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籠城


物資集めに近くの元々の人口が500人程の小さな町

へ来たハク。


「拠点作りに出来るだけ建築用の物資を集めたい

所だけど……大きい物は僕じゃ力不足だし、晴か

裕太が居れば別なんだけど……」


「まっ集合してからでいいか……それまでに必要

な物は食べ物と水、後はゾンビ掃討用の武器か」


何となく町をブラつくハクだったが元々人口の少

ない町では満足のいく商店は少なく……スーパー

等は缶詰もあるが食品の腐敗が凄まじいマスクと

ゴーグル無しでは最早、入る事も危険なデンジャー

ゾーン。


かなりの食料は既に奪われてはいるだろうが、中

をチラ見する。

「……」


あり得ない臭さに思わず顔を外に向け深呼吸せず

にはいられない。

「駄目だクチャい目が痛い……先ずはマスクと

ゴーグルだ」

この現状にマスクは意外と取られてはいなかった。

平和な時代は、やれ菌やウイルスやと騒ぎ立てて

はいたが、文明が崩壊した今では最早それ自体が

必要な物と思いつかないのか、意外と見つかった。


後はゴーグル、それはいつも立ち寄る場所はバイク

屋だ、お洒落アイテムとしてヘルメットに装着して

あるものもある、しかも結構丈夫なのだ。


これも難なくゲット、複数個、皆の分まで持って

帰ろうとしたが、数は2個、取り敢えずある分だけ

リュックに詰めた。


缶詰は……残念ながら0、しかし梅干しを発見、

これは貴重だが古い民家等は見つかる事もしばし

ば昔の知恵というやつだ。


スーパー等で売られている梅干しは天日干しされ

ておらず長期保存は塩分濃度が8%前後と保存には

向かないが天日干しされた梅干しは塩分濃度20%

前後クエン酸の働きもあり100年以上は持つ、しか

も美味しい、良い物を見つけた。梅干しは戦国時

代でも唾液を分泌させ、水分を唾液でカバーして

いた材料にもなっている、まぁ後はガムか……こ

れも空腹を紛らわすにはいいか……まぁオヤツに。


後は拠点の候補地で歩いていた鶏から作った干し肉

意外と栗栖からのお弁当と言うやつかサバイバル食

だ、意外と彼は芸が細かい、然程悪いやつには感

じなかった、廃墟では人道外れた行動を取ってい

た彼だが説明は出来ない、だがした事は人道的に

許されるものでは無いだろう、だが……何故か憎

みきれない一面を持っていた。

この事でもわかる様にーー


「水は無いな……」

井戸水があった筈、それに使っていない活性炭入

りの公民館の方々から貰った物が複数個まだ使用

してはいない、充分だ。


ブラブラ町を歩くと小さなコンビニがあった、中

には何も無い……文房具屋さんを見つけてノート

を数冊戴く焚き木のあてにしよう。ビルは無く、

平家が多い、高い建物は2階建が最高だった。ハク

は今回探していた物は服だ、秋口に差し掛かり気

温が夜には冷える、


その内の一つの民家にお邪魔する、時刻が夕暮れ

時に迫っていたからだ、寝場所を確保しなければ

気温も下がり危険だからだ。

「こんにちわ、お邪魔します」

何気無く外を見る、ふと目に入る視界に近くに此

処よりも大きい町が目に入った。

「……成る程物資が無いわけだ、此処よりは大き

い町があちらにあったか」


恐らく此処に居た人は彼方に避難したのだろう、

もしくは逆も考えられるが此処に物資は無い、ゾ

ンビは少ないとなれば、答えは前者だろう。


「明日は彼方も見に行くか」

その時であるーー

見ていた町に明るい光と共に爆発音が地鳴りの様

に響き渡った、ハクの体感でも微弱な地震を思わ

せる揺れが足に伝わる。


窓を開け、リュックから双眼鏡を取り出し凝視、

双眼鏡で覗きながらも慌てリュックを背負い直す。


比較的大きな少ない商業施設と見られる五階建て

の建築ビルが倒壊していく様が目に飛び込んだ。


「マズい……奴らだ……」

そう異星人、つまりグリマンであった。

「こんな田舎まで……」


都市部中心に破壊活動を行なっていたグリマンは

後、わかる事だが大半は退去していた。ハクは記

憶を失っており、異星人による一斉侵略の場面は

記憶には無かった、見かける事はあっても一切手

を出さずその場を凌いできた。


町の上空を見上げると、巨大で無骨な飛行船の様

な形をした未確認飛行物体が見える……彼等の乗

り物は数回見た、反重力の様に動くバイクの様な

ものと後は操縦席がある駝鳥型の歩行型、特に歩

行型は遠くからでも、その凄まじい破壊力は解る。


だが異星人襲来事の残されたグリマンは侵略の際

の精鋭部隊とは違い統率のあまりとれて居ない奴

等がここ日本に残されて居た。


理由は後々解る、そしてコレを予期していた自衛

隊やアメリカ軍が廃墟に救助に来た意味でもあっ

た。

ハク「迂闊だった……ただ単に救助に来たのかと

……深く考えるべきだった」


双眼鏡からは光の帯と破壊の建築物で進行方向を

探る、だがマズいことにこちらに向かっていた。


ーー此処から逃げねば


「逆方向は山だ、左は……駄目だ視界が広過ぎる

隠れる場所が無い、右……も同じか」

「だとすると車、だけど今からじゃ間に合わない、

小さな町で車は避難時に使われたのか、此処でも

見かけてない……探す暇は無い、使えたとしても

目立つ……」


「後は……山、視界も閉ざせる、だが此処に来る

途中、野犬数匹を見かけたハクだった。


夜に山は危険だ、テントも無い、野営するにも危

険すぎるリッュクの中の物だけでは……あらゆる

可能性が潰れてゆく、だが危険はもっと進行が早

かった……既に近くに近代では聞かない空気の振

動音の様な音がすぐ近くまで来ていた。



【今日のポイント】


干し肉の作り方

肉を長期保存する方法

肉は脂身の無いものを選ぶ

油は出来るだけ取り除く、油身は水分も多く

腐りやすい為だ。

薄切りにする1センチ程度

海水に漬け24時間程置く、塩分を染み込ます為だ。

海水が無い場合、塩を3%程入れた水で浸す。


後は乾燥だ、日陰で干す。

期間は2日~3日程干す


以上だ。


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