表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【旧作】じゃじゃ馬セレナの不器用真っ直ぐ錬金術〜未来の誰かのための魔導具作り〜  作者: 八坂 葵
第三章 王都という名の試練

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/75

第30話 いつもと違う冬休み。王都旅行決定!

今回からいよいよ王都旅行編です!

基本ヴェルダの街周辺しか知らないセレナ、そしてアミーカが、王都でどんな人と絆を結び、どのような成長を果たすのでしょうか?

 ハァーと吐いた息が白く染まる。

 冬休みも迫り、学校では年末をどう過ごすかという話がチラホラ出てきた。


(うちはいつも通り『月のしずく』でバカ騒ぎかなぁ)


 今年になってバルドさんとパパが仲良くなったのだ。

 ヘタをしたら徹夜で騒ぎかねない。

 ブルルッ。

 そうならないよう、ママと止めなきゃね。


 そんな私の想像は、帰宅後すぐに破られることとなる。




 家に帰るとママが工房から出てきて


「セレナ、ちょっといい?」


 と私を呼び止めた。

 何気ない呼びかけだと思ったのに、続いた言葉で一気に目が覚めた。


「王都からお仕事の依頼が来たのよ。」


「えっ、王都?」


 声が勝手に上ずる。

 ママの昔の師匠ベーネさんから、王都の街灯交換の手伝いを頼まれたらしい。耐用年数が一気に来て、周辺工房にも応援が回ってるとか。


 お給料もしっかり。生活は心配なし。


(でも、ママだけ王都に行って、わたしはパパとお留守番? いや、リオはいてくれるけど。)


(ママが長くいないのはさすがにイヤだな。)


 そんな気持ちを見透かしたように、ママは笑った。


「セレナも一緒に行きましょ。パパもリオも連れて、みんなで。」


「……みんなで?」


「下宿も用意してくれてるの。ペット可よ。私も昔ね、そこで猫を飼ってたの。」


 懐かしそうに言うママの横顔で、不安が一気に消えた。


「リオ、一緒に王都だって! よかったね!」


 頭を撫でた瞬間、リオが勢いよく飛びついてきた。


「ちょ、リオ、待った……あーっ!」


 ドスン。


「グエッ。」


 椅子ごと床に倒れて、思わず変な声が出た。


「あらあら、大丈夫?」


「平気。あー、うん、どこも痛くないよ。」


 リオが上目遣いで「クゥン」と鳴く。

 しょんぼり具合が分かりやすい。


「もう、リオったら。怒ってないよ。王都でもいっぱい遊ぼうね。」


 抱きしめたら、あったかくて、冬の冷えなんて一瞬で飛んだ。




 王都。

 パパが若い頃に住んでいた街。ヴェルダの何倍もあって、珍しい素材も魔導具もある。


(うわ、最高じゃん。色々見たいなぁ。)


 と浸ってると、工房からパパがぬっと顔を出した。


「昼はママが仕事だからな。パパが案内してやるぞ。」


 手を拭きながら得意げだ。


「王城に冒険者ギルドに錬金術師ギルド、昔馴染みのうまい飯屋もな!」


(王城!どれだけ大きいのかなぁ。)


「うわぁ、楽しそう。よろしくね、パパ。」


 そう返したら、リオまで尻尾をぶんぶん振って楽しそうにしていた。




 次の日、学校でアミーカに話したら案の定だ。


「えー、いいなぁセレナ。うち食堂休めないから旅行なんて行けないのに。」


 そりゃ羨ましがるよね。

 でも冬休みはほとんど遊べなくなるし、ちゃんと話しておかないと。


(でも私だって本当は、アミーカと一緒に行けたら。)


 あれ、でもウチなら無理じゃないよね?

 けど先にこれアミーカに言って、ママ達に断られたら、きっと私もアミーカも立ち直れない。


 まずは家に帰ってからだ。




 家に帰るなり、工房へ突撃。


「ママー!」


「いいわよ。」


「…まだ何も言ってないんだけど?」


 謎の即答に、思考が止まる。


「アミーカちゃん連れて行きたいんでしょ。顔見たら分かるもの。」


「え、えっ?」


「フローラさんとバルドさんにももう話してきたわよ。あなたのところなら安心して預けられるって。」


 さらっと爆弾を置いてくる。


 さらに追い討ち。


「今日は『月のしずく』で夕ご飯よ。お礼にごちそうしてくれるって。」


(…ママ、凄い。)


 もう笑うしかない。

 胸が軽くなるのに、頭だけはずっと追いつかない。


「ママ、ありがとう!」


「家族旅行は賑やかなほうが楽しいでしょ?」


 そう言われた瞬間、胸がぽかっと温かくなった。


 アミーカと一緒に王都。


 王都では何が起こるんだろう。

 考えただけで、胸の奥がずっと落ち着かなかった。

ママのマリエッタが恐ろしい行動をしてくれてますが、たぶん王都旅行編で一番雰囲気変わるのこの方かもしれません...

さっそく次の話でそれが垣間見えます。

次回もお楽しみ下さい!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ