大人しくしているのかどうか。
馬車を降りた目の前には、ゴージャスな白亜の宮殿が聳えていた。
「立派だな~」
「あ~、りぱりぱ」
ラキがピョンピョン跳ねている。
上位世界で見た大使館は、屋根が玉ねぎみたいに丸くて尖っていたが、こっちのは四角いな。
「雨が降ったら、ここはどうなるんだ?」
家令に案内された中は、壁自体に彫刻が施されていて、3Dのように飛び出て見えるから驚きだ。
「ここでは、水は貴重ですから、全て地下に貯めているのでございます」
家令が教えてくれた。
「へぇ、すごいな」
ラキは、周りの壁の彫刻に圧倒されているからか、緊張して脚にしがみついている。
「お祖父様!」
「おお、ベル、よく戻った。ほお、数ヶ月会わないだけで見違えたではないか。これは、『幻獣の力』とやらのお陰なのか?」
大広間のような吹き抜けには、光沢のある白いチュニックを着た、顔中髭だらけの領主が立っていた。
世界観を出してみました。
ふわりは、右・右脳人間なので言葉が足らず、皆様を不快な気分にさせていたら申し訳ない。といつも思っています。m(_ _)m
読んで下さって有り難うございます。゜+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゜




