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短編集、あと冒頭だけ書いてしまったもの

研究室連続殺『腎』事件 ※冒頭だけ

その日、研究室はアルコールの炎に包まれた。

原因もまたアルコールである。二日酔いで潰れかけの学生がフラフラのまま実験を行ったのが原因。

普段使わないようなアルコールランプを持ちだして点火するような学生も予想外だが、アルコールランプを研究室に持ち込んでいた生徒も予想外である。


教授室の机でウトウトしていた寺居てらい教授はノック音に叩き起こされた。

「教授、教授」

「分かった、寝てなんて居ない」

「そんな事を聞いていませんから早く飛び起きて研究室に来て下さい」

やれやれと口にだし、寝ぼけ頭を振る寺居。今月で助教授である仲添なかぞえから呼び出しを食らったのは5回目。これでは駄目な男子生徒と怒りん坊の女教師だと反省など全くせずに寺居は思う。研究室からは焦げ臭い、それでいて酒臭い空気が漂っていて流石の教授もたじろぐ。

「今月で何回目だと思ってるんですか」研究生と教授を集めて叱責するかのように仲添助教授が叫ぶ。

「ハイ、5回目で有ります助教授」かろうじてマトモな学生の内1人が軍隊調の返答を返した。

「ヒヤリハットを含めたら君ら全員の両足指まで有っても足りんわ!」頭を抱えて呻く仲添。

「ここに居るのが6人、120回は流石にないんじゃないかな」助け舟を出すつもりで言った台詞は地雷。

「教授は多忙ですのでいっつも研究室に居ないからわからないかと思いますが」怒りのあまりそこで言葉が途切れる仲添。実際教授室の向こう側を見られたら大事だ、とゾッとする寺居教授。

「ここ数週間、学生の体調が酷く悪化しています。心当たりは」寺居教授に尋ねる仲添助教授。答えを知っているであろう学生たちには一言も喋らせないかのようなプレッシャーを放っている。

「……お酒?」ぎこち無さそうに鼻をクンクンさせて答える寺居。無言で頷く仲添。寺居がほっと胸を撫で下ろしたのも束の間、仲添は近場の机にバンと持っていた書類を叩きつける。これには寺居も跳ね飛んだ。

「今月実験で損傷した部品、研究費から出るんですよね」

「だだ、大丈夫。ちゃんと出るから」

「もしその実験用具分のお金が研究に回せたらどれだけ研究が進んだでしょうかね?」

これにはぐうの音も出ない寺居。蛇に睨まれた蛙のように呼吸も出来ずに居た。暫くの沈黙の後、仲添は学生の内1人の肩をガシと掴み、もう片手で寺居の肩を握り潰してくる。

「お話をしたいので、一先ず私の部屋に行きましょうか」

酸素欠乏になった金魚のように口をパクパクさせることしか、肩を掴まれた2人は出来なかった。



助教授の部屋に連れ込まれた教授と学生。仲添の部屋はあちこちにA4のコピー用紙や付箋に書かれたメモ書きが貼られてあり、綺麗にしてある寺居の部屋とは大違いであった。……最も、作業せずに「綺麗にしている」と表現するのは寺居自身だけだったが。

「お2人は何故呼ばれたかお分かりですね」自分の椅子に疲れ果てたかのようにドカと座り込む仲添。

「……お叱りの言葉?」怯えた寺居はたったままこぼす。

「……僕はお酒を昨日飲んでいませんが」せめてもの抵抗とばかりに学生、古藤ことうが震えた声で答える。

「片方はよく分かっているようで助かる、教授には後で説明しておいてくれ」無視された寺居はしょんぼりとする。仲添の視線は古藤の方に向く。

「今期の研究生の中に 連続殺『腎』者(Kidney Killer)が現れてる。早急に対処しろ」

それだけ言って二人を追い出した。


思いついたままを書いてきました。

……実際お酒で吐いたときって体調きついですよね。

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