学校3
会話にひと息ついたところで茅乃が切り出した。
「ところでリヒ、なんで私がお前を起こしたか、分かるか?」
一言一言にしっかりと重みを乗せる喋り方。
昔っから茅乃がその喋り方の時はだいたい何か重大なことがあった。
「何って授業が終わって休み時間になったからじゃないのかよ?」
とりあえずは最初に感じた事を言う。
教室には先生もいないしまわりの生徒も授業中とは思えない雰囲気だ。
「ううん、まだ休み時間になってないよ。・・・、ね」
凪沙は首を横に振って、茅乃の方に相槌をもとめる。
「ああ、正確にはまだ授業中だ。実を言うとついさっき警報が鳴ってな。先生はそれを確認しに行ったってわけだ」
「・・・・・・・・・・・・」
俺が寝てた間にそんなことがあったのか。
「このことについて、リヒお前はどう思う?」
いつものように、だけど少し真剣にみえた茅乃はリーダーらしくいてくれた。
「今どきの先生はスマホも持ってないのかよとは思う」
「こういう時、リヒのらしい意見をもらえると安心するよ。凪沙はどう思う?」
「分かんないよ何も、こんなこと今まで無かったから」
冷静に考えてこの状況に動揺したのか凪沙の顔色はさっきより明らかに悪くなっていた。