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無題  作者: ああああ
13/15

無策(2)

進歩のない文章ではありましけど、楽しんで頂けたら幸いです。

P.S.PV30000越えました。皆さんのおかげでしかありません!本当にありがとうございます。

天津さんと目当ての映画「ライオン・ベジタリアン」を見た後、そのまま近くの喫茶店でお茶をすることになった。僕はレモンティー、天津さんはブラックコーヒーを頼む。しばらくして運ばれてきたレモンティーに、僕はガムシロップを入れる。

「あなた、高校生にもなってガムシロップなんか使うの?まだまだ子供ね。」

天津さんにおもいっきり見下された。…見た目が中学生な天津さんに言われると何か違和感が…

「告君麗梨、あなた今私に対して失礼なこと考えてなかった?」

エスパー!?

「いや、そんなことないですよ?」

そんなことありますけどね。

「…まぁいいわ。それにしてもつまらない映画だったわね〜。」

心底つまらなさそうに天津さんはため息をつく。「ライオン・ベジタリアン」はその名の通り、野菜しか食べないライオンの物語だ。肉を食べるか野菜を食べるか、それだけの違いで食物連鎖の輪が崩壊し、地球規模の災害になってしまう物語。僕はこのライオンに対して、吐き気のするような仲間意識を抱いてしまった。当たり前の事が出来ない。そのせいでライオンは世界を壊し、僕は僕自身を壊す。どちらも同じことだ。世界の崩壊は僕自身の崩壊であるし、僕自身の崩壊は世界の崩壊でもある。ここで言う世界とは、僕自身の世界のことではあるけれど。

「それに、あそこのムササビのところも解りづらいし…ってあんた聞いてるの?」

「え?」

どうやらぼっとしていたようだ。

「まさか、聞いてなかったの?」

…またしても嫌な予感。

「いやいや、そんな事はないですよ?天津さんの言葉なら、一言一句もらさず聞いてました!」

「…………。」

疑わしそうな目で見てくる天津さん。

「ホントですってば!さっきは、ええと…そう、ライオン・ベジタリアンがつまらないって話でしたよね!?」

もう必死な僕。何でこんなに必死になっているのかは、僕自身にすら分からない。

「…分かったわよ、もういいわ。」

呆れたようにため息をつく天津さん。…助かった。

「ところで、告君麗梨。」…どうやら僕に休みは与えられないみたいだ。

「何ですか、天津さん?」「何よ、その嫌そうな顔。…まぁいいわ。あなたって、何で後輩の私に敬語なの?」

また何でそんな事を聞くのだろう?というか、天津さんってそもそも後輩だったっけ…。すっかり忘れてた。

「いや、特に理由はありませんね。僕は誰にだって敬語です。」

「この前あの綺麗な先輩を下の名前で呼び捨てにしてたじゃない!」

その時、天津さんはまるで焦っているかのように少し大きめの声で僕に言ってきた。僕を睨んでいるわけでもないのに、少しの殺気と、僅かな罪悪感を感じる。それに、何故だろうか、僕は今恐れている。何に対してなのかは解らないけど、でも、恐れているのは確かだ。

「媛姫のことですか?それは別に、ただ単にそう呼ぶように頼まれたからであって、その…。」

しどろもどろになりながら、天津さんに説明する。

「へぇ…それなら私もそうするわ。」

「へ?」

つまりは、天津さんも僕と同じように敬語で話し掛けてくるということだろうか。

「だから…私のことも、名前で呼んで。」

ああなんだ、名前のことか。

「構いませんよ、えっと…藍満。」

その時だった。天津さんの…いや、藍満の顔はみるみる赤くなり、体は強ばり、頭からは湯気が出た。…トーマ〇?

「大丈夫ですか、藍満。」「ひゃぁ!」

何か驚かれました!?呼び捨てにしろって言ったのは藍満なのに…。

「心の準備も終わってないのに、私の名前を呼ばないで!」

「自分がめちゃくちゃなこと言ってるの分かってますか…?」

泣きそう…。

「もういいわ、帰りましょう!」

半ば投げ遣りな対応に見えなくもない…。

「だいたい、あんたみたいなガキを何でこんな大人でお洒落な私が好きになるわけ…?」

ぶつぶつと呟く藍満。

「何か言いました?」

「何でもないわよ!」

叫ばれた…。周りの視線が痛い…。

「それじゃ、行きましょうか…っと、その前に。」

「?まだ何かあるの?子供っぽいあなたは、お子様ランチのおまけでも忘れたの?」

よく解らない敵意をむき出しにして僕を見下す藍満。「いや、違いますけど…その、ブラックコーヒー、藍満はいつ飲むのかなって。」

僕が指差した机の上にはまだ一口も飲まれていないブラックコーヒー。

「藍満ってもしかして苦いのが苦t「うるさい!」」また分けも分からず藍満に殴られた…。


その帰り道、今度は手も繋いでないけれど、それでもたくさん話をした。学校のこと、部活のこと…。

そうやって話をしているうちに、いつの間にかもう学校の校門の前だった。これで彼女とはお別れだ。

「今日は楽しかったですよ。」

「私もまぁまぁ楽しかったわね。」

うん、藍満も満足したみたいだし、この辺でお開きに…。

「天津ぅ…。」

ふっと、聞き覚えのある声がした。以前、天津さんと二人の時にあった…

「せ、先輩…。」

陸上部の部長だった。


明日も投稿する予定です。それで無策は終了になります。ダラダラと長い話にしてしまって、申し訳ないです…。

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