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影色  作者: 奏良
13/37

NO・12

「あの・・・服って、日向たちのスーツみたいなの?」

「いや、僕らはこれで動きやすいからいいけど」

日向と日和は自分の服を眺めた。

前にも言ったかもしれないけど、日向はスーツをきっちりときていて、日和はスーツを着崩している。

二人とも着ているものは全く同じなのに、印象がぜんぜん違う。

「仍がこんな服を着て動いたら、絶対動きにくいと思うよ?」

日和が肩をすくめた。

「まぁ、気に入ったのがあればいいけど、ないなら僕らが動きやすそうなのを適当に選ぶし」

何故そんなに動きやすさにこだわるのだろうか?

私はまだ些細な疑問しか感じていなかった。


「あいつ・・・」

斗鬼は一人小屋にこもってベッドで寝そべっていた。

「あの子、只者じゃないよ」

そういっていた日向の姿を思い出す。


「あの子、只者じゃないよ」

仍が出て行ってからすぐ、日向はそういって真剣な趣で斗鬼を見た。

「は?」

斗鬼は怪訝な顔をして見返す。

「だから、あの子只者じゃないんだよ」

只者じゃないって・・・?

斗鬼はそう思って顔をしかめた。

「まぁ、水の能力といい・・・普通じゃないね」

日和もそういって肩をすくめる。

「違う・・・それもあるけど・・・何か感じるんだ」

「は?」

斗鬼はもう一度そういった。

「何かすごいことをやらかすと思う・・・いや、ただの予感なんだけど・・・」

「日向の予感は結構当たるからねー」

気楽そうな日和の声。

「・・・」

「まぁ、あの子なら僕らに協力してくれるんじゃないの?」

日和が言った。

「協力って・・・都市から来たんじゃないか」

「でも、言ってたじゃん、都市を恨んでるって」

・・・確かにそういっていた。

「仍は光の中の【闇】をみた。僕らと同じだよ」

そういって日和は扉にもたれかかっていた。


「・・・」

斗鬼はゆっくりと寝返りを打った。

僕らと同じ・・・

その中には俺も含まれているのだろうか?

斗鬼は天井を見上げた。

・・・あいつらは俺を知らない。

俺の全てを知らない。

「あの子、只者じゃないよ」

只者・・・俺らだって普通じゃないじゃないか。

斗鬼は目を閉じた。

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