第17話 春の交流パーティー・前編 キラめく再開
先生達を捕まえるというビックリなイタズラをした「つむじ風コンビ」。いよいよ今日は『春の交流パーティー』開催です!
ついに春の交流パーティーの日がやってきた!
昨日の先生たちの受難(自業自得とも言う)のことはすっかり忘れて、私とアミーカは朝からウキウキ気分だ。
だって、だって、今日の目玉はなんと言っても、大きなチョコレートファウンテン!
ママが言うにはチョコが固まらないための加熱、内部でチョコを押し上げる送風の2属性が必要で、結構難しくて高い道具なんだって言ってた。
個人で持ってるのは貴族様くらいで、庶民はこういうパーティーの時だけ使用料払って借りて使うらしい。
前世でも見たことあるから楽しみは楽しみなんだけど、私はどちらかというとどういう魔導回路書いてるのかなー?っていう方が気になってしまう。
少しは錬金術師らしくなってきたのかもね。
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昼過ぎ、学校のグラウンドに集まると、そこはもうお祭り騒ぎだった。
色とりどりの飾りが立ち並び、テーブルには美味しそうな料理やジュースがたくさん並んでいる。
ちょっとしたゲームも用意され、もちろん一番奥にはキラキラ輝くチョコレートファウンテン!
「うわー! すごいね、セレナ!」
「うん! 早くチョコつけたい!」
私はアミーカと二人、目を輝かせる。
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パーティーには、私たち2年生だけじゃなくて、新しく入ってきた1年生から、一番お兄さんお姉さんの3年生まで、全校生徒が集まっているみたいだ。
「あ、セレナ!」
「セレナだー!」
会場を見回していると、見慣れた顔がいくつか。
私がこの学校に来る前に、近所で一緒に遊んでた年下の子たちだ。彼らも今年から1年生になったんだね。
「よう、新入り! 元気してた?」
私が先輩っぽく声をかけると、彼らは嬉しそうに駆け寄ってきた。
「うん! セレナも元気そうじゃん!」
「セレナ、学校楽しい?」
「毎日とっても楽しいよ!あ、紹介するね。こっちは友達のアミーカ」
「どうもー」
アミーカはニコッと笑って手を振る。
男の子たちはちょっと照れたみたいに、もじもじしながら挨拶を返した。
可愛いなぁ。
「セレナこそ、どう? 学校慣れた?」
今度は、後ろから聞き覚えのある声がした。
振り返るとそこには3年生のお姉さんグループ。
彼女たちも、ちょっと前までよく一緒に遊んでくれた近所のお姉さんたちだ。
「はい、おかげさまで!」
「あらあら、すっかりお姉さんになっちゃって。ねぇ、隣の子は?」
「友達のアミーカです!」
「へぇ、よろしくね、アミーカちゃん」
「は、はいっ!よろしくお願いします。」
さすがに上級生には緊張するのか、アミーカがちょっと固まっているのが面白い。
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しばらく旧友たちとの再会を楽しんでいると、今度はアミーカが「あ!」と声を上げた。
「ケンちゃん! ひさしぶりー!」
アミーカが手を振る先には、少し離れたテーブルで友達と話している、がっしりした体格の男の子がいた。たぶん、3年生かな?
男の子はアミーカに気づくと、少し面倒くさそうな顔をしながらも、こっちに歩いてきた。
「よお、アミーカ。騒がしいな、お前は。」
「だってケンちゃんだもん! セレナ、この子はケンちゃん。うちの近くに住んでて家によくお肉運んでくれるんだ。
そう話すと少し懐かしそうな目をして、
「私、学校入る前、よくケンちゃんと遊んでたんだよ!」
アミーカはそう話す。
私はケンちゃんの前に行き、
「へぇー、そうなんだ! よろしくね、ケンちゃんさん。」
と手を差し出した。
「おう。」
とぶっきらぼうな返事だが、軽く握手をし返してくれたケンちゃんの顔が少し赤い。
最初は「まさか私にも春が!」と勘違いしたが、よく見ると視線はアミーカを向いている。
…ん、待てよ?
学校入る前によく遊んでた近所の男の子…もしや二人だけで?
「ねぇねぇアミーカぁ、もしかしてこの人、アミーカの彼氏ってやつぅ?」
私がニヤニヤしながらわざとねちっこく尋ねると、ケンちゃんの顔がみるみるうちに真っ赤になった!
「なっ…ち、ちげーよ!!」
「えー、違う違う。うちの親って基本食堂で働きっぱなしじゃん?だから一つ上のケンちゃんに面倒見るようお願いしてただけよ。」
逆にアミーカはとてもサッパリした返事だ。
ケンちゃんごめん、脈なさそうだよ…
ケンちゃんもそれが分かってるのか少し悲しい顔になった。
あああ、家でたまに見るパパの顔と同じになっちゃった。
よし、ここは少しでもアミーカに意識させて名誉挽回といこう!
「えー、でもアミーカ、顔のこの辺赤いよ?」
と私はアミーカのほっぺを人差し指でツンツンつつく。
「そんなわけないじゃん、アッハッハ!」
「幼なじみってことはおふろも一緒に入ったのかな?」
「そ、そんなわけねーだろ!」
こら、ケンちゃん、君が潰してどーする?
「ま、まさか!お医者さんごっこでアミーカのはだか見たとか?」
この言葉に今まで笑顔だったアミーカの顔が急に真っ赤になり、
「もー、セレナのバカー!!」
と私の背中をポカポカ叩く。
まあケンちゃんが好きとかよりは、この年になってお風呂だの裸だの言われて恥ずかしくなったんだろうけど。
でもケンちゃんを男の子だったって意識させること、少しは出来たみたいかな?
ふふん、実質22歳の私からしたら10歳の女の子の気持ちをどうにかするなんて朝飯前よ!
最近22歳だったことけっこう本気で忘れてるけど…
引き続きアミーカはそこそこ強い力で私の背中をポカポカ叩き続ける。
「いたいよ〜、アミーカ〜。」
そう言いながらも私はケラケラ笑っていた。
うん、こういう友達とのやり取り、すごく楽しい!
…とりあえずお医者さんごっこは否定しなかったな、メモメモ。
セレナはアミーカをからかって楽しんでますが、このツケはいずれ自分に返ってくる予定です(笑)




