“腹ペコ獣人娘と毒の花”　タテドラル・リリィ　～食べ過ぎで追放された獣人娘。世知辛い人間社会で食べていく為に頑張る。～

「メイシア、俺たちのパーティから出て行ってくれ」

　苦楽を共にしたパーティから突然の追放宣告を受けた獣人の娘メイシア。
　いざ戦闘となればいつも最前線で体を張って仲間を守り、戦ってきたのに。
　メイシアの訴えもむなしく、リーダーのサイサンは残酷な現実を突きつけて彼女を置いていった。

　仲間に捨てられ、一文無しになったメイシア。
　不器用で道具を使えず、読み書き算数も苦手な獣人のメイシアには冒険者以外の仕事などできない。けれど悪評の広まった彼女と組んでくれる者はなく、路頭に迷うことになる。
　このままでは野垂れ死にだ。

　そんな時、メイシアの脳裏に閃くものがあった。

「いいこと考えた」

　メイシアのお腹が満たされる日は訪れるのか。
　食糧難の異世界ファンタジー生活。