ざまぁ完了。クール彼女と、愛し合うだけの夏休み
「海斗……」
蓮が心配そうに俺を見つめている。その瞳には、俺への愛情が満ちている。
「大丈夫か?」
「ああ、大丈夫」
俺は蓮の手を握った。その手は温かく、俺を現実に引き戻してくれる。
「もう、全部終わった」
「……そっか」
蓮は俺を抱きしめた。その温もりが、俺の心を満たしていく。
「辛かったね」
「いや……もう、何も感じない」
俺は蓮の髪を撫でた。その髪は柔らかく、優しい香りがする。
「俺には、蓮がいるから」
「……うん」
蓮は幸せそうに微笑んだ。その笑顔が、俺の全てだ。
「じゃあ、ケーキ食べに行こうか」
「ああ」
二人でケーキ屋に入った。店内には、甘い香りが漂っている。
「どれにする?」
「迷うな……」
ショーケースには、色とりどりのケーキが並んでいる。どれも美味しそうだ。ガラス越しに見えるケーキが、宝石のように輝いている。
「私、ショートケーキにしようかな」
「じゃあ、俺はチョコレートケーキで」
二人でケーキを注文し、席に着いた。窓際の席から、外の景色が見える。
「乾杯」
「乾杯」
グラスが軽く触れ合う音が響いた。その音が、心地よく耳に残る。
「海斗、本当にお疲れ様」
「蓮も」
俺はチョコレートケーキを一口食べた。濃厚なチョコレートの味が、口の中に広がる。
「美味い」
「でしょ? ここのケーキ、美味しいんだよ」
蓮も嬉しそうにケーキを食べている。その幸せそうな表情を見ていると、俺の胸も温かくなる。蓮の笑顔を見ているだけで、俺は幸せだ。
「ねえ、海斗」
「ん?」
「さっきの二人……大丈夫だった?」
「ああ。もう、何も感じなかった」
俺は正直に答えた。本当に、何も感じなかった。
「過去は過去だ。俺には、今がある」
「……うん」
蓮は安心したように微笑んだ。その笑顔を見て、俺の心が満たされていく。
「ねえ、海斗」
「ん?」
「明日、終業式だね」
「ああ」
「そして、夏休みが始まる」
蓮は目を輝かせた。その瞳には、期待が満ちている。
「楽しみだね」
「ああ」
「海に行こうね」
「絶対に」
俺は頷いた。蓮と過ごす夏休みが、もう楽しみで仕方ない。
「それに、他にも色々行きたいところがある」
「例えば?」
「花火大会とか、夏祭りとか」
蓮は指を折りながら数えた。その仕草が可愛い。
「プールにも行きたいし、映画も見たい」
「忙しくなりそうだな」
「でも、全部海斗と一緒」
蓮は嬉しそうに微笑んだ。その笑顔が、どこまでも明るい。
「海斗と過ごす夏休み、楽しみで仕方ない」
「俺も」
ケーキを食べ終え、店を出た。外の空気は、少し涼しくなっている。夕方が近づいている証拠だ。
「じゃあ、明日は終業式だけだから、早く終わるね」
「そうだな」
「終わったら、そのまま遊びに行こうよ」
「いいな」
「やった!」
蓮は嬉しそうに俺の腕に抱きついた。その温もりが、俺の腕から伝わってくる。
「明日が楽しみ」
「俺も」
駅の改札前で、蓮が立ち止まった。いつもの別れの場所。でも、今日の別れは、明日への期待に満ちている。
「じゃあ、また明日」
「ああ」
別れ際、蓮が俺の頬にキスをした。柔らかい感触が、頬に残る。
「おやすみ、海斗」
「おやすみ、蓮」
※ ※ ※
翌日、終業式の朝。いつもより少し浮かれた気分で、俺は昇降口に向かった。夏休みが始まる。その事実が、俺の心を軽くしている。今日で一学期が終わる。そして、蓮と過ごす夏休みが始まる。
「おはよう、海斗!」
蓮がいつもより明るい表情で待っていた。その笑顔が、朝日に照らされて輝いている。
「おはよう」
「今日で一学期も終わりだね」
「ああ」
「色々あったね」
蓮は感慨深げに呟いた。その声には、様々な思い出が込められている。
「海斗と付き合い始めて、文化祭があって、テストがあって」
「本当にな」
「でも、全部楽しかった」
蓮は俺の手を握った。その手は温かく、俺に力を与えてくれる。
「海斗と一緒だったから」
「俺も」
体育館に向かうと、すでに全校生徒が集まっていた。生徒たちのざわめきが、体育館に響いている。夏休みへの期待が、その空気に満ちている。
蓮は生徒会のメンバーの代表として、壇上の近くに座っている。その姿は凛々しく、美しい。
俺は自分のクラスの列に座った。蓮の姿が、遠くに見える。
校長先生の話が始まった。マイクを通した声が、体育館に響く。
「皆さん、一学期お疲れ様でした。今学期は、文化祭など大きなイベントがありましたが、皆さんの協力のおかげで無事に終えることができました」
校長先生は続ける。その声は、穏やかで温かい。
「特に、生徒会の皆さんには感謝したいと思います。鈴波副会長をはじめ、生徒会の献身的な働きがあったからこそ、文化祭は大成功でした」
拍手が起こる。体育館中に、拍手の音が響き渡る。
蓮は少し照れた表情で、小さく頭を下げた。その姿が、どうしようもなく愛おしい。蓮の謙虚な姿勢が、俺の胸を熱くする。
「さて、明日から夏休みです。事故や怪我のないよう、有意義な夏休みを過ごしてください」
校長先生の話が終わり、終業式が終了した。体育館に、安堵の空気が流れる。
教室に戻ると、担任の先生が最後のホームルームを始めた。クラスメイトたちは、皆浮かれた表情をしている。
「皆さん、一学期お疲れ様でした。夏休みの課題は、このプリントの通りです」
先生がプリントを配る。そのプリントには、夏休みの宿題がびっしりと書かれている。
「計画的に進めてください。それでは、良い夏休みを」
「ありがとうございました!」
クラス全員で挨拶をした。その声は、元気に満ちている。
ホームルームが終わり、俺は急いで昇降口に向かった。階段を駆け下りる。蓮が待っている。
「お疲れ様!」
蓮が笑顔で手を振った。その笑顔が、太陽よりも眩しい。
「蓮も」
「じゃあ、行こうよ!」
「どこ行くんだ?」
「まだ決めてないけど、とりあえず駅前でぶらぶらしようよ」
「いいな」
二人で校門を出ると、夏の日差しが照りつけていた。その暑さが、夏の始まりを告げている。蝉の声が、どこからか聞こえてくる。
「暑いね」
「ああ」
「でも、夏って感じがして好き」
蓮は嬉しそうに笑った。その笑顔が、夏の日差しに映えている。
「海斗と過ごす、初めての夏休み」
「そうだな」
「楽しみで仕方ない」
蓮は俺の腕に抱きついた。その温もりが、腕から伝わってくる。
「海斗、これから毎日一緒にいられるね」
「ああ」
「デートしたり、色んなところに行ったり」
蓮は夢見るように空を見上げた。その瞳には、期待が満ちている。
「最高の夏休みにしようね」
「ああ、絶対に」
その時だった。
「あれ? 春川くんと鈴波副会長じゃん」
聞き慣れた声が、俺たちを呼び止めた。その声には、どこか挑戦的な響きがある。
振り返ると、凛音が立っていた。ギャル風のメイクに派手なアクセサリー。でも、その瞳は冷たく俺たちを見つめていた。その視線には、複雑な感情が込められている。
「橘さん……」
蓮が警戒した表情を浮かべた。その声は、少し硬い。
「やっほー。終業式、お疲れ様」
凛音は笑顔で近づいてきた。でも、その笑顔には何か、危険な雰囲気が漂っている。表面的な笑顔の奥に、別の感情が隠れているのが分かる。
「二人とも、仲良さそうだね」
「……ああ」
俺は蓮の手を握り締めた。蓮の手に、少し力を込める。
「春川くん、夏休みは何するの?」
「蓮と――」
「デート?」
凛音は俺の言葉を遮った。その口調は、どこか挑発的だ。
「いいな。羨ましい」
「橘さん、何か用?」
蓮が少しきつい口調で尋ねた。その声には、警戒心が滲んでいる。
「用? 別に。ただ、挨拶しようと思っただけ」
凛音は蓮を見つめた。その視線は、どこか値踏みするようだ。
「鈴波副会長、文化祭の時の歌、すごかったね」
「……ありがとう」
「春川くんも、すごく感動してたよね」
凛音は俺を見た。その瞳には、複雑な感情が渦巻いている。
「ずっと、副会長のこと見つめてた」
「当たり前だろ」
俺ははっきりと言った。その声には、迷いがない。
「蓮は、俺の彼女だから」
「……そっか」
凛音は少し寂しそうに微笑んだ。その笑顔には、諦めきれない想いが滲んでいる。
でも、次の瞬間――
「でもね、春川くん」
凛音の瞳に、強い光が宿った。その光には、決意が込められている。
「人の気持ちって、変わるものだよ」
「何?」
「今は鈴波副会長のことが好きでも、いつかは……ね」
凛音は意味深に笑った。その笑みには、何か含みがある。
「橘さん!」
蓮が声を荒げた。その声は、怒りに満ちている。
「何を言ってるの?」
「別に。ただの一般論だよ」
凛音は涼しい顔で答えた。その態度は、どこか挑発的だ。
「でも、鈴波副会長。一つだけ言わせて」
「……何?」
「春川くんを泣かせたら、私が慰めてあげる」
凛音ははっきりと宣言した。その声には、揺るぎない決意が込められている。
「春川くんみたいな人、他にいないから」
「海斗は泣かせない」
蓮はきっぱりと言った。その声は、強く、確信に満ちている。
「私が、ずっと海斗を幸せにする」
「……そう。じゃあ、頑張ってね」
凛音はウインクして、去っていった。その背中には、諦めきれない想いが滲んでいた。歩き去る凛音の姿が、どこか寂しそうに見える。
「……何なの、あの子」
蓮は不機嫌そうに呟いた。その声には、不安が混じっている。
「気にするな」
俺は蓮を抱き寄せた。蓮の身体が、俺の腕の中に収まる。
「俺が見てるのは、蓮だけだから」
「……本当?」
「ああ。誰にも揺らがない」
「……ありがとう」
蓮は少し安心したように微笑んだ。その笑顔には、安堵が滲んでいる。
「でも、油断できないね」
「油断?」
「橘さん、本気だよ。海斗のこと、好きなんだ」
「でも、俺の気持ちは変わらない」
俺は蓮の手を握り締めた。その手は温かく、俺の決意を伝えてくれる。
「蓮以外、考えられない」
「……うん」
蓮は嬉しそうに微笑んだ。その笑顔を見て、俺の心が満たされていく。
「じゃあ、行こうよ。デート」
「ああ」
駅前のショッピングモールに着くと、蓮が俺の手を引いた。その手は小さく、温かい。
「ねえ、アイス食べようよ」
「いいな」
二人でアイスクリーム屋に入った。店内は冷房が効いていて、涼しい。
「私、ストロベリーにする」
「俺はチョコミントで」
アイスを買って、ベンチに座った。外の景色を眺めながら、アイスを食べる。
「美味しい」
蓮は嬉しそうにアイスを食べている。夏の暑さの中で食べるアイスは、格別だ。冷たいアイスが、喉を通って身体を冷やしていく。
でも、蓮の表情には、まだ少し不安が残っていた。その瞳には、わずかな曇りがある。
「ねえ、海斗」
「ん?」
「さっきの橘さんの言葉、気になる?」
「全然」
俺は即答した。その声には、迷いがない。
「俺の気持ちは、蓮にしかない」
「……本当に?」
「本当だ」
俺は蓮の頭を撫でた。蓮の髪が、指の間をすり抜けていく。
「誰が何を言っても、俺の隣は蓮のものだから」
「……ありがとう」
蓮は安心したように微笑んだ。その笑顔には、幸せが滲んでいる。
「ねえ、海斗」
「ん?」
「夏休み、どんなことしたい?」
「蓮と一緒なら、何でもいい」
「もう……ちゃんと答えてよ」
蓮は少しむくれた。その表情が、どうしようもなく可愛い。
「じゃあ……海に行って、花火大会に行って、夏祭りにも行きたいな」
「全部行こうよ!」
蓮は目を輝かせた。その瞳には、期待が満ちている。
「それに、プールも映画も!」
「忙しくなるな」
「でも、楽しそう!」
蓮は嬉しそうに笑った。その笑顔が、どこまでも明るい。
「海斗と一緒なら、何でも楽しい」
「俺も」
アイスを食べ終え、ショッピングモールを出た。外の空気は、相変わらず暑い。でも、蓮と一緒なら、その暑さも心地よく感じられる。
「今日は、もう帰る?」
「そうだな。明日から本格的に夏休みだし」
「じゃあ、明日からたくさん遊ぼうね」
「ああ」
駅の改札前で、蓮が立ち止まった。いつもの別れの場所。でも、今日の別れは、明日への期待に満ちている。
「じゃあ、また明日」
「ああ」
別れ際、蓮が俺の頬にキスをした。柔らかい感触が、頬に残る。
「おやすみ、海斗。明日、楽しみにしてるね」
「俺も」
蓮が改札を通っていくのを見送りながら、俺は思った。一学期が終わった。色々なことがあった。夢に振られて、デマを流されて、絶望した。でも、蓮と出会って、全てが変わった。文化祭を成功させて、テストも頑張れた。全部、蓮がいてくれたから。そして、これから夏休みが始まる。蓮と一緒に過ごす、最高の夏休みが。
でも――凛音の言葉が、少しだけ脳裏をよぎる。
「人の気持ちって、変わるものだよ」
……いや、そんなことはない。俺の気持ちは、絶対に変わらない。蓮だけを、ずっと愛し続ける。その決意を胸に、俺は家路についた。蓮の笑顔が、目に浮かぶ。その笑顔のために、俺は生きている。
家に帰り、ベッドに横になる。今日一日のことを思い返す。テストの結果、傑と夢の謝罪、凛音との遭遇。色々なことがあった。でも、全ての中心には、蓮がいる。
スマホを見ると、蓮からメッセージが届いていた。
『一学期、お疲れ様。海斗と一緒に過ごせて、本当に楽しかった。明日から、もっともっと楽しい夏休みにしようね。海に行くの、楽しみにしてる。橘さんのこと、気にしないでね。海斗は私のものだから。おやすみ』
最後の一文に、蓮の強い想いが込められていた。その言葉が、俺の心を満たしていく。
俺は返信を打った。
『こっちこそ。蓮と出会えて、本当によかった。明日から、最高の夏休みにしよう。蓮以外、誰も見ない。約束する。おやすみ』
送信すると、すぐに既読がついた。そして、ハートマークのスタンプが送られてきた。蓮らしい、可愛らしいスタンプだ。
「蓮……」
俺は思わず、スマホを抱きしめた。蓮との繋がりを、肌で感じたい。
明日から、夏休みが始まる。蓮と一緒の、最高の夏が。楽しみで仕方なかった。どんな思い出が作れるのか。今から楽しみで仕方ない。蓮と一緒なら、どんな夏休みも最高のものになる。その確信を胸に、俺は深い眠りについた。
「明日も、蓮と一緒」
呟いて、俺は目を閉じた。窓の外から、蝉の声が聞こえてくる。夏が、始まろうとしていた。蓮と一緒に過ごす、幸せな夏が。この幸せな時間が、ずっと続いてほしい。そう願いながら、俺は眠りについた。蓮の笑顔が、夢の中でも俺を包み込んでくれる。その温もりを感じながら、俺は深い眠りに落ちていった。
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