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親友に彼女をNTRられた俺は、俺にだけ優しいクール系ギャルヒロインとお試しで付き合うことになりました。  作者: 沢田美


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好きな彼へのアプローチ。それがたとえ禁じ手だとしても

 体育祭まで、あと二日。


 俺は、学校の廊下を歩いていた。放課後の校舎は、生徒たちの声で賑わっている。体育祭の準備をする声。笑い声。全てが、明るく聞こえる。


 でも、俺の心は、晴れなかった。


 今日も、蓮とは話せなかった。昼休み、屋上で待っていたが、蓮は来なかった。生徒会の会議でも、蓮は俺を避けた。必要最低限の会話しかしない。


 もう、慣れた。でも、その度に胸が痛む。


 昇降口で上履きから靴に履き替え、校門に向かう。夕日が傾き、空がオレンジ色に染まっている。綺麗な夕日だ。でも、その美しさが、俺の心には響かない。


 蓮と一緒に見たかった。二人で並んで、この夕日を見上げたかった。


「春川くん」


 突然、誰かが俺の腕を掴んだ。驚いて振り返ると、凛音が立っていた。いつもと違う。制服のリボンが少し緩められ、髪が夕日に照らされて金色に輝いている。その目には、妖艶な光が宿っている。


「橘……」


「ちょっと、来て」


 凛音は有無を言わさず、俺の手を引いた。その手の感触が、いつもより熱い。指が俺の手のひらに絡みつくように、しっかりと握られている。凛音に引かれるまま、俺は校舎の裏に連れていかれた。


 人気のない場所。夕日だけが、二人を照らしている。


「橘、どうした?」


「春川くん」


 凛音は、俺の目を真っ直ぐ見つめた。その瞳には、強い決意と、危険な甘さが混じっている。夕日が凛音の横顔を照らし、その輪郭を美しく浮かび上がらせている。


「もう、我慢できない」


「何が――」


 凛音は、俺の胸に手を置いた。その手の温もりが、制服越しに伝わってくる。ゆっくりと、凛音の指が俺の胸を撫でる。その動きが、どこか挑発的だ。


 凛音の顔が、近づいてくる。その距離が、どんどん縮まっていく。凛音の吐息が、俺の顔にかかる。


「春川くん、私のこと、私の事だけ、見て」


 凛音の声が、蜜のように甘く囁く。その声には、魅惑的な響きがある。凛音の香水の匂いが、俺の鼻をくすぐる。甘く、危険な香り。フローラルな香りに、少しだけムスクが混じっている。


「橘、何を――」


「鈴波副会長は、春川くんのこと、ちゃんと見てくれてる?」


 凛音の手が、俺の胸からゆっくりと肩へ、そして首筋へと這い上がっていく。その手は柔らかく、温かい。凛音の指が、俺の首筋を撫でる。その感触に、俺の背筋がぞくりとする。


「春川くんは、こんなに苦しんでるのに」


 凛音の手が、俺の頬に触れた。その手のひらが、俺の頬を包み込む。凛音の親指が、ゆっくりと俺の唇をなぞる。


「橘……」


「私なら、春川くんを幸せにできる」


 凛音の顔が、さらに近づいてくる。その唇が、俺の唇に触れそうなほど近い。凛音の吐息が、俺の肌を撫でる。その温かさ、甘い匂い。全てが、俺の理性を溶かしていく。


「春川くん……」


 凛音の声が、艶っぽく響く。その瞳は、潤んでいる。凛音の両手が、俺の首に回された。その身体が、俺に密着してくる。凛音の柔らかな感触が、俺の身体に伝わってくる。


 心臓の鼓動が、早くなる。凛音の鼓動も、俺の胸に伝わってくる。二人の鼓動が、重なり合っている。


「私に、キスさせて」


 凛音の唇が、俺の唇に触れようとする。もう、数センチの距離しかない。凛音の唇が、艶やかに輝いている。グロスの光沢が、夕日に反射している。


 凛音の目が、ゆっくりと閉じられていく。その長い睫毛が、夕日に照らされて金色に輝く。


 あと少し。あと少しで、凛音の唇が俺の唇に触れる。


 その瞬間――


「待て!」


 俺は、凛音の肩を掴んで、距離を取った。その動作は、強引だった。凛音は、驚いた表情を浮かべる。その目が、ゆっくりと開かれる。


「春川くん……」


 凛音の声が、切なく響く。その目には、涙が浮かんでいる。


「ごめん、橘。でも、できない」


 俺ははっきりと言った。その言葉に、一切の迷いはない。


「俺には、蓮がいる」


「でも、鈴波副会長は!」


 凛音の声が、震える。その目から、涙が溢れてくる。凛音の手が、俺の制服の襟を掴む。その手に、力が込められている。


「鈴波副会長は、春川くんのこと、ちゃんと見てくれてないじゃない!」


「それでも、俺は蓮を愛してる」


 俺は繰り返した。その言葉に、嘘はない。


「今、蓮は苦しんでる。体育祭の準備で、限界まで頑張ってる」


「……」


「俺と会えないのも、俺を避けてるのも、全部仕事のせいだ」


「それは、言い訳だよ」


 凛音ははっきりと言った。その声には、怒りと悲しみが混じっている。凛音の両手が、俺の頬を挟む。その手のひらが、俺の顔を包み込む。


「本当に好きな人なら、どんなに忙しくても時間作る」


「橘……」


「鈴波副会長は、春川くんより仕事を優先してる。それが、現実だよ」


 凛音の顔が、また近づいてくる。その目は、涙で潤んでいるが、その奥には強い意志が宿っている。


「春川くん、私を見て」


 凛音の声が、甘く響く。その手が、俺の頬から首筋へと滑り落ちていく。凛音の指が、俺のネクタイをゆっくりと撫でる。


「私は、春川くんだけを見てる」


 凛音の身体が、また俺に密着してくる。その柔らかな感触。その温もり。全てが、俺の理性を揺さぶる。


「春川くんのことだけを、考えてる」


 凛音の唇が、俺の首筋に触れた。その柔らかい感触に、俺の身体が強張る。凛音の吐息が、俺の首筋を撫でる。


「春川くんの全てが、欲しい……」


 凛音の声が、耳元で囁く。その声が、どこまでも甘く、危険だ。


「橘、やめてくれ……」


 俺の声が、震える。理性が、ぎりぎりのところで踏み留まっている。


「どうして?」


 凛音が顔を上げた。その目は、涙で潤んでいる。でも、その奥には、諦めきれない想いが燃えている。


「春川くんの身体は、正直だよ」


 凛音の手が、俺の胸に置かれる。そこから伝わってくる、俺の激しい鼓動。


「心臓、すごく早く打ってる」


「それは……」


「私のこと、感じてくれてるんでしょ?」


 凛音の声が、艶やかに響く。その目が、俺を見つめる。その視線が、どこまでも甘く、危険だ。


「でも、それでも俺は蓮を愛してる」


 俺は繰り返した。その言葉に、一切の迷いはない。


「体育祭が終わったら、蓮と話せる。二人の関係を、元に戻せる」


「……本当に?」


 凛音は、涙を拭った。その表情には、諦めと、それでも諦めきれない想いが混じっている。


「本当に、鈴波副会長は春川くんを幸せにしてくれるの?」


「ああ、信じてる」


「そっか……」


 凛音は、一歩後ずさった。その表情には、深い悲しみが滲んでいる。でも、その目には、まだ諦めていない光が残っている。


「じゃあ、私は何を言っても無駄なんだね」


「橘、ごめん……」


「謝らないで」


 凛音は首を振った。その目から、また涙が溢れてくる。


「春川くんが謝ることじゃない」


「……」


「でもね、春川くん」


 凛音は俺を見つめた。その瞳には、強い決意が宿っている。


「体育祭、見てるから」


「え?」


「春川くんと鈴波副会長が、本当に関係を元に戻せるのか」


 凛音の声には、挑戦的な響きがある。凛音が、ゆっくりと俺に近づいてくる。


「もし、鈴波副会長が春川くんを幸せにしてくれなかったら」


「橘……」


「その時は、私が春川くんを奪う」


 凛音ははっきりと言った。その声には、揺るぎない決意が込められている。


「次は、逃がさない」


 そう言って、凛音は俺の頬に、そっと唇を寄せた。唇が触れるか触れないかの距離で、凛音は囁く。その吐息が、俺の肌を撫でる。


「春川くんの唇も……」


 凛音の唇が、ゆっくりと俺の頬を撫でる。その柔らかい感触に、俺の身体が震える。


「身体も……」


 凛音の手が、俺の胸をゆっくりと撫でる。その手の動きが、どこまでも妖艶だ。


「心も……」


 凛音の顔が、俺の顔の正面に来る。その唇が、俺の唇の数センチ先にある。凛音の吐息が、俺の唇を撫でる。


「全部、私のものにする」


 凛音の吐息が、俺の肌を撫でる。その感触が、危険なほど甘い。凛音の唇が、俺の唇に触れそうなほど近い。


 その瞬間、凛音の舌が少しだけ唇を濡らした。その艶やかな光沢が、俺の視界に入る。


「それだけは、覚えておいて」


 そう囁いて、凛音は最後に俺の耳たぶに、そっと唇を触れさせた。その柔らかい感触と、温かい吐息に、俺の身体が震える。


 そして、凛音は離れた。夕日の中に消えていく。その後ろ姿が、妖艶に揺れている。歩く度に、スカートが揺れる。その動きすら、どこか挑発的に見える。


 俺は、その場に立ち尽くした。胸が、激しく鼓動している。全身が、熱い。凛音の誘惑。あの妖艶な雰囲気。あの危険な甘さ。全てが、俺の心を、俺の身体を揺さぶった。


 もう少しで、俺は凛音にキスをしてしまうところだった。いや、もう少しで、凛音が俺にキスをしていた。その事実が、俺を怖がらせる。


 でも、俺は踏みとどまった。蓮を裏切らなかった。


 その事実に、少しだけ安堵する。


 でも、身体は正直だった。凛音の誘惑に、確かに反応していた。その事実が、俺を苦しめる。


 ※ ※ ※


 家に帰り、ベッドに横になった。天井を見つめながら、今日のことを思い返す。


 凛音の誘惑。あの妖艶な雰囲気。あの危険な甘さ。凛音の柔らかい手の感触。凛音の甘い吐息。凛音の艶やかな唇。


 全てが、俺の心に、俺の身体に焼きついている。


 凛音は、本気だった。俺を奪うと言った。次は、逃がさないと言った。


 その宣言が、俺の心を不安にさせる。そして、どこか、俺の身体を疼かせる。


 ダメだ。考えてはいけない。俺が愛しているのは、蓮だ。


 スマホを見ると、蓮からメッセージが届いていた。


『海斗、明後日の体育祭、頑張ろうね。その後、ちゃんと話そう。約束だから。おやすみ』


 蓮からのメッセージ。約束の言葉。その言葉に、俺は希望を感じる。


 体育祭が終わったら、ちゃんと話せる。二人の関係を、元に戻せる。


 その希望を胸に、俺は返信を打った。


『ああ、約束だ。体育祭、頑張ろう。おやすみ、蓮。愛してる』


 送信すると、すぐに既読がついた。そして、今度は返信が来た。


『うん。おやすみ、海斗』


 それだけ。俺の「愛してる」に、蓮は何も返さない。でも、返信が来ただけでも、嬉しかった。


 俺は、スマホを置いた。胸の奥に、小さな希望が灯る。


 体育祭まで、あと二日。その時、全てが決まる。蓮との未来が。俺の未来が。


 そして、凛音との関係も。


 その不安と期待を胸に、俺は目を閉じた。でも、頭の中には、凛音の妖艶な姿が浮かんでくる。あの甘い誘惑。あの危険な雰囲気。あの柔らかい感触。


 俺は、頭を振った。考えてはいけない。俺が愛しているのは、蓮だ。その想いを、忘れてはいけない。


 でも、身体は覚えている。凛音の手の感触。凛音の吐息の温かさ。凛音の唇の柔らかさ。


 窓の外から、虫の声が聞こえてくる。秋の夜の音だ。


 季節は、確実に進んでいる。俺と蓮の関係も、新しい季節を迎えられるのか。


 その答えは、体育祭で分かる。


 俺は、その日を待ち続けた。凛音の言葉が、頭の中で繰り返される。


『次は、逃がさない。春川くんの唇も、身体も、心も、全部私のものにする』


 その宣言が、俺の心を、俺の身体を揺さぶり続けていた。


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