学校7
赤と黒の絵の具を雑に混ぜて壁にぶちまけたような大きなシミ。
まだ新しいのか赤い水滴が滴り落ちている。
「・・・どうなってるんだよ、何で」
床には壁と同じく、赤に染まった制服の切れ端がいくつか散らばっている。
足を向けた途端に漂ってくる生温い空気と錆びた鉄の臭い 。
頭の奥がようやくそれを血だと認識した時、揺さぶられたようなめまいと強烈な吐き気が襲ってきた。
立っていられなくなり血を避けるようにして床にうつむく。
よく見ると制服の切れ端に混ざって、普通なら有り得ない角度に曲がった手のひらが少し遠くに転がっていた。
意識が遠くなりそうな気がして、無意識の内に歯を食いしばり心の中で「落ち着け」と繰り返す。
――――落ち着け、・・・・・・落ち着け!落ち着け!落ち着け!!
落ち着くんだよ。
・・・・・・ここで何があったかなんて知るか。でも普通じゃないってことは分かる。
落ち着いて考えろよ、そういや茅乃が言ってただろ『逃げろ』って。
まずはここから離れることが優先だろ!
大きく息を吸い込み、足に力を入れて立ち上がる。
その時だった、後ろから何かが近づいてくる音に気づいたのは。