クリスマスイブ 初体験は君とひとつに
蓮の部屋。薄暗い照明の中、二人きり。
窓の外には、東京の夜景が広がっている。無数の光が、クリスマスイブの夜を彩っている。でも、俺の目には蓮しか映らない。
蓮が俺の目の前にいた。その瞳が潤んでいる。その頬が、赤く染まっている。その唇が少し開いている。
「海斗……」
蓮の声が震えている。期待と少しの不安が混じっている。その声を聞いて、俺は蓮の頬に手を添えた。
「大丈夫。ゆっくりでいい」
俺の言葉に蓮は小さく頷いた。その目が安心したように俺を見つめる。
「うん……」
俺は蓮の額に唇を押し当てた。優しく、ゆっくりと。蓮の身体が少しずつ力を抜いていく。
次に、蓮の頬に。鼻筋に。そして、唇に。
今度のキスは、さっきとは違った。焦らず、急がず、ただ蓮を感じるためのキス。蓮の唇の形を確かめるように、何度も角度を変えて重ねていく。
「ん……」
蓮の手が、俺のシャツを掴んだ。その指に力が込められている。蓮も俺を求めている。
俺は蓮の背中に手を回した。ゆっくりと、蓮の身体を撫でる。ニット越しに伝わる体温。その熱さが、手のひらに染み込んでくる。
「海斗……」
「蓮……」
お互いの名前を呼び合いながら、キスを深めていく。蓮の舌が、俺の舌に絡みついてくる。ゆっくりと、丁寧に。
蓮の手が俺の髪に絡まった。その指が、俺の髪を掴む。蓮も、俺を求めている。その事実が、嬉しい。
「んん……海斗……」
蓮の声が、甘く響く。その声が俺の理性を溶かしていく。
唇を離すと、俺は蓮の首筋に唇を落とした。耳の下から、鎖骨へ。ゆっくりと、丁寧に。
「あ……」
蓮の身体が、小さく震える。その反応が、可愛らしい。
「海斗……」
「蓮……好きだ」
「私も……愛してる」
※ ※ ※
時間が、ゆっくりと過ぎていく。二人だけの世界。この部屋には俺と蓮しかいない。
間接照明だけが灯る部屋で、二人は抱き合っていた。蓮の吐息が、だんだんと荒くなっていく。俺の名前を呼ぶ声が、甘く、切なく響く。
「海斗……」
「蓮……」
お互いの名前を呼び合いながら、二人は少しずつ心の境界を越えていく。
窓の外では、クリスマスイブの夜が更けていく。街の光が、まだ輝いている。でも、俺たちには関係ない。
今、この瞬間。蓮と一緒にいられる。蓮の全てを感じられる。それだけで、十分だった。
二人の吐息が重なり合う。心臓の鼓動が、シンクロしていく。全てが溶け合っていく。
この部屋で、二人は本当の意味で心を通わせた。
※ ※ ※
どれくらい、そうしていたか。
気づくと、時計の針は深夜一時を指していた。クリスマスイブは、既に終わっていた。でも、俺たちの時間は、まだ続いている。
蓮は俺の腕の中にいた。その身体が温かい。蓮の頭が俺の胸に預けられている。その重みが心地よい。
二人とも、しばらく言葉を交わさなかった。ただ、お互いの体温を感じ合っている。それだけで、十分だった。
「ねえ、海斗」
しばらくして、蓮が口を開いた。その声が、少し掠れている。
「ん?」
「幸せ……」
蓮の声が甘く響く。
「俺も」
「こんなクリスマス、初めて」
「蓮……」
「海斗と、こんなに近くにいられて……本当によかった」
蓮は俺の胸に顔を埋めた。その吐息が俺の肌を撫でる。
「俺も。蓮と出会えて、本当によかった」
俺は蓮の髪を撫でた。蓮の髪が、指の間をすり抜けていく。
「ねえ、海斗」
「ん?」
「これからも、ずっと一緒だよね」
「ああ、もちろん」
俺ははっきりと答えた。その言葉に、一切の迷いはない。
「バレンタインも、一緒に過ごそうね」
「ああ」
「その後も、ずっと」
「ああ、約束する」
蓮は満足そうに微笑んだ。その笑顔が、美しい。
「愛してる、海斗」
「俺も、愛してる。蓮」
二人で抱き合ったまま、時間が過ぎていく。蓮の部屋。二人だけの世界。この時間が、永遠に続けばいい。
外では、もうクリスマスが終わっている。でも、俺たちの特別な時間は、まだ続いている。
蓮の吐息が規則正しくなってきた。眠ったのか。その寝顔を見つめながら、俺は幸せを噛み締める。
蓮との初めてのクリスマス。イルミネーション。ディナー。プレゼント交換。そして、この時間。
全てが完璧だった。
これから、また色々なことがあるだろう。忙しい日々。すれ違うこともあるかもしれない。でも、大丈夫だ。
二人で支え合えば、乗り越えられる。
その確信を胸に、俺も目を閉じた。蓮の温もりを感じながら、深い眠りに落ちていく。
幸せな、クリスマスイブだった。
※ ※ ※
朝、目が覚めると、窓から朝日が差し込んでいた。
時計を見ると、朝の八時だった。蓮はまだ俺の腕の中で眠っている。その寝顔が、穏やかだ。昨夜の余韻からか、深い眠りについている。
俺は蓮を起こさないように、そっと動いた。蓮の顔を見つめる。その顔が愛おしい。昨夜、この蓮と深く心を通わせた。その事実が、まだ夢のようだ。
「んん……」
蓮が、小さく声を出した。目がゆっくりと開く。
「おはよう」
「おはよう、海斗」
蓮は、眠そうに微笑んだ。その笑顔が可愛らしい。そして、少し恥ずかしそうだ。
「よく眠れた?」
「うん。すごく」
蓮は俺の胸に顔を埋めた。
「海斗の隣で寝るの、気持ちよかった」
「俺も」
蓮が少し身体を動かした。
「大丈夫?」
「うん、大丈夫」
蓮は微笑んだ。その笑顔が愛おしい。
しばらく、二人で抱き合っていた。朝の光が、部屋の中を照らしている。
「ねえ、海斗」
「ん?」
「朝ごはん、作ろうか」
「いいのか?」
「うん。海斗に、私の手料理食べてほしいな」
蓮は嬉しそうに微笑んだ。
「じゃあ、お願いするよ」
「やった」
蓮はゆっくりとベッドから起き上がった。
二人で服を整えて、キッチンに向かった。蓮が冷蔵庫から材料を取り出す。
「オムレツでいい?」
「ああ、蓮の作るオムレツ、好きだ」
「ありがとう」
蓮は嬉しそうに料理を始めた。その後ろ姿を見つめながら、俺は幸せを感じる。
朝の光が、キッチンを照らしている。クリスマスの翌朝。二人で過ごす、穏やかな時間。
これから、また忙しい日々が始まる。バレンタインイベントの準備。受験勉強。色々なことが待っている。
でも、大丈夫だ。蓮がいる。二人で支え合っていける。
昨夜、二人は本当の意味で心を通わせ合った。その絆は、何があっても揺らがない。
その確信を胸に、俺は蓮を見つめ続けた。幸せな、クリスマスの翌朝だった。
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