任された二パーティー
西の砦に出る魔物のせいで、騎士は元より兵士達までもが行きたがらないそうだ。
で、ギルドに依頼して冒険者のパーティーが来てくれたらしいが、どうも新米らしい。
良く知らないで、金に釣られて来たんだろうな。
「『トライパータイト』ってんだ。あたいがリーダーのニーア。こっちのつり目男がジュマル。で、髭の男がアッサムだよ。宜しくしとくれ」
ニーアは、大きなブーメランを背負っていて、ジュマルは、変わった形の剣を提げている。
アッサムは、キナ臭い臭いがする無口な男のようだ。
それから、若者のパーティーだ。
「『フィッシュ&ウォーター』のリーダープランツです。この体格のシッカリした奴がミール。隣りがフローズと相棒の採掘鷲のスワロです。幼友達の三人ですが、宜しくお願いします」
プランツは、スラリとした青年で、剣と盾を装備している。
ミールは、大きな弓と矢を背負い、腰にもごちゃごちゃと何かを巻きつけていた。
フローズは、ショートの娘さんだ。肩に魔物の採掘鷲をのせている。あれに指示して戦うようだ。
後は、私とラキとモーラ達。
今回、バーサーカーのディミトリは置いて行くことになった。
第二工兵隊と連携が取れないようじゃ困るから仕方ないのさ。
「悪いけど、新米冒険者はライルに預けるから、ギルドで手続きして明日に備えてくれないか?」
「初めて会ったのに、連携って……」
「頼むよライル。君だけが頼りなんだからさ」
「そう言えば、これに参加して私達に何の得があるんだよ」
「それなら任せておいて。お祖父様に紹介するし、なんならライルを僕の補佐官にしてもらうからさ」
「そんなの、お前に都合がいいだけじゃないか!」
「どうして? ラキ君と住める土地もお金も用意するよ?」
『うーん、それは正直魅力的じゃないか?』
「わかった。手を打とう」
「助かるよ。それじゃあ、第二工兵隊は陽動隊にするから、ライル達一団で殲滅を頼むよ」
「お前、それは無いんじゃないか?」
「そうかな? 僕は、ライルとモーラ達だけでも何とかなると思うよ」
『そんな簡単な魔物を、今まで退治出来なかったって言うのかよ……』
「さあ、早くギルドで準備して来てよ。ルーミス」
「はい。こちらに」
金貨の小袋を渡された。
仕方なく、ラキを抱いてゾロゾロ向かう。
「なあ、ギルドに行ってどうするんだ?」
「先ずは、パーティー申請するんだよ。そんな事も知らないのかよ、あんた」
ニーアが胡散臭い者でも見るような目付きをしていた。
「ライルだ。で、こっちがラキ」
「あ~、ラキ。よろしゅく、ねっ、ねっ」
「幼児を連れて行くのは反対です」
真面目そうなプランツの意見。
「ラキ、お友達を呼んでやれ」
「ぅん、モーラ~」
ラキを囲むようにモーラ達が出現して、シャキーンとポーズを取ってみせた。
「まさか、黄土竜子団ですか!」
どうやら、魔物使いのフローズは知っているようだな。
「けっ! こいつぁ驚いた『土の傭兵』を従えてるってか」
ジュマルが腕組みしながら近づいたが、モーラのリーダーに阻まれたようだ。
「けっ! やるじゃねぇか。おもしれぇ」
「あ~、だめぇ」
ラキがモーラのリーダーを抱きしめたから、ジュマルはおとなしく下がってくれた。
「ライルは、見たところ装備も無いようだが、どんな戦い方をするんだ?」
ミールはタメ口か。
「そうだな、特技は頑丈さと怪力ぐらいか?」
「フッ、冒険者の男はみんなそうですよ、ライル」
プランツは、気安く笑った。
「そう言う事なら、訓練も兼ねてギルドでやり合おうじゃないか」
ニーアの提案にのる事にして、モーラ達には戻ってもらったんだ。




