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無題  作者: ああああ
4/15

無干渉

さて、第4話です。おそらく連続投稿はこれで最後だと思います。テスト4日前なのでそろそろ勉強しなくては…。しかし来週中にはまた投稿出来ると思います。

ダメ作者の下らない駄文ですが楽しんで頂けたら幸いです。

PS.PV2000越えました。大感謝です!

僕には自分が無い。これは、僕が生きていく上で身に付けた処世術だと考えている。自分を無くすことによって、周りとのトラブルを避ける。自分を隠す事によって、周りに迷惑をかけないようにする。ゆえに僕には自分が無い。いてもいなくても同じ存在。世界に全く干渉しない存在。それが僕だ。

僕がこんな風に育ったのには理由がある。僕が8歳の時に両親は死んだ。殺された。それも、どこまでもくだらなくて、どこまでも意味のない愉快犯に。

しかし、僕がその犯人を憎むことはなかった。別に親が嫌いだったわけではない。むしろ大好きだった。それなのに何とも思わなかった。何とも想えなかった。その時、僕は悟った。ああ、僕は周りとは違う。周りとは相容れない。その事が悲しくて泣いた。呆れたことに、両親の死よりも自分との周囲の間にくっきりとした溝がある事のほうが悲しかったのだ。それを知ってついには悔やんだ。とうとう憎んだ。僕自身を。そして恐れた。こんな僕の正体が周りにばれるのがどうしようもなく怖かった。周りとは違う。たったそれだけで死にそうなほど苦しかった。

そして狡猾にして最悪な僕は自分を偽ることを選んだ。周りに偽ることを選んだ。自分を保つ強さも、自分をさらけだす強さも持ち合わせていなかった。

こうして僕には自分が無くなっていった。ただひたすら周りに流され、ただひたすら自分を流した。

以前、鷹島からの誘いを断ったりしたのは、僕はたまに誘いを断る事があると鷹島たちが思っているから、僕はたまに、3ヶ月に一度あるかないかの割合で誘いを断る事にしている。二回連続で断ったのは、媛姫との約束があったからだ。

しかしこんな生活が長く続く訳がない。いつかは周りも僕に対して違和感を覚えるだろう。そしてすでにその兆候が見えている。周りは僕に対して確実に接し方を変えてきている。僕はそのたびにうまく周りを誤魔化しているがばれるのも時間の問題なのだと思う。

だから後少しの間だけでも楽しもうじゃないか。僕が終わるその日まで。


「麗梨君…朝…起きて…。」

日曜日の朝7時30分。いつもより一時間遅い起床。そして妹と朝から出かける日だ。

「おはよう静香。」

「ご飯…できた…から…早く降りて…来て…。」

そう言って先に下へ降りていく妹。僕も大きく伸びをする。今日は妹と一緒に町の駅の近くにある大型デパートで買い物をすることにしている。そのデパートはかなりでかくて一日ではとてもじゃないが回りきれない。さらに今日は日曜日だから客の数もすごいことになっているのだろう。まぁ急いでる訳でもないのだから、ゆっくりやるさ。


下に降りると今日の朝食はクロワッサンにバターロール、各種ジャムにアボカドサラダにコーヒーだった。「静香…家にクロワッサン作れるようなオーブンあったっけ?」

「それは…友達の家の…オーブンを…借りて…作った…。」

そこまでしてクロワッサンを作りたがった理由が知りたい。食べたかったのか?

朝食を食べおわると、すぐに私服に着替える。僕は赤い長袖の服にジーパン、上からネズミ色のパーカーを羽織るという何とも適当な服装。それからケータイと財布を持って玄関で妹を待つ。

「僕は準備できたけど慌てる必要はないからな〜!」そう言って少し今日の予定を考えることにした。


静香side


私は兄である麗梨君の声を聞き、服を着る作業を早めた。私は彼に、兄に対するもの以上の想いを抱いている。だから私は彼の事を兄とは呼ばない。そして彼の前ではまともに喋れない。学校ではふつうに明るく振る舞えるし、普通に会話もできる。しかし彼の前に立つと、恥ずかしさと緊張感でどうしてもうまく喋れないのだ。それほどに彼の存在は大きい。私にとって彼は兄以上の存在だから。彼の事を私はすでに異性としてとらえている。彼が愛しい。彼が欲しい。苦しくて、狂おしい彼へのこの想いを、私に止めることは出来ない。

私が7歳の時に両親は死んだ。私はただ泣いているだけだった。でも、彼は泣かなかった。ただ強くあり続けた。両親が死んでから私達は二人だけで暮らした。家事のほとんどは彼がこなした。私と一つしか年齢が違わないのに、すでに現実と向き合う強さを持っていた。お金については、親の莫大な遺産と多額の保険金が入ってきたので問題なかった。私も中学生になると、彼の手伝いが出来るようになった。洗い物や洗濯ぐらいなら余裕でこなせるようになって、少しは彼の負担を減らせるようになった。しかし私は気付いた。彼に負担を掛けているのは家事なんかではない。わからないけど、そんな目に見えてわかるような肉体的疲労等ではなく、分かりにくくて目に見えない精神的疲労ではないかと思うんだけど、彼に疲れてないかとか聞いてもいつもはぐらかされてしまう。しかし、疲れていないと明言しない辺り、おそらくは何らかの負荷がかかっているのだと思う。後困ったことに、彼は自覚していないけど、非常にモテる。顔は中性的で整った顔立ち。黒く澄み渡った短い髪と瞳。

きれいで染み一つない白い肌。だから私はなるべく友達を家には連れてこない様にしてる。しかし私には強力なライバルがいた。石崎媛姫。彼の小学生からの幼馴染み。彼女は確実に彼を狙っている。昨日だって彼と中庭で二人きりで食事をしていた。その分の差をうめてあわよくば一歩リードするために、今日のデートはなにがなんでも成功させなくちゃ!こうして私の中での戦いが始まった。


麗梨side


妹も着替え終わったようで、二人で家を出て鍵を掛ける。妹の着ている服はご想像にお任せします。(決して作者が女の子の服はよく分かんないからではないよ?)まぁ所謂可愛い系で、全体的に明るい色だったとだけ言わせてほしい。

さて、ここから目的地の大型デパートまで歩いて30分かかる。バスで行けば速いいのだが、妹は歩いて行きたいと強く希望していたので、歩いて行くことにする。ただ黙って歩くのも辛いので、妹に話題をふる。

「そういえば、静香とこうして出かけるのも久しぶりだね。」

「うん…去年の…誕生日…以来…」

たしかに去年の誕生日は静香と海へ行った。しかも真冬の。ただ何をするでもなく二人で海を見ながら話した。思い出話や学校での生活、最近のニュースとかお互いの好きなテレビ番組。本当に何をしてやるでも、何をしてもらうでもなく、ただ二人一緒にいたそれだけで僕は楽しかった。妹も楽しんでいてくれたら嬉しい。そんな妹の誕生日を二人で過ごした。

そんな事を妹と話ながら歩いていると、

「あっれ〜、静香じゃーん!」

急に後ろから声がした。振り返って見ると、そこには今風の格好をした二人の女の子がいた。

「明美ちゃん!?理江ちゃん!?」

「いやー静香もやるね、そんないい男捕まえるなんてさ〜。」

どうでもいいけど結構古くないかその言い回し。

「違うよ!この人は私の兄で…。」

「えー!?何それ静香もしかしてブラコン!?」

というか僕の妹、友達相手には普通に喋るんだね…。僕相手にはどもるのに…。お兄さん何だか悲しい…。「明美ぃ…?理江ぇ…?」おや、何だか妹の様子が…「あ、まずいこの雰囲気は……。」

「悪魔泣かせの静かなる混沌…。逃げないとやばいよ明美!」

「逃がさない…。」

一瞬にして二人の背後に回り頭を上から鷲掴みする妹。

「謝るまで…帰さないよ…?」

「ひ、ひぃぃぃぃぃ!」

「ごめんなさい悪かったです!お願いだからこの前みたいな学校の屋上からバンジージャンプの刑はやめて〜〜〜〜!」

えーと、学校で僕の妹は何をしているのだろう。

「フフ、大丈夫だよ?ちゃんと謝った人に罰を科すほど私は残酷ではないもの。でももうこの人との買い物の邪魔はしないでくれる?さもないと…。」

「さ…さもないと?」

妹は二人の耳に口を近付け、耳うちする。二人の顔はみるみる青ざめていき、目は大きく見開かれ、体はブルブル歯はガタガタ、そして妹の不気味な笑み……。「分かった?」

「「は、はい!」」

「じゃぁもう行っていいよ?」

「し、失礼しました〜!」すごい速度で走り去っていく二人。ボルトが見たら、もう余裕こいた走りなんか出来ないだろう。

「なぁ、静香…。」

「なぁに…麗梨君…?」

いつもどおり(僕にとっては)の喋り方に戻る妹。

「学校…楽しいか?」

そう聞くと、妹はゆったり笑って、

「うん…とっても…。」

歩き始めたのだった。


さて、それから10分程歩くと、デパートに着いた。

「すごい人混みだなぁ。まぁいいか。静香はどこに行きたい?」

「ベビー用品…。」

いきなりぼけ始めた!

「静香…?さっき友達に会った時からなんかいつもと違わない?」

「そんな…事…ない…。二人の…未来を…考え…たら…。」

そういって顔を赤らめうつむく妹。

「まぁ冗談はその位にして、静香に行きたいところが無いなら、僕ちょっと本屋を見てきたいんだけど。いいかな?」

顔を赤らめたままコクりと頷く妹。

「じゃぁ行こっか。」

妹の手を引いて本屋へと向かった。妹の顔が更に赤くなった気がしたけど気のせいだろう。


本屋で目当ての本数冊を買った頃、時計を見るともうお昼時だった。お腹もすいたので妹の好きなうどん屋に入る。

お互いにあらかた食べ終えた頃、妹が口を開いた。

「今日…は…ありがとう…麗梨君…。」

「その台詞を僕が言いたくて今日は一緒にいるんだから言わないでよ。」

「う…ごめん…なさい…。」

「謝らなくていいって。でも改めて、いつも僕の世話してくれてありがとう静香。これからも迷惑かけると思うけど、その時は隣で支えてくれると嬉しいな。」「!!!」

急に大げさなリアクションをとる静香。

「どうしたの?」

「れ…麗梨君、今の言葉ってつまり…」

また喋り方が変わった。近くに友達でもいるのか?と思って辺りを見回してみると…

「あれ?あいつは…鷹島!?」

なんと鷹島がいた。

「くっそ〜いいところまできてばれたか〜!しかし鈍感君、おまえも中々残酷じゃないか。天然で妹にプロポーズしちゃうんだからさ〜!なぁ、そうは思わないか媛姫!」

「な!媛姫までいいるの?」

見当たらないけど一体どこに…

「ここですわ。」

「うわぁ!」

何といつの間にか僕の席の隣にいた。向かい側に座っていた妹でさえ気付かなかったようだ……。恐るべし石崎媛姫!!

「実の妹をデートに誘うだけに飽き足らず、プロポーズまでするだなんて、麗梨は変体ですの?変体ですのね?」

オーラが……スカウター破裂どころの騒ぎじゃないって!オーラで人殺せるって!絶対200以下のダメージを受け付けないって!ちなみに僕が媛姫と呼ぶようになってから、媛姫も僕のことを麗梨と呼ぶようになった。少し恥ずかしい…。じゃなくて!

「え〜とですね、今のは妹と家族の絆を深めただけですから他意は…。」

「え?…麗梨君…そうだったの?…そんなぁ…ぐす…。」

なぜ泣くのですかマイシスター?

「挙げ句の果てに妹を泣かせるなんて…もう最低ですわ麗梨!」

「ま…待っt「問答無用!!!」

こうして僕は高校生活では初めての媛姫からの手刀をもらいましたとさ。


楽しんでる。僕は間違いなく。人間じゃないくせに。人間以下のくせに。この怪物ごときが、この人間もどきが、自分の本来の姿を忘れて幻想の世界に入り浸っている。下らない。意味が無い。何もない。本当に吐き気がする。苦しくて辛いからといって本来いるべき世界から逃げている。本当に弱い。本当に怖い。いつかこの生活が終わることを知ってるから。

それを知りながら僕は今日も笑って過ごす。それを忘れながら過ごす。

やはりどこまでいっても下らない存在だ、と僕は思った。


さて、読んで頂ければ分かると思いますがこの作者。服装の表現が恐ろしく下手ですね。キャラの服装を読者の想像に任せるなんて世界初の愚行ではないでしょうか。

そんなダメ作者ですがそれでも応援してくださる方がいれば最後まで見守って頂けたら幸いです。

それでは。

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