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親友に彼女をNTRられた俺は、俺にだけ優しいクール系ギャルヒロインとお試しで付き合うことになりました。  作者: 沢田美


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26/110

これからの未来へ

 文化祭翌日の日曜日。


 俺は蓮と一緒に、あの閉店予定の飲食店を訪れていた。店の前に立つと、あの古びた看板が目に入る。この店も、もうすぐ見納めになるのか。


「店主さん、いますか?」


 蓮が店の扉を開けると、店主が笑顔で出迎えてくれた。


「ああ、鈴波さんと春川くん。来てくれたんだね」


「はい。約束通り、文化祭の写真を持ってきました」


 蓮はアルバムを取り出した。

 文化祭当日の写真が、たくさん収められている。各クラスの出し物、賑わう会場、笑顔の生徒たち。そして、ステージで歌う蓮の写真も。その一枚一枚が、あの日の思い出を鮮明に蘇らせる。


「すごいな……本当に素晴らしい文化祭だったんだね」


 店主は一枚一枚、丁寧に写真を見ていた。その目には、優しい光が宿っている。


「はい。おかげさまで、大成功でした」


「それは良かった」


 店主は目を細めた。


「君たちの頑張りが、ちゃんと実を結んだんだね」


「店主さんの協賛金のおかげです」


 蓮は深々と頭を下げた。


「本当に、ありがとうございました」


「いやいや、こちらこそありがとう」


 店主は優しく微笑んだ。


「君たちの文化祭に協力できて、最後にいい思い出ができた」


「店主さん……」


 蓮の目に、涙が浮かんだ。


「お店、本当に閉めちゃうんですか?」


「ああ。来月末で閉店だ」


 店主は少し寂しそうに言った。


「長年やってきたけど、時代の流れには勝てなかったよ」


「……そんな」


「でもね、後悔はしてない」


 店主は写真を見ながら続けた。


「最後に、君たちみたいな素敵な若者と出会えた。それだけで、十分幸せだよ」


「店主さん……」


 蓮は涙をこらえきれず、泣き始めた。


 俺の胸も熱くなる。店主さんの優しさが、蓮の心に深く響いている。そして、俺の心にも深く響いている。


「ありがとう……ございました……」


 俺は蓮の肩を抱き寄せた。


「店主さん、俺たちからも、本当にありがとうございました」


「いいんだよ。泣かないで」


 店主は蓮の頭を優しく撫でた。


「君たちは、これから素敵な未来を作っていくんだ。前を向いて、頑張りなさい」


「……はい」


 蓮は涙を拭いて、顔を上げた。


「店主さん、お元気で」


「君たちもね」


 ※ ※ ※


 店を出ると、蓮はまだ目を潤ませていた。


「蓮、大丈夫か?」


「うん……ちょっと感動しちゃって」


 蓮は俺の腕に抱きついた。


 その温もりが、俺の腕から伝わってくる。蓮の優しさが、俺の心を満たしていく。


「店主さん、すごく優しかった」


「ああ」


「海斗」


「ん?」


「私たち、店主さんの分まで幸せにならないとね」


「……そうだな」


 俺は蓮の手を握った。


「絶対、幸せになろう」


「うん!」


 ※ ※ ※


 駅前のカフェで休憩していると、蓮が口を開いた。


「ねえ、海斗」


「ん?」


「文化祭、終わっちゃったね」


「ああ。あっという間だった」


「でも、すごく充実してた」


 蓮は嬉しそうに微笑んだ。


「海斗と一緒に準備して、色んなトラブルを乗り越えて。大変だったけど、楽しかった」


「俺も」


 俺はカフェラテを飲んだ。


「蓮と一緒だったから、頑張れた」


「……ありがとう」


 蓮は照れた表情を浮かべた。


「これから、また普通の日常に戻るね」


「そうだな」


「でも、その日常が楽しみ」


 蓮は俺を見つめた。


「海斗と一緒の日常が、一番幸せだから」


「蓮……」


「だから、これからもずっと一緒にいてね」


「当たり前だろ」


 俺は蓮の手を握った。


 蓮の手は温かい。この温もりを、ずっと感じていたい。この温もりが、俺の全てだ。


「俺は、ずっと蓮の隣にいる」


「……うん」


 蓮は幸せそうに微笑んだ。


 カフェを出て、駅前を歩く。


「ねえ、海斗。今日、このまま帰るの?」


「いや、特に予定はないけど」


「じゃあ――」


 蓮は少し恥ずかしそうに言った。


「私の家、来ない?」


「いいのか?」


「うん。今日は、海斗にゆっくりしてもらいたいから」


「じゃあ、お言葉に甘えて」


「やった!」


 蓮の家に着くと、二人でソファに座った。


「お茶、淹れるね」


「ありがとう」


 蓮がキッチンに向かう間、俺は部屋を見回した。


 いつ来ても、綺麗に片付いている。一人暮らしとは思えないほどだ。蓮らしい、清潔で落ち着いた空間。


「はい、お茶」


 蓮がマグカップを持ってきた。


「ありがとう」


 俺が一口飲むと、蓮は俺の隣に座った。


 蓮の温もりが、俺のすぐ隣にある。この距離が、どうしようもなく愛おしい。


「ねえ、海斗」


「ん?」


「文化祭、本当にお疲れ様」


「蓮も」


「でも、海斗がいなかったら、成功しなかったと思う」


 蓮は真剣な表情で続けた。


「トラブルの対応も、クラスの調整も、全部海斗が手伝ってくれたから」


「いや、蓮の方がすごかったよ」


「そんなことない」


 蓮は首を横に振った。


「私、一人だったら絶対できなかった。海斗がいてくれたから、頑張れた」


「……俺も」


 俺は蓮の肩を抱き寄せた。


 蓮の身体が、俺の腕の中に収まる。この感触を、ずっと忘れたくない。


「蓮がいたから、頑張れた」


「海斗……」


 蓮は俺の胸に顔を埋めた。


「これからも、ずっと一緒だからね」


「ああ」


 しばらくそうしていると、蓮が顔を上げた。


「ねえ、海斗」


「ん?」


「私ね、海斗と付き合えて、本当に幸せ」


「俺も」


「夢に振られて、デマを流されて、辛い時期があったけど――」


 蓮は俺の目を見つめた。


「それがあったから、海斗と出会えた」


「蓮……」


「だから、あの時の辛さも、今は感謝してる」


 蓮は微笑んだ。


「海斗と出会うための、必要な過程だったんだって」


「……そうだな」


 俺も頷いた。


「夢に振られた時は、絶望してた。でも、蓮と出会って、全部が変わった」


「うん」


「だから、ありがとう。蓮」


「こちらこそ」


 蓮は俺の頬に手を添えた。


「海斗、大好き」


「俺も」


 俺は蓮の頬に手を添え、ゆっくりと顔を近づけた。


 唇が触れ合う。


 柔らかくて、温かい。


 何度キスをしても、この温もりに慣れることはない。


 むしろ、キスをするたびに、蓮への愛情が深まっていく。


 離れると、蓮は恥ずかしそうに笑った。


「海斗とのキス、やっぱり好き」


「俺も」


「じゃあ、もう一回」


「蓮……」


「だめ?」


「だめじゃない」


 俺はもう一度、蓮とキスをした。


 ※ ※ ※


 夕方になり、俺は蓮の家を出た。


「じゃあ、また明日」


「うん」


 蓮は名残惜しそうに俺を見送った。


「明日から、また学校だね」


「ああ。でも、蓮と一緒なら楽しい」


「私も」


 蓮は嬉しそうに微笑んだ。


「じゃあ、おやすみ。海斗」


「おやすみ、蓮」


 別れ際、蓮が俺の頬にキスをした。


 家に帰り、ベッドに横になる。


 スマホを見ると、蓮からメッセージが届いていた。


『今日も楽しかった。海斗、ありがとう。明日から、また新しい日常が始まるね。楽しみにしてる。おやすみ』


 俺は返信を打った。


『こっちこそ。蓮と一緒の日常が、一番幸せだ。明日も、よろしく。おやすみ』


 送信すると、すぐに既読がついた。


 そして、ハートマークのスタンプが送られてきた。


「蓮……」


 俺は思わず、スマホを抱きしめた。


 文化祭は終わった。


 でも、これは終わりじゃない。


 蓮との新しい日常が、これから始まる。


 どんな未来が待っているか分からない。


 でも、蓮と一緒なら、どんなことも乗り越えられる。


 そう信じて、俺は目を閉じた。


 ※ ※ ※


 翌日の月曜日。


 いつものように昇降口で蓮を待っていると、彼女が笑顔で現れた。


「おはよう、海斗」


「おはよう」


 蓮は自然に俺の手を握り、二人で校舎に入る。その手の温もりが、俺に力をくれる。


 廊下を歩いていると、すれ違う生徒たちが声をかけてきた。


「鈴波副会長、春川くん! 文化祭、お疲れ様でした!」


「すごく楽しかったです!」


「来年も、よろしくお願いします!」


 次々とかけられる感謝の言葉。


 蓮は嬉しそうに応えていた。


「みんな、ありがとう!」


 教室の前で、蓮が立ち止まった。


「じゃあ、昼休みに」


「ああ」


 蓮は軽く背伸びをして、俺の頬にキスをした。


「頑張ってね」


「蓮も」


 教室に入ると、クラスメイトたちが声をかけてきた。


「春川、文化祭お疲れ様!」


「すごく楽しかったぞ!」


「来年も期待してるからな!」


 温かい言葉が、次々とかけられる。


 俺は軽く頷きながら、席に着いた。


 隣の男子が話しかけてくる。


「春川、鈴波副会長と本当にいい感じだな」


「そうか?」


「ああ。見てるだけで、幸せそうだもん」


 男子は笑った。


「俺も、早く彼女欲しいわ」


「頑張れよ」


「ああ」


 授業が始まり、いつも通りの学校生活が流れていく。


 文化祭は終わったけど、日常は続いていく。


 でも、この日常が、俺は好きだった。


 蓮と一緒の、穏やかな日常。


 昼休み、屋上で蓮と合流した。


「お疲れ様」


「蓮も」


 二人で並んでフェンスにもたれかかると、蓮が弁当箱を取り出した。


「今日も作ってきた」


「ありがとう」


 俺は弁当箱を受け取り、蓋を開けた。


 今日は、唐揚げ、卵焼き、ほうれん草のお浸し、そしてミニトマトが入っていた。彩りも綺麗で、美味しそうだ。


「海斗の好きなもの、たくさん入れた」


「嬉しい」


 俺は箸を取り、唐揚げを口に運んだ。


「……やっぱり美味い」


「よかった」


 蓮も自分の弁当を食べ始めた。


 二人で並んで食べる昼食。


 文化祭の準備で忙しかった日々とは違う、穏やかな時間。この時間が、どうしようもなく愛おしい。


「ねえ、海斗」


「ん?」


「文化祭、終わっちゃったね」


「ああ」


「寂しいような、ホッとしたような」


 蓮は複雑な表情を浮かべた。


「でも、この日常が一番好き」


「俺も」


 俺は蓮の手を握った。


「蓮と一緒の日常が、一番幸せだ」


「……うん」


 蓮は嬉しそうに微笑んだ。


 弁当を食べ終えると、蓮が俺の肩に頭を預けてきた。


「ねえ、海斗」


「ん?」


「これから、もっと色んなところに行きたいね」


「ああ」


「海斗と、たくさん思い出作りたい」


「俺も」


 俺は蓮の髪を撫でた。


 蓮の髪が、指の間をすり抜けていく。この感触を、ずっと覚えていたい。


「蓮と一緒なら、どこでも楽しい」


「……ありがとう」


 蓮は俺の胸に顔を埋めた。


「海斗、大好き」


「俺も」


 空を見上げると、青空が広がっていた。雲一つない、綺麗な空。文化祭は終わった。でも、俺たちの物語は、まだ始まったばかり。これから、どんな未来が待っているのか。楽しみで仕方なかった。

 蓮と一緒なら、どんな困難も乗り越えられる。

 そう信じて、俺たちは前に進んでいく。夢に振られた時は、世界が終わったと思った。でも、それは間違いだった。あれは終わりじゃなく、始まりだった。蓮との、新しい物語の始まり。


 そして、これからも俺たちの物語は続いていく。


 ずっと、ずっと。


 蓮と一緒に。


「ねえ、海斗」


「ん?」


「ずっと、一緒だからね」


「ああ、約束する」


 俺は蓮を抱き寄せた。


「これから、どんなことがあっても、蓮の隣にいる」


「……うん」


 蓮は幸せそうに微笑んだ。


 午後の授業が終わり、俺と蓮は一緒に帰路についた。


「今日も、楽しかったね」


「ああ」


「明日も、楽しみ」


「俺も」


 駅の改札前で、蓮が立ち止まった。


「じゃあ、また明日」


「ああ」


 別れ際、蓮が俺の頬にキスをした。


「おやすみ、海斗」


「おやすみ、蓮」


 蓮が改札を通っていくのを見送りながら、俺は思った。

 文化祭が終わって、また日常に戻った。

 でも、この日常が、何よりも幸せだ。

 蓮と一緒の、穏やかな日々。

 これからも、ずっと続いていく。そう信じて、俺は改札を通った。新しい日常が、もう始まっている。


 蓮と一緒の、幸せな日々が。

 

 ――破滅の時は突然に――

 

 夢に振られ、デマを流され、絶望していた俺。

 でも、蓮が手を差し伸べてくれた。

 蓮と出会い、本当の恋愛を知った。

 破滅だと思っていたあの日は、実は新しい始まりだった。蓮との、幸せな物語の始まり。そして、これからも俺たちの物語は続いていく。

 ずっと、ずっと。

 蓮と一緒に。

 蓮の笑顔が、俺の全てだ。この幸せを、絶対に守り続ける。

 その決意を胸に、俺は前を向いた。

 青空の下、俺は歩き続ける。蓮との未来へ向かって。その未来は、きっと明るい。蓮と一緒なら、どんな未来でも幸せに変えられる。

 そう信じて、俺は一歩ずつ前に進んでいく。


(文化祭編完)

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

このお話が少しでも面白いと感じていただけたら、ぜひ「♡いいね」や「ブックマーク」をしていただけると嬉しいです。

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