無印
発投稿です!緊張してます。駄文を散らしただけじゃねーか!と言われても何の反論も出来ません!こんな私ですがよろしくお願いします。
「あなたは何?」
ただ何の変哲もないいつもの学校。部活に入ってない僕はさっきまで友達と教室で談笑していたが、友達は部活があるためもう教室を出ていってしまった。
「あなたは誰と喋っているの?」
僕もそろそろ帰ることにしてカバンに荷物をつめる。思い返してみれば充実しているようで、物足りないようで、大切なようで、空虚だったようで。言ってみれば、当たり障りのない、何の変哲もない、そんないつも通りが終わる、その直前。
「あなたは何を見ているの?」
彼女は現れた。長くて黒い髪。端整な顔立ち。透き通るような白い肌。しかし何よりも、彼女の雰囲気が印象的だった。彼女を構成するすべての要素が自己主張を拒否しているかのような何ともいえない空気感。
「あなたはどこにいるの?」
僕は彼女に魅入った。別に容姿がどうというわけではなく、ただふいに、何となく、虚心に、何の感慨も、何の感想も、何の感傷もなしに、ただ彼女に魅入っていた。
「あなたはあなた。」
僕が呆然としていると、彼女は僕に聞いてきた。それは質問というには彼女は僕に答えてほしいわけでは無さそうだし、尋問にしてはあまりにも威圧感とか、少なくとも脅迫めいてはいなかった。
「あなたはあなた自身としか喋れない。」
聞いてくる彼女からは本当に何も感じられなかった。それは感情だけではなく、そもそもそこにいるという存在感も無いかのような、そんな虚ろで儚げで繊細で脆い彼女。
「あなたが見ているのはあなた自身。」
しかし彼女から放たれる言葉はあまりにも強かった。その一言一言が確実に僕の精神をえぐっていく。今の僕にはとても受けきれない、強くて固くて難いことば。使われる単語はとても素朴で、単純明快な内容。だからこそ誰にでも意味が通じる。通じてしまう。こんな僕なんかにも。
「あなたがいる場所はあなたがいると思っている場所」
ただただ鮮明に、単純に、明快に、簡単に、僕は理解する。再認識する。僕という存在を。聞きたくない、分かりたくない、認識したくない僕という存在の本質を。さっきまでの今日という日の認識を改めることにする。今日は間違いなく最悪な日だ。今までのいつも通りはこの瞬間に間違いなくひびがはいったろう。そして今日で終わりではないと思う。僕と彼女はたった一日でその関係を断ち切れるような簡単なものではないように思う。僕が意識しなくても、僕は彼女に出会う。そうおもった。
「キミには…」
「あなたには…」
「「何もない」」
「あの…朝です…起きてください…。」
朝の6時30分。僕は妹に、おそらくは僕にしか気付かれないような小さな声で起こされた。
「あのさ…起こす気あるならもう少し声出したほうがいいと思うよ。まぁ起こしてくれることには感謝してるけどね。」
「はい…善処します…。」返答がすでに消え入りそうだった。こんな妹が僕以外の人と会話出来るのだろうか。
「朝御飯できたので…下に下りてきてください…。」「やだ。もう少し寝たい」少し駄々をこねてみた。
すると途端に妹の目に涙が溜まっていき、手は握りこぶしになって震えて、下唇をかんで必死に泣くのを堪えていた。
「わ…分かりました…それでは…。」
「待って冗談だからまずは泣くのをやめよう頼むから!もう今すぐ降りる五秒で降りるから少し待っててお願いします!」
速攻で謝罪。僕はシスコンなのかもしれない。
「分かりました…待ちます…。」
なんとか泣き止んでくれたが、声は相変わらず暗いままだ。取り敢えず寝間着のまま妹と共に下へ降りる。和食のいい匂いがしてくる。家には両親がいないので全て我が妹である静香の料理だ。この妹は本当によくできた妹で、家事のほとんどを任せっきりにしている。妹はもう高校生で、成績は学年でも必ず学年で10位以内に入っている。僕にはよく分からないが、まるっこくて大きなぱっちりとした目や、低い身長から、所謂かわいい系として人気なようだ。
「いつも悪いね静香。ホント感謝してもしたりないよ。」
「それは…私の…セリフ…。」
「え?何か言った?」
「何でも…ない…。」
まぁ強いて欠点を挙げるとすれば、この静かすぎる性格だろうか。
「まぁいいか。取り敢えず食べようか。」
「はい…。」
さて今日の朝食焼き鮭と納豆と豆腐の味噌汁に、和風ドレッシングサラダ。焼き鮭は焼き加減が絶妙だし味噌汁も確実に普通のものとは比べものひならない程おいしいがその理由が分からない。文句のつけようが無い完璧な朝食だった。
「味…どうですか…?」
「僕に語彙が無いことは重々承知だし、わかったうえで言うけど…すごいおいしい。」
「ありがと…。」
そんなこんなで朝食を食べ終わると、着替えて学校へ行く準備をする。それも15分程度で終わり、先に玄関で待つことにする。
「静香〜!急げ〜!」
そう言うと妹の走ってくる音が聞こえた。
「ごめん…。」
「別に気にしてないよ…。てか行こうか。」
コクりとうなずいて歩き始める妹。まぁ僕も急かした割に急いではいないし。
妹と歩きながら雑談していると、後ろからドドドド〜!という音が聞こえてきた。そしてその音は僕の横でぴたりと止まる。
「ごきげんよう麗梨君。」さてここで驚くべき事態が発生。なんと僕の名前が今明かされた!誰に言っているのかは分からないけど。「おはようございます石崎媛姫さん。」
「媛姫さん…おはようございます…。」
「さん、なんていりませんわよ麗梨君。静香ちゃんもため口でいいわよ?」
この人は石崎媛姫さん。僕と同じ高校2年生でクラスは小学1年の頃から同じという所謂幼馴染み。金髪の髪を長くのばしていて、スタイルはとてもいいらしい…というのは友達の評価で、学校内では非公式のファンクラブがある程だという。
「というか流石ですね。あなたは走って来たのに息もあがってないし汗一つかいてないなんて。」
「まぁ私体力は昔から付けてきましたからね。」
と言って石崎さんは上品に笑う。
ちなみにあんな言い方をしてはいるが、彼女は校内で間違いなく10位以内に入る戦闘力を持っているかなりの強者だ。空手部所属の彼女は、すでに部長よりも強い。さらに空手部の影の権力者にもなっている。まさにインペラトルだ。ブルートゥスごときには殺されないだろうが。
その後も石崎さん、静香、僕で何の内容のない話題で談笑した。そして学校に着くと静香と別れて教室へ。自分の席に座るまで石崎さんと話していると、
「ヘイヘイ麗梨〜!元気してたかい?その様子だと元気そうだなところで昨日のニュース見たかいホント最近の政治家は信用ならんねマイケルジャクソン最高アオッ!ポゥ!ヒーヒー!そんなこんなでお前とは鉛筆削りの将来性について語り合いたいのだが1000円貸して?」
このたった一度の台詞であらゆる要素を詰めてくるのは僕の中学校からの親友である鷹島謙一。はっきり言ってこいつに話相手は必要ない。
「やだよ、てか石崎さんを無視するなよ…。」
「だから麗梨君、さん付けしなくていいと言っているのに。とはいえ取り敢えず鷹島さんごきげんよう。」「いや俺も挨拶忘れて悪かった媛姫。改めておはような。そうそう麗梨、お前に少し聞いておきたいんだけど。」
「何だい鷹島?」
「お前昨日の放課後月見夜宵と教室で話してたってホントか?」
「月見?だれそれ?」
「黒髪長髪の特別完璧流麗無欠秀逸の女の子だよ。」「黒髪長髪?ああ、そういえばお前と話した後そんな子と話したね。」
おそらくあの急に質問してきたあの子のことだろう。月見夜宵と言うのか…。
「マジでか?マジであの夜姫と二人っきりで話したのかよ!うわ〜何だこいつ!マンションでお手玉ぐらいありえねぇ!」
「どうしたの急に?」
「お前この学校内でNo.1の美女の事を知らんのか?あのお方と話せるだけでもすごいって事がわからんというのか?」
「ていうかあの人って美人だったんだ。」
「何だそれ!会ったはずなのにその反応!ちくしょ〜ちょっとかっこいいからって調子のりやがって!お前なんか扇風機に指突っ込んで泣き喚け!」
地味なダメージだ。というかこいつとの絆は割と浅いのかもしれない。ふと横を見てみると落ち込んだ表情の石崎さんが「そんな…ライバルがまた増えたの!?」とかなんとか言っている。テストの結果でも悪かったのだろうか。
そんな感じで雑談しているうちにチャイムが鳴り、みんな席に着いた。窓側の席にいれ僕は外を見ながら思い出していた。昨日のあの感覚…月見さんと話したときのあの気持ちの悪さを。
そして授業も4限目まで終わり昼休み。鷹島と石崎さんと三人で昼食をとることに…はならなかった。誘われたが断ったのだ。僕は結構ノリが悪い。理由もなく断ったのだし。
取り敢えず屋上で食べるか、と思い立ち、屋上への扉をピッキングする。
見てみると先客がいるようだった。(珍しいな…ピッキングの跡はなかったからちゃんと鍵を持っている人か僕並みにピッキングの腕がある人か…)
少し近づいてもう一度見てみると、制服からすると女の子のようだ。流れるような長い黒髪。透き通るような白い肌。そして消え入りそうな存在感。
「遅かったのね。待ちわびたわ。」
彼女は月見夜宵その人だった。
終わり方も少し捻れや!とか稚拙な文章だなオイ!とか思われたかも知れませんが申し訳ありません。これが今の私の限界です(爆)!自分の文才の無さを呪いつつせめてもう少しまともな文章書けるように頑張ります。それでは!