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野生動物のゾンビ


誠とクリスは作戦を練った。

クリス「先ずは敵は人間では無い、小細工は通用する

が、常識は通用しないと思った方がいいな……」

誠「そうだな、その小細工ってのは何かいい考えでも

あるのか?」

クリス「一番手取り早く倒すのは、やはり銃だ、だが

俺の持つライフルの弾は無い、短銃の弾は1発」


地図を広げ覗き込む2人ーー

誠「銃のありそうな場所って事だな……うーん、無いな、

警官の銃は此処に来る時一応調べたが無かった、自衛

隊の場所も無い、大きな警察署も無いか……」

クリス「だが素手や多少武器が有った所で焼け石に水

だぞ」

誠「確かにな……文明の力でパワーで勝るものは」

クリス「……車やバイクだな、数台は簡単に見つかるだ

ろう、車は殆ど見かけなかったな……今此処にある軽ト

ラ2台、後は破損もしくはガソリンは既に抜いた後だと

照子さんから聞いた……物資運搬にいざと言うときの避

難に使う訳にはいかないな……それに住人が賛成すると

も思えない、となると使えるのはバイクか、お前はヤ

ンキーだから当然運転は出来るな?俺も出来る、車は

一撃が大きいが使えない現状に小回りが効かない、と

なるとバイク一択だな」


誠「シンプルにぶつけるか?」

クリス「1頭や2頭ならそれがいいが……」

誠「……そうだな、おばちゃんが言うには少なくても

10頭は居るって話だからなコケたら終わり、ぶつけた

らコケる、却下か……」


今まで敵対した事がない未知の戦いに困惑する2人、

クリスですら野生動物とどう戦えば良いか分からず

苦悩していた。

クリス「……ゲリラ戦で行こう、お前となら、やれんだ

ろ」

誠「と言うと?」

クリス「複数を纏めて相手するのは、無理だ、先ずは

敵の行動を把握し、行動を読み、その数が少なくなっ

た隙に少しずつ敵を減らすんだ」

誠「成る程ね……のった!」

クリス「だが時間が掛かる、獣は同じ行動をとり易い

が一度警戒されたら行動パターンは見直しになる、慎

重に行動するぞ」

誠「……了解した」


こうして2人は熊の行動生態を観察する事に徹した照子

さんの話から被害者の多くは西側の場所での被害が大

半を占めている、町は山と山の切れ込みの様な平坦な

土地の形をしている事から熊の生息地は西側の山と推測


熊の数は合計12頭、体躯の小さいのが5頭、身長2メー

トルを超える大型が5頭、そして群れのボスと思われる

2頭、これが3メートル級だった。


しかし疑問も有った、動物に感染はあり得る話だった

が哺乳類に作用する何かしらの侵略時のガスの影響な

ら今、現在の状況からして体躯のある程度大きい生物

なら感染するリスクがあると言う事になる、子供のゾ

ンビが発見された現在ではおよそ、8歳前後ブレはある

だろうが、それより大きい物ならば充分可能性はある

と言う事。


鳥インフル等、基本人間にうつらないと、されるもの

でも変異や状況に於いて感染のリスクはがある事から

の考察ではあるが、異星人の科学力からして固有の種

族を全滅させる殺虫剤の様な物を作るのは容易い事で

あろう、では何故そうしなかったか?効率的では無い

が答えになるだろう。


更に少ないガス量で固有の種族を同士討ちさせ、全滅

させるにはゾンビ計画は理にかなったものと言わざる

を得ないだろう。


だが何故ゾンビと化した熊が人間同様、近くに居る仲

間の熊を襲わないのか?これについては恐らく予想の

範囲だが、元々熊は野生だ、人間の様に考える脳をあ

まり使わない事から普段の凶暴性を剥き出しにしたと

しても共存する生活に於いてはあまり変化が無かった

と言う結論に至る、腹が満たされれば、怒りも納まる。

餌は確かに豊富にあった、そうゾンビである……この辺

りにゾンビの数が少ないのはそう言う事なのだろう。


人間の様に金がいくら有っても稼ごうという事や満腹

でも好きなものに対しては無理してでも食べると言っ

たものが根本に無いと思われる。悪戯に殺生をする人

間こそが実は一番野凶暴と言わざるを得ないものなの

かもしれない……


ーー1日目ーー

体力のある誠が西を担当をかって出た、辺りを拾った

バイクで駆けながら偵察する、音を出し、先ずはゾン

ビの数を把握する、更に熊を警戒させる為、集会所付

近中心にクリスと交代で日夜走り続けた。


2時間程走れば、定位置にエンジンを掛けっぱなしで放

置し、ゾンビの数を把握、同時に集会所へと引き離す。


だがゾンビを片付ける事はしなかった、何故か……それ

は熊の餌を減らさない為であった。空腹になると冬眠

期前と同じく凶暴化する恐れを危惧してのことだった。


誠「良し、バイクを置いてっと……しかし集まったゾン

ビは2時間で8体か……あんま時間に余裕もねぇな、食

い散らかしたゾンビの数は30体後はどんなけ増えるか

だな」


相棒のバットを携え慎重に辺りを見回る、地図に戦え

る場所や避難経路に出来そうなルートを書き込んだ。

「この道は狭い、バイクで何とか通れるが……念の為、

走行の邪魔になるゴミ片付けて行くか」


「この道は広いな……だが相手は複数だ」

「この道は道路が割れて盛り上がってるな……地図に

×付けておかねーと」

事細かく地図を埋めて行く、ある時はビルに上がり高

さがある所から視野を広げ探るゾンビの数や地形そし

て熊の発見が目的だ。


物静かに移動は自転車も使った、なんせ狭いとはいえ

町全てを埋める訳だからだ、北を縦線とし西半分が誠

の担当だ、だがすんなりとは行かない、野生は鼻が効

く、そして用心深さは人間の脳を越える、人が勝つに

はそれ以上の分析力が物を言う、彼等は其処に賭けた。


慎重な行動はクリスの指示も助けになっていた、時間

が掛かる理由の一つに風向きがある、風向きが人間の

匂いを運ぶ事から町の外側から中心に向かい吹く風を

待った、その為の半分のエリアでの行動だった、見つ

かる前に発見する事、それが生存に関わる最も重要な

項目である。道で1人の時に出会ってしまったら最後2

人は肝に命じ行動した。


こうして1日目を終え集会所に帰る2人。

誠「おぉぉ寒っ!ホラ西エリアは出来たぞ」

その地図を広げ、エリアマップに書き込むクリス

誠「そっちの食い散らかしたゾンビの数は?」

クリス「計7体だ、生きてるゾンビは31体」

誠「こちらは38体……生きてるゾンビは12体、

決まりだな熊の生息地は照子さんの証言通り西だ」

クリス「生息地が解ればしめたもんだ俺も南は出来た

……明日からは線で位置を結ぶ誠は北西エリア俺は南東

エリアだ」


神妙な顔で念には念を入れ充分に注意を促す。

「いいか、何かあったら直線上にいる、危険が大きい

のは誠、お前が居る場所で起こる、直ぐに渡したバル

ーンを飛ばせ、何か燃やしての煙でもいい、直ぐ駆け

つける、その為の南東と北西に別れての探索だからな」

誠「わーてるって!お前も油断はするなよ、まだ体力

戻ってねーんだからよ、危険感じたら直ぐにお互い合

図だ」


【これは互いの位置を把握する為の行動だ、町で人を

探すのは困難極まり無い、故に南東と北西に線で結ぶ

ように探索する事により、危険時、互いが居る方向エ

リアへ向かう事で位置を特定する為のものである。】


風を読むのはクリスの得意分野だ、狙撃に長ける彼だ

からこその探索成功とも言えた。

「良いか、必ず風下にいろよ、風が変われば建物から

出るなよ、其れは地図が出来てからだ」

誠「わーってるよ、任せとけ!」

「だがさっきも言ったがゾンビの数が少ねぇ……時間は

あまり無いぞ」

クリス「あぁ此方も中心地は3体だった、ゾンビばかり

餌にしてるとは限らないが冬が近い、お前の言う通り

時間は無いと俺も踏んでる」


討伐の答えが出ない2人に焦りが見える。

「シュミレーションゲームもっと遊んどきゃ良かった

かもな……」


  【今日のポイント】

熊は植物性の物を食べる個体が多いが元来肉食、熊の

被害は日本でも見られるが襲う部分は肉の部位太腿や

顔、腹、腕、などの肉の部位が多い。

被害者は顔に損傷を与えられる事が多い、ライオン等

は内臓を食べる習慣もあるが基本実は肉の部位が多い、

チーター等は内臓を避ける事が多い。


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