NO・17
「・・・」
そこはまさに戦場だった。
先についていた斗鬼さんが最新の武器を持つ兵隊と対峙している。
村の人たちは逃げようと躍起になっている。
そして、たくさんの血が流れていた。
「おい、仍」
「ん?」
日向に声をかけられ、私は振り返った。
「この戦いの目的はお前の確保も含まれている。
目の色も違うし髪形も違うが・・・少々気をつけたほうがいいかもしれない」
私はその言葉に黙ってうなずいた。
そして、日向と日和もかけていった。
私もその後を追った。
たいしたことは出来ていないかもしれない。
それでも必死で「水」を使った。
斗鬼さん見たいには戦えないけど、私も能力者。
相手の武器を奪ったり、鋭く尖らせて相手に傷をつけることは出来る。
私はちらりと後ろを見た。
日向と日和は、所謂、暗器と呼ばれるものを使っていた。
昔から、暗殺などでよく用いられるらしい道具だ。
憎い憎い憎い
都市に対する憎しみが増えるほど、「水」は力を増した。
だけど、都市に対する憎しみが増える分、
村や森、村の人たち、そしてあの三人に対する嬉や愛はどんどん増えていった。
私は都市が大嫌いだ
何故今の今までその気持ちに気づかなかったんだろう。
生贄になる前から、どうも自分に合わないと思っていた。
他に行き場もなかったから、都市にいた。
だけど、ここに来て、まるで小さな頃からここに住んでいたような気分になった。
都市の人に比べてみんな優しかった。
だから、私はみんなを守りたい
その思いが私の「水」を動かしていた。