2人の女の子
彼女達の名前は5歳の妹の方が鈴ちゃん、中学2年
生のお姉ちゃんが美優ちゃん。
そして公民館の中に居た人達の平均年齢は75歳と
高齢者が多かった、中には身動きのとれない介護
が必要な人も居て、この公民館が彼等唯一の生存
場所だった、この様な状況では個々で生きるのは
難しい……そういう時代を迎えていた。
吾郎お爺ちゃん「有難う、ほんとに有難う……
この子達は娘の子供達で休みを利用して丁度、横
浜から遊びに来てたんじゃ……」
しっかり吾郎爺ちゃんの足に絡みつく鈴ちゃん。
ハク(猫みたい……)
「ワシらも再三、注意はしとったんじゃが、少し
目を離した隙に鈴ちゃんが外にいる……指を指し
た方向にハクが倒したゾンビが居た。
吾郎「この子達のおばぁちゃんを見つけて、飛び
出してしまったんじゃ……」
ハク「もしかして……あのゾンビ」
(うげ……腰かけちゃった)
「あの……何かすいません」
鈴「……バカ」
ハク「だよね……いやはや」
「すいません……」
吾郎「コレ!鈴ちゃん、このお兄さんは鈴を助け
てくれたのじゃぞ!早ぉ、お礼言いなさい」
ふてくされた目で僕を見る鈴ちゃんに心が強烈に
痛い……痛いぞ。
ハク「いやその……良いんですよ、まだ状況を理
解出来る歳でも無いだろうし」
(僕も理解してなかったです……はい)
「理解しても身内に腰かけちゃったら嫌な気分に
なるのも当然だし」
吾郎「そう言っていただけると有り難いですじゃ」
思いついたように柏手を打つ。
「そうじゃ……せめてものお礼に鍋でもご馳走し
ようかの、是非!そうさせてくれ」
ハク「ななななななっ鍋!」
(ダメだハク!貴重な食料だ、此処は遠慮するの
が男ってもんだ!)
「いただきます!」キリリッ
(はわわわ、口が勝手に……)
本能とは恐ろしい、いや欲望と言うべきか、僕は
鍋をしっかり頂いた。此処は元々農家が主体の村
で、人工からしてゾンビの数も少ないそしてゾン
ビは生きた餌しか食わぬ事から農作業に勤しむっ
て程の余裕は無いが、自然の育みは強く、手入れ
していない分、貧相ではあるものの村人の飢えを
凌ぐ位は取れるそうだ。
それに偶に安全を確認したあと、交代で収穫と雑
草の手入れをするそうだ、公民館の周りも畑があ
り、主な食料は此処で賄っている事から食に困っ
た様子は無かった。
「いただきまーす!うほっ美味ぃいぃ!」
暖かい鍋なんてこの状態になってから初めてだっ
た、湯気の出る食事、香り香る新鮮な食材の匂い、
昔から変わらぬ味噌の味に舌鼓を打つ、山菜メイ
ンのキノコ入りだ!
鍋の水も近くの川から汲んだそうだ、水は公民館
の裏手20メートル程先にある。水は重く、お年寄
りには辛い作業であった。リヤカーもあるが、水
を汲んだ後、それを荷台に積む事もままならず、
少量の水を交代で組みに行くもゾンビの歩みは遅
いが、お年寄りもゾンビに負けず動きが遅い事か
ら先月も1人犠牲となった。
話を聞いているうちに問題も浮上、考えるハク、
ハク「成る程、水確保が課題ですか……」
吾郎「今は美優ちゃんが水汲み担当で行ってくれ
てはいるが、この子達も親が心配だろうて、今は
ワシらの為に此処に居て手伝いをしてくれてる様
だが、東京に行くって前は大騒技師とった、ワシ
らそれがいかに危険と解っているから賛成は出来
なくて、それが辛くての……」
美優「お母さんの田舎だからほっとけ無い」
ぬっと顔をだし呟く美優、
気丈な顔立ちの美人よりのとても可愛い子だが、
気はキツそう……
吾郎「しかし都会は人が多い、その分ゾンビも多
い、どちらにしろ今は人間も含め危険じゃろう女
の子2人ではワシらも反対するしかのーてな」
彼女達の希望も叶えてあげたいが自分達、老人で
は手助け所か助けてもらってる現状に皆この子達
を不憫に感じている様子が表情から手にとるよう
に解った。
ハク「ですね……僕も反対しますね、今の時代、
特に女の子は危険だと思います」
こちらの話に聞き耳を立てていた美優が凄い剣幕
でこちらに向かって来た。
ハク「ハワワわ」
美優「……」
「いらん事言わ無いで!じゃ私達は一生ここに居
ろってんの!」
怒鳴る美優にビビる僕……。
吾郎「思春期の子じゃ無礼すまなんだ」
ハク「……」
「ご馳走様でした!ちょっと腹ごなしに散歩して
きますね」
そう言うとハクは少し公民館の周りを探索する。
「のどかだなぁ……こう言う景色見ると心が和む、
鳥のさえずりも耳に入り少し緩やかな風が鮮やか
に彩る花や草を動かす、その度に落ち着く自然の
匂い、鼻歌まじりに散策を続ける、それは何かを
探していた感じだった。
「……」
「リヤカーが倉庫に5台か……」
それから毎日散策をするハクは公民館の人達と2日
程、お世話になった。この頃になると鈴もハクに
気を許し、かなり懐いていた、美優も喋るには喋
るが、どうも自分のツンデレが止められ無いらし
い、肝心のデレは聞いた事がないケド、そう、今
だ全くです、はい……。
その間も暇を見つけては公民館付近を彷徨くハク
だった。
「ゾンビは……見る限り多くはない、5分に1度見
かける位、そしてさっき見たゾンビと同じだから、
計算から省いて……」
メモを細かくノートに取る、そのページが満杯に
なり公民館へ戻った、そして飯が終わり皆を集め
たのだった。
「みなさーん!聞いてくださーい各自、家にある
もので、このボードに今から書き込む物がある方
は、数と長さも明記して下さいませんかー」
そう、ハクは作戦に打って出たのだった、飯の借
りは返す男、そう彼はそう言う男だった。
【今日のポイント】
思春期のお年頃は正常ではないとテレビで見た。
この時に何を言われても病気みたいな物なので感
情的にならず自分の心の平和を保ちましょう。
この時の暴言や行動は後悔となり、後々親への愛
情と変化する事を理解しましょう。
女性は可愛い、綺麗な程、危険が増す、変装等、
女の子に見えない様な格好も重要だ。
彼氏の前だけ可愛く、綺麗に入れば良い、行動を
共にするならば、危険を自ら招く事態は避けるべ
きだ。