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【旧作】じゃじゃ馬セレナの不器用真っ直ぐ錬金術〜未来の誰かのための魔導具作り〜  作者: 八坂 葵
第二章 つむじ風が吹いた教室で

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第18話 春の交流パーティー・後編 笑顔と友情のひととき

パーティーで初等学校入学前に遊んでた子たちと久しぶりのあいさつを交わしたセレナとアミーカ。今日はその続きです。

 私がアミーカでひとしきり笑った後、ふと会場の隅に目をやると、一人で壁際(かべぎわ)に立って、ジュースを飲んでいる女の子がいた。


 胸に青のリボン付けてるってことは確か、1年生の子だっけ?

 なんか周りの(にぎ)やかさから、一人だけ取り残されちゃって、少し寂しそうに見える。


(大丈夫かな…? 声、かけてみようかな…)


 私がそう思って、そっちに歩き出そうとした、その時。


「あ、いたいた!ティミナ、行こ!」


 別の1年生の女の子が、その子の手を取って、楽しそうに料理が並ぶテーブルの方へ駆け出して行った。


(…なんだ、お友達いたんだ。よかった)


 私はホッとして、アミーカたちの輪に戻った。


 —


 それにしてもなんだか今日の先生たち、様子がおかしくない?


 なんかさっきからずーっと、笑顔浮かべて楽しんでる様に見えて、実はこちらを真剣な顔で監視(かんし)、というか注意深く見てると言うか。


 (私の気のせいかな?)


「ねぇアミーカ、先生たち、なんか今日よくこっち見てない?」


「え? ほんとだね。昨日のやつ何かバレたっけ?まあ、気にしない気にしない!それよりセレナ、チョコレートファウンテン行こ!」


 (相変わらず軽い返事だなー。)


 でもこういう何かにとらわれずに行動できるのはアミーカのいいところだ。


「うん!」


 まあ、いっか。アミーカが言う通り、気にしないでおこう。


 —


 私たちは念願のチョコレートファウンテンに行き、イチゴをつけては


「おいっしー!」


と喜び、マシュマロをつけては


「たまらんっ!!」


と唸り、心ゆくまでチョコレートファウンテンを楽しんだ。


 もちろんそれだけじゃ単なる食いしん坊だから、ちょっとはいいトコ見せなきゃだから、


 串づくりが上手く出来ない1年生に串を作って渡してあげたり、


 この前イタズラで少し迷惑かけちゃった子を呼びつけて、チョコ楽しむスペースを譲ってあげたり、


 列に割り込みしてきた同級生を蹴り飛ばし、二人で大説教!

(これはマチルダ先生が仲裁(ちゅうさい)入ってくれたけど)


 と、まあみんなが楽しめるように気遣(きづか)ったりもしたんだよ。


 どう、偉いでしょ?


 —


 その後も、簡単な輪投げゲームに参加したり、他のクラスの子と楽しくおしゃべりできた。


 他にもお姉様に呼ばれて上級生たちが今後の進路をどうするか、真剣に考え始めてるのを教えてもらって為になった時間もあった。


 そっか、私たちも来年には同じように進路について考えるんだな。


 高等学校か、ママの弟子になって修行に入るか。

 どっちも楽しそうだなー。


 私たちのパーティーはそんな風に、時に楽しく、時に充実し、あっという間に時間が過ぎていった。


 —


 結局楽しすぎてアミーカも私もイタズラなんて欠片(かけら)も気持ちが起きなかったね。


 この充実感(じゅうじつかん)、まるで修学旅行とか、遊園地で開園からパレードまで遊んだ時みたい。

 絶対今日は幸せな夢見れること間違いなし!だね。


「あー、楽しかったねー!」


「うん! チョコ美味しかった!」


 私たちは満足感いっぱいで、グラウンドを後にした。


 —


 帰り際、体育館の横を通っていると、なんかどよ〜んとした空気を感じたので中を覗いてみた。


 すると、先生たちが片付けをしていたのだが、

 ゴードン先生とバルガス先生だけがやけにやつれているように見える。


 …なんだろう? パーティーの準備とかで疲れ切っちゃったのかな?


 監視(かんし)されていたことを楽しさですっかり忘れていた私たちは、首を(かし)げながら


「まあいっか?」と(うなず)き合って家路(いえじ)についた。

次回は『春の交流パーティー』先生サイドの苦労話です。本話が短かったので今回だけ2話同時に掲載しますね。それでは続きをお楽しみ下さい。

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