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アトゥイカクラ

作者: たぶれっと

よく視たモノ達の棲家は

人のアタマか幽玄か




昼の商店街。

日夜、地下に籠もって仕事をしているので、久しぶりの日光浴。

気持ちいい。


ほぉ?

この辺では珍しい美人さん発見。

背が高く暖色系の服で慎ましく決まっていた。

派手すぎず地味すぎず。


前に駅で見たヴァイスお兄さんと同レベの格好良さ。

ヴァイスお兄さんは毒々しくも決まっていた。

この美人さんは凛々しい。

可愛い綺麗も良いが、格好いい人に目が留まる。

零崎人識の趣味に同意。

リプリーに喝采を送ったのも懐かしい。


夜に寝室のベッドで寝転んでいると視える。

なんか太いのが?

蛇?

えらい太い…………。

ツチノコつーか、ナマコみたいや。

これでナマコみたいなものなら、そっちの方が嫌やな。


まあいつもの視え方で、ちょっとの間視えて消えた。

視え方としては、光学迷彩したプレデターみたいな感じ。

暗がりの中、違和感があって紛れてちょっとの間視える。


ナマコって………。

這い寄る某とか、アッチ系統は好かんな。

と思い、調べてみたら、あららナマコあるんや?

アイヌの民話でアトゥイカクラという名前の妖怪。

元は女の肌着が化けたもので、船を沈めるぐらいのでっかいナマコやと。


まあ視えたんは、柴犬ぐらいの大きさやったけど。

ナマコなんかおらん思って、陸やしツチノコと思ったけど。

おるんかナマコの妖怪。

世界は広い。

いや自分の寝室やけどな。

出張ご苦労さん。

そしてネットの図鑑にも感謝。



そしてツラツラと考えた。

いつもニコニコした主治医に、この半年の一連の百鬼夜行の事を話したら


「なんでもっと早く言わなかった」


と怒られた。

幻覚として処理されて、お薬は増えなかったけども。

しかして思う。

知識として知っているモノを視るのなら、頭の作り出した幻覚と分かるのだけども、故に妖怪の類は伝承し人の口から頭に棲み視せられるのだと。

それなら分かる。

しかし今回のナマコは俺は知らなかった。

頭の知識に無かったアトゥイカクラを視た事に説明かつかない。

憑いていない。

この判じれない不可思議な件を経て、視たモノは幻覚ではなく本当にナニかを見てたんかな………と、見えない世界はあるのではないか?

とロマンを少し抱いてもいい気はしているのでした。







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